アメリカから遥々海を渡ってやってきた、美しいパロミノのクォーターホース、ノーマ・ジーン。
若い頃は、トムさんや私を乗せてくれて競技会にも出たり、たくさんの楽しみを教えてくれた馬でした。
ここ1,2年くらいで急におそらくクッシング病、、コートが生え変わらなくなり、実年齢よりも老けたなぁ・・という容姿になってしまったのだけど・・・。
でも、若い頃は壁を蹴ったり、馬には強かった性格も年々穏やかになり、こどもたちが乗ってもとてもおとなしく、みんなの人気者だったジーン。
神武様という大きな神事もこなしてくれました。
ある朝、スタッフのななちゃんが、ジーンが歩けないようです、と連絡あり、嫌な予感が。
見ると以前のハリーの時のような、急性の蹄葉炎の症状と酷似していて、あぁ、、もうだめかもしれないと、直感で悟りました。
獣医師に連絡をいれて状況報告し、もう最期の処置もしてもらうことを告げて。。
その前に大切な人へ辛い知らせをしなければ・・・。
いつかはやってくる、その日。
でも、まだまだ先のことだと思っていたから・・・・
大切な人、ジーンがきっと一番逢いたかったひと、はすぐに来てくれました。
長いこと会ってなくても、きっとジーンはその穏やかな声を覚えていたのだと思います。
話しかける声に耳を傾け、おもむろにごはんを一生懸命食べだしました。
普段は残すことも多かったのに、この日は全部、完食してくれました。
こんなに食欲があると、私の決意もまたひるみそうで・・・私の決断が間違っているんじゃないかという、得体のしれない恐怖のような・・・。
でも、一歩も歩けないのは事実で、この後しばらくするとまた、鎮痛剤が切れてきて発汗してきました。
この穏やかな時間を過ごした僅か3時間後、ジーンはとても静かに、眠るように空へ旅立ちました・・・。
享保25歳。
まだまだ長生きしてほしかったけど・・・でも、精一杯、最後まで生きてくれましたね。
立派な最期でした。
そして、ジーンが大切な人と久しぶりに会えて少しでも最後に二人の時間が過ごせたこと、なんだかそれが私にとっての救いになりました。
年末の、マサハルの時のような無念さはなく、穏やかな最期を見届けられたという気持ちからか、一抹の安堵感さえ覚えました。
たくさんの競走馬たちを見送っている獣医さんからも、こうやって天寿を全うできる馬はとても少ない、幸せなことですね、と温かいお言葉を頂きました。
きっと、幸せな一生だったかな、、ジーン。
わずか数年前だけど、毛艶がよくて若々しいね^^
可愛い子馬も2頭、育ててくれました。
面倒見のいいお母ちゃんでしたね。
おばあちゃんになっても可愛いジーン^^
これからは、先に旅立った馬たちと空で駆け回って、みんなを見守っててね!!
ありがとう、ジーン!!