1972年に宣弘社が製作(日本現代企画が協力)し、TBSで放送された特撮ヒーロー番組「アイアンキング」。
 石橋正次に浜田光夫という当時のスターを揃え、さらに主人公が変身しない(変身するのは相方の方)という独自設定が今でもユニークな逸品だ。

アイアン
 
 その作品の膨大な写真と図版、そしてDVD付属の上、まとめあげたのがこの「アイアンキング フォトクロニクル」だ。

 宣弘社系のこの冊子は「シルバー仮面」「スーパーロボットレッドバロン」に続いて三冊目。
 個人的には「シルバー~」は無所有であり、「~レッドバロン」は先に買った。
 ただし「~レッドバロン」が資料的にも映像的にも貴重な代物が揃っていたため、この「アイアンキング~」はちょっと見劣りしてしまう。

 現在のキャストのインタビューや座談会なんかは未収録だし、橋本洋二プロデューサーと佐々木守先生の座談会も合計30分にも満たない。
 しかしそれでも二人の駆け出しの頃のラジオドラマ時代の話や、現状(といっても2003年だけど)の特撮作品の激減ぶりを憂いる発言もあり、貴重な資料ではある。
 特に佐々木先生は今は既に他界されているため、これは生前の時の遺言状ともとれる。

 放送から43年も経過した作品ではあるが、その設定の特異性と豪華なキャスト陣により、今でも語り継がれる傑作であるのは確かであろう。