「闘将ダイモス」第21~22話(スカパー・629CH)


 第21話はバーム星側が労働力確保のため地球の市民を大量拉致(虐殺)を始める回。
 その中にはエリカそっくりの女性もおり、一矢は動揺を隠せない。
 その一方で三輪は人質の人命を無視した強硬策でバーム星人を攻撃。これにより負傷したバーム星人の兵士を一矢は保護し、地球とバーム星関係なく命は等しいと説く。
 一矢の姿勢は理想論過ぎるが、他者をかえりみず独善的なリヒテルや三輪の対極的な姿勢を打ち出す作り手の真意が垣間見える。
 ダイモスの戦いの真の目的はエゴやナショナリズムではなく、平和と博愛であることが改めて打ち出されている。


 第22話は京四郎の過去と祖父との確執&和解を描く。
 京四郎の祖父は伝統のある剣術士であったのだが、その娘は仏国の画家と駆け落ち。それが京四郎の両親であったのだが、父はほどなく事故死し、母も貧困の果てに病死。それ故に両親に冷たい態度をとった祖父と京四郎には深い溝が生じていた。
 折しもダイモビックを訪ねてきた祖父を、バーム星側は拉致し、戦闘ロボットに隔離してダイモスと戦わせる策をとる。
 奥義の件や覚悟を決めた祖父の姿勢により、京四郎はガルバーを使っての救出を決行。この成功を見届けた一矢はダイモスで敵ロボットを倒す。
 京四郎は今まで「先生」と呼ぶのを改め、「爺さん」とポツリとつぶやく。全編ギスギスした空気の反動か、この一言だけで爽やかな幕切れを感じることができた。