$珈琲の香りと紫烟の中で・・・
007/ドクター・ノオ(1962年)
日本初公開時タイトルは、007は殺しの番号


 久しぶりの更新です。今回は1980年中頃に月曜ロードショーにて放送された「ドクター・ノオ」での荻昌弘先生の解説を思いだせる限り再現して、007シリーズの記念すべき第一作を紹介してみたいと思います。
 先生の口調を覚えている人は真似しながら読んでくださいね!!

 

 「荻~昌弘です。こんばんは。月曜ロードショーいささか趣向を凝らしましてね、先週お楽しみいただきました「007ムーンレイカー」、つまりこのシリーズの仕掛けが行き着くところまで行き着いてしまったというサービスでお楽しみいただきました。そして今週は一転して、シリーズの原点でもあり出発点となった「007は殺しの番号/ドクター・ノオ」、これをお送りしたいと思います。もうすでに20数年前の作品ですが全く古臭さを感じさせない、いやむしろこの面白さがあったからこそ007シリーズはついに四半世紀をこえるシリーズとなったわけです。

 まぁ原点でもあり出発点となった作品ですので、主人公ジェームズ・ボンドを演じるのはもちろん元祖のショーン・コネリー。
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 ショーン・コネリーはシリーズ6作に出演、そして何と12年の時を経てあの「ネバーセイ・ネバーアゲイン」でジェームズ・ボンドとして蘇ってきました。
 この「ネバーセイ・ネバーアゲイン」での彼のギャラは日本円で10億円に近かったと言われています。しかし最初のこの「ドクター・ノオ」でのギャラは6000ポンドだったそうです。当時ポンドは高かったのですが約600万円くらいだったでしょうかね。人間の運命というものをつくづく考えさせられるわけです。
 彼はこれまでいろんな職業を転々としながら役者をあきらめず人生の辛酸をなめ尽した後、32歳の時ついにこのジェームズ・ボンドという金的を射止めたのですね。


 そして初代のボンドガールを演じるのは、当時のセックスシンボルの代表の一人であったウルスラ・アンドレス。
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 初代の悪(ワル)を演じるのはブロードウェイの名優、ジョゼフ・ワイズマン。
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 私が20数年前にこの作品を観たときは、まぁ何と浮世離れした作品だ!と思ったのですが、今改めて観直しますとね、いや、これはリアルな!現実的な活劇だ!と思い直しました。つまりボンドはメカニズムに頼らず己の肉体を武器に戦っているという事です。
 そのあたりを存分にお楽しみいただきたいと思います。」



 この放送時のビデオテープを30回くらいは軽く観ていたので、荻昌弘先生の解説もかなり覚えていました。
 シリーズ第一作目なので荒さも目立ちセットもチャチな感じがする作品ですが、4代目ボンド、ティモシー・ダルトンに「シリーズで一番好きな作品は?」と荻昌弘先生が質問したとき、「やっぱり第一作目のドクター・ノオですね」と答えていたのがすごく記憶に残っています。 



 「ドクター・ノオ」のオープニング。お馴染みの「ジェームズ・ボンドのテーマ曲」がタイトルバックに流れます。