「おい、大丈夫か?」

 ナイトとルークは、すぐに四人の側に駆け寄る。

「何か、あったか?」

アイツに何か、されたりはしなかったか…と、チラリとメアリーの

方を見る。

「ううん、大丈夫」

ニコリと微笑みながら、アキはそう答える。

(今のところは…ね)

心の中で、そう思う。

「そうか?」

ナイトはあからさまに、ホッとした顔をすると、

「この子たちには、関わらないでくれ」

再度、メアリーに話しかける。

 

 メアリーは黙ったまま、チラリとアキとショータを見ると、

「ああら!そんなに心配しなくても、私は何もしていないわよ」

そうでしょ?と、カガリの方を向く。

「えぇ」

 それは、もちろん…

アキちゃんは、何をしているの、とカガリもチラリと、アキの方を

向く。

「ホント、心配症ねぇ~」

 ニヤニヤと、メアリーが笑うと、ポンポンとカガリの肩を

叩く。

 だが…彼女の傍らには、彼女に似つかわしくない、あのでっかい

カマが、今もギラリと異様な光を放っている。

まるで血に飢えた猛獣のように、メアリーが狩りをするのを

待ちかまえているようだ。

 

「ふーん、そうか?」

 だがナイトは、少しもその言葉を信用してはいないようだ。

「それなら、我々に返してもらおうか」

毅然とした態度で、メアリーに言い放つ。

「へっ?」

メアリーは、大げさなくらいに驚いてみせると、

「それは、困るなぁ。

 私も、ボスの所にこの子たちを、連れて行かないといけない

 から…」

じっくりと、アキたちに視線を走らせた。

 

 

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