3.11後、NHKの『100分de名著』という番組でも紹介されたフランクルの『夜と霧』
今春、発売になった『imago 現代思想4月臨時増刊号』でも、総特集が組まれました。
ほんとうに、学術分野でもボーダーがなくなっていると実感します。
imagoと言えば、思想の分野の本だと私は思います。
しかし、表紙の執筆者をみると医師を中心に各界の著名人がずらり。
たしかに心理療法家でなくても、思想家としてフランクルの『夜と霧』から影響を受けた経営者は多いです。
「あなたがどれほど人生に絶望しても、人生があなたに絶望することはない」
というフランクルの言葉をタイトルにしたコラムを書いている諸富祥彦先生は、この『夜と霧』の人気を次のように解説しています。数字から見て見ると、。
「特にアメリカの若者に熱狂的に支持されたこの本は、英語版だけで900万部に及ぶ。
また、1991年11月2日付けのニューヨークタイムズによれば、アメリカの議会図書館と『今月の本クラブ』会員が選んだ『もっとも影響力のある本』ベスト10に入っている。
心理学、精神医学関係では唯一のランクインである。」
私は「実存療法を医療の分野で役立てほしい」というのが、本来の意図だったと恩師、永田勝太郎先生から伺っています。
永田先生の講演を初めて拝聴したのは2009年だったでしょうか。
「フランクルが、もっとも信頼する日本人」
と司会の方が紹介したのを、覚えています。
普段、パッチ・アダムスやポジティブ心理学が好きだと叫ぶ私のカウンセラー・マインドとは、正反対のアプローチにも一見すると思えます。
しかし私が、このアプローチを取り入れるには次の理由によります。
1.写真で見ると、気難しく見えるフランクル、実は「ジョークの天才」と言うほどのユーモア好きだと聴いたこと。
個人的には、中沢新一さんが大阪の吉本新喜劇のある場所は、元は死刑囚の収容所のすぐ側だった、という話と重なりました。
2.重なったと言えば、やはり3.11で被災され、ご家族や愛する人との別れを経験された方々の姿を見ました。
フランクル博士の言葉だけが、数ある心理療法家の言葉の中で、 被災者の方々を勇気づけて差し上げられると感じたこと。
被災者だけでなく、例えば過酷な労働環境にある方や、リストラにあった方など、広い世代に向けて伝えて行きたいと思っています。
本日、お会いする永田勝太郎先生と、ウィーンのヴィクトール・フランクル研究所のハラルド・モリイ氏に、どんな質問をしようかと思いつつ、なかなか寝付けずにいます(⌒-⌒; )
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