言葉の海を漂う

言葉の海を漂う

フリーランス在宅翻訳業12年目の主婦。翻訳や生活のこと。

まだまだ寒暖の差が大きいですが、今日は昼間良く晴れて初夏のような暑さでしたね。気分転換にショッピングモールに行き、大きなパンケーキを食べてきました☺

 

昨日、和訳のチェックの仕事を納品したのですが、翻訳者さんがとても上手でほとんど修正するところがなく、ほぼそのままで納品しました。

分野は、経営+メディカル方面で、財務も少しつっこんだところが出てくるのですが、安定した品質の訳文で、おお、versatile!と感心しました。

特に長い文の処理の仕方が優れていて、必要に応じて2文を1文に分けたり、短い文を合体させたりするのですが、そのつなぎ方も逐一この接続詞ぴったり!と思わされるワードチョイス。

 

中でも秀逸だと思ったのが、こなれた日本語。

「難色を示す」「休業に追い込まれる」「大事故に見舞われる」「立ちすくんでしまう」「巧みにさばく」……

日本語のポケットが深いなあと感心。

私は、こなれた日本語はないかと探すときに、類語辞典・シソーラス辞典を使います。でも最近は、英単語を見たとき、ありきたりな訳に満足してしまって、もっとピッタリな表現はないか探す前の段階でストップしてしまっていました。良質な日本語のストックを増やすには、どうしたらいいんだろう…読書を増やすとかいろいろあるけど、やはり、今回のように秀逸な訳をチェックするなど実地で経験させてもらうことが一番の勉強法だなと思います。

 

次にもう一つ見習おうと思ったのが、「埋める」翻訳。

原文にない語句でも必要に応じて日本語を補い、日本語としてより自然に繋がるようにする。これは内容をよく理解していないとできないですよね。よほど原文理解に自信があるときでしか発動できない翻訳の技です。逆にこれがうまくできていれば、この翻訳者よく原文を理解しているな、と読み手を安心させることができます。

 

今回のプロジェクトは2本立てなので、明日後半の訳文がアップされます。報酬をもらいながら勉強させてもらうという有難い機会。頑張って取り組みます~。