勉強会で考えたこと | フエ日記

フエ日記

2010年1月から2年間、ベトナム中部の町フエで、日本語を教えます。

ベトナムで見たこと、感じたこと、楽しいこともそうでないことも、
自分の2年の記録のためにものせていこうと思います。

なんだか最近は活動のことをきちんと書いてないような気がするので、昨日の勉強会で感じたことを。


夏休みに入ってから、これまで週1だった勉強会を、週2回行っている。

せっかくなので、2回ともテキストではなく、1回をテキスト、残りの1回を「音声学」にし、先生たちの発音矯正の時間にしている。

昨日は「音声学」の勉強は2回目で、1回目の時に先生たちから見て学生の発音の気になるところと、先生達自身が自分の発音で気になるところを聞いてみた。

多くの先生の答えは、「アクセント」。

私の感じではアクセントだけではなくて、拍とかイントネーションとかすべての問題がまざって聞き取りにくくなっている部分があるように思う。

たとえば、特に3拍の言葉を3拍で発音するのが難しいようで、

「いけん(意見)」という3拍の言葉を、多くの先生は「いーけん」と4拍で発音してしまったりする。


とにかく、昨日は2回目の「音声学」の勉強会で、この時間だけはちょっと厳しく発音矯正をするようにしていたら、やっぱり先生達、自分のアクセントの間違いが気になって、いつもはすらすら話せる先生も、話せなくなってしまった。


ある先生は途中ちょっとやる気をなくしてしまって、「これまで10年近くこのアクセントで話してきたから、もう直せない!やっても役に立たない!」と言いだした。


うんうん、わかりますよ、そう思う気持ちも。
その先生の日本語別に下手じゃないし、私だって、「アクセントに固執しなくても、意味が伝われば充分じゃないか」と迷う部分もあるから。


しかし若い先生は「でもやらないと。私は役に立つと思います」と言う。


難しいな、発音の問題。


結局、私は指摘はするけど、それを直そうとするかしないかは先生次第、と伝えた。もちろん、意味が伝わらない部分は直してもらわないと、意志疎通ができないからね。

あと、先生たちのアクセントで学生たちは覚えてしまうってことも、肝に銘じておいてもらわないと。

ある先生に、「~ます」、「~です」の「す」を無声化できなくて、はっきり発音しちゃう先生がいるんだけど、昨日の時間にそのことを指摘したら、本人は分かっていて、でも初めて自分が日本語を習った日本人の先生がそんな発音をしていて、自分もそうなってしまったらしい。

その日本人の先生、強調してしゃべってたんだろうね。

自然に話せば、「です」「ます」の「す」をはっきり発音して話す日本人はいないはず。

学科長はアクセントとか発音が比較的きれいなのだけど、理由を聞いたらやっぱり初めてならった日本人の先生がアクセントにはすごく厳しかったんだって。


最初に習う先生って重要・・・!


あ、勉強会の雰囲気は決して悪かったわけではありませんよ。もう1年以上やっているので、むしろ和やかでいい感じです。

先生たちの発音矯正はずっと前から気になっていたからもっと早くに取り組んでもよかったかもしれないけど、私が先生たちの発音の間違いを指摘してもだいじょうぶな関係とか、先生たちがそれを他の先生たちに見られてもだいじょうぶな関係が出来てきたのは、1年以上たってからかなーと思うので、よしとしよう。


私は残りの任期はちょっと音声学に力を入れてやりたいなと思ってます。

なんて書いてたら、午前中(というかここ最近)ぼけっとしていたのもちょっとふっとんで気合入りました。

がんばろ!