最近の円安についての雑感 | 趣味でやる投資 (株式/不動産/etc.)

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東京・愛知で2拠点生活の氷河期世代です。株式、不動産などの投資、PCやスマホ、車、クレジットカード、コイン、他自分の興味のある話題を自身の頭の中の整理も兼ねて投稿したいと思います。アメブロとtwitterを併用していて、ブログの更新・チェック頻度は週1~2くらいです。

3月10日頃から猛烈な勢いでドル円が上がり始め、この1か月半程度の間に15円近くの上昇となっています。ドルほどではありませんがユーロ、ポンド、豪ドルなど軒並み円に対して上昇しており、円の独歩安状態になっています。

 

 

原因として日本の対GDP比での債務の大きさ、また日本への成長期待薄から海外から国内への投資が減り、逆に国内から海外へ投資資金が流出している点などが言われていますが、目先の急激な円安の主因として「日米実質金利差」と「貿易収支」の2つが挙げられます。

 

 

 

実質金利はつい直近で日本と米国とで逆転しています。この実質金利差とドル円は(いつもそうとは限りませんが)今年に入ってからはほぼ完璧にシンクロしており、この指標を元に為替売買がなされている向きがあります。

 

 

 

このグラフの次月にあたる3月の貿易収支は-4,124億円と赤字が続いており、貿易赤字が8か月連続となり慢性的な赤字が定着しています。これは同じく円安が進んだ2013~15年以来となります。

 

(上の2つの図、および一番下の図はいずれも日経新聞より)

 

 

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一方で最近は必ずしもリンクしていないようにも感じますが、長期では理論的に一定のラインに収斂すると言われる従来からよく参考にされている2つの指標について見てみます。

 

 

 

 

購買力平価」による一物一価理論だと90~110円/ドルが妥当(消費者物価~企業物価)ということになるので今の日本円は1980年台並みに過小評価されているという結論になります。

 

 

 

貿易量や物価変動まで考慮した「実質実効為替レート」では50年来の円安という水準になっており、相対的には円安の極みという水準まで来ています。

 

 

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色々見てみましたが短期ではドル円は強い上昇トレンドを示していて、米国のインフレがさらに進行すればより金利を上げざるを得ないことになり天井が見えない状況で、2002年の134円や、1998年の147円が次のターゲットになるという意見もあります。

 

 

逆に言えばインフレがピークアウトした時点でそれ以上のドル高の材料が乏しくなることになり、ドル自体もこれまでかなり発行量を増やしていることから長期でもさらなる円安ドル高トレンドが続くかどうかについては何とも言えません。

 

 

個人的には世界的なインフレと日本のGDP成長率、債務、徹底的な低金利政策など総合的に考えれば日本円現金が他の投資対象より強くなる理由が乏しいと思っているので、借入金を起こしての不動産・事業への投資、手元資金の海外資産やコモディティへの分散といった方針は当面続けていこうと思っています。