鉄筋コンクリートマンションの耐用年数は47年ですが、この年数が経過すると税法上の建物価値はなくなることになります。実際に40年以上経過すると建て替えが検討される状況になる場合もあります(まあ実際のところは建替えにあたっては容積率に余力があるなどのプラス材料が必要で、居住所の4/5以上の賛成を得るのは困難ですが)。
以前身内の代で居住・売買したことがあって、ちょうど上記のような時期にある築古区分マンションが今頃どうなっているのかなと思い、調査してみることにしました。
この物件は東京都内郊外に位置するファミリータイプのマンションで、立地的には居住ニーズはあり普通に生活できますが、特別人気のあるエリアや利便性抜群な場所ではありません。大規模修繕も行われており、管理状態は比較的良好と思われます。
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物件の概要はこのような感じです。
エリア: 東京23区外
駅徒歩7分
専有面積 約60㎡
7階/11階建て
1974年築(築46年)
SRC造、約100戸
所有権、管理人常駐
現在参考賃料相場:8.5万円/月
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この物件の実際の売買価格、および現在の売出価格がどうなっているかと言うと、
1975年購入(新築) 1,380万円
1981年売却 1,720万円
2020年現在 1,500万円(売出価格)
という感じでした。
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この間にインフレ、バブル景気などがあり、不動産価格も乱高下していて円の価値が大きく変わっているので普遍的とは言えないかもしれません(例えば1990年頃に新築で買ってしまったら・・)。
一方で45年以上が経って法定耐用年数を経過しようとしているマンションでも新築時とさほど変わらない額で売れる(可能性がある)という事実があります。
このような東京郊外の何の変哲もないマンションですら結果的にほぼ同値撤退ができることになるので、都心の希少立地などのビンテージマンションであれば何倍にもなっていたりします。
「新築マンションは30~40年も経ったら二束三文になる」ともよく言われますが実際は必ずしもそうではなく、特に長期保有するのであれば優位性のある立地や管理状態が特に重要と思いました。