誰にでも秘密基地があったものだ。
近所の公園の木の上だとか、
空き地にある掘立小屋だとか、
川辺の草原地帯にできたくぼみだとか。
一筋先にあった地下水の流れたどぶ板の下
それが、ぼくにとっての秘密基地のひとつだった。
密集したアキノキリンソウの林に吹き抜けのできた小さな空間
ここも、ぼくの秘密基地だった。
考えることができる。
空想することができる。
感じることができる。
果てしなく、妄想することだってできる。
そんな場所が、
大人になった今でも、大切なんだ。
秘密基地を子供たちが持てる世界 を
取り戻してあげることができないもののだろうか?