ぐりお

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(・∀・)

Amebaでブログを始めよう!

Japanのデビの弟、スティーブジャンセンも

かなりのイケメンだが、

デビが綺麗すぎて 

ドラムのスティーブが目立たないあせる

 

Japan - Quiet Life

 

 

Sylvian e Sakamoto - Forbidden Colours

 

この歌 大好きです。

1~8の中国語は、この歌で覚えました。

作曲は コーネリアスの小山田圭吾さんのお父様、

小山田暁さんです。

>

まだ高校生の みゆなちゃん。

こんな大人っぽい歌を歌えるなんて驚きです。

 

 

 

 

 

未来くんも カバーしていますよ(^^♪

 

ドナーが見つかった。

「見つかった」って言い方、正しいのだろうか。

◇ 

「ゆっくり目を開けて・・・・」

包帯が取られる。

 

一年ぶりの ひかり。

 

「あ・・・・」

「見えますか?」

 

私は 温かなぬくもりをすぐ隣に感じ、視線を移した。

 

「光(ひかる)・・・・」

「紫(ゆかり)。俺が見える?」

 

うん。うん。

何度も頷いて その拍子に涙がこぼれ落ちる。

 

光を とり戻したの

 

 

私は16歳で結婚した。

相手は25歳の六条光。

 

デキ婚ではない。

お互い 友人に「デキ婚だろ?」なんて言われたけど。

もう4年経つのに 子どもに恵まれない。

 

「外の光に慣れてきたら大学に戻ったらいいよ」

「え・・・でも」

 

「休学扱いになってるし 勿体ないじゃないか。君はさ、優秀なんだから」

「・・・・いいの? 学費」

 

それだけじゃない、医療費だって生活費だって。

 

「紫(ゆかり)、俺一応 高給取りだぜ?」

「そうだっけ?」

「任せなさい」

えっへん って言う光が可笑しくて笑ってしまう。

 

 

ああ・・・青空が綺麗。

当たり前って凄いんだな。

 

見える。 聞こえる。 話せる。 呼吸ができる。

それは失って、得て初めて分かる幸せ。

 

生まれたての赤ちゃんは 嬉しいんだきっと。

それが凄いって事を知ってるんだ。

 

 

ふと 公園のベンチの隣の席に小さな男の子がいることに気がついた。

 

「あ・・・・ひかる?」

え?

私 なに言ってるんだろう。

 

まだ5歳くらいの 可愛い男の子。

でも・・・光にそっくり・・・・

 

その時、目の奥で閃光が走った気がして 瞳をぎゅっと閉じた。

ああ・・・まだ外の明るさは無理なのかしら。

 

横を見ると もう男の子はいなかった。

 

 

「え?俺にそっくりな子ども?」

「うん。びっくりしちゃった。 本当にそっくりなんだもの」

 

「へぇ~見てみたいな。 でもえらく老けた子どもだな」

「ちーがーう。 小さい頃の光の写真」

 

「あはは なるほどね」

 

いいなぁ。 子ども、欲しいなぁ。

 

 

光の会社は水曜日は定時に終わる。

失明していた時も 私は引きこもらず

よくこうしてこのcafeで待ち合わせした。

夫婦だけど 恋人気分。

 

いつもの、窓際の席で待っていよう。

「・・・・あ」

15歳くらいの少年が座っていた。

 

仕方なく 別の席に座った。

私の胸はドキドキして 喉の奥から心臓が出てくるんじゃないかと思った。

 

「あ、紫 ここにいたのか」

「・・・光」

 

「なんだよ、まだ来てないのかと思った。いつもの席じゃないから」

「うん。 ほらだって、いるでしょ?」

「え? ああ そっか、今空席になったのか」

 

 

光・・・何言ってるの。

いるじゃない。 あなたにそっくりな少年が。

私は目を覆い隠した。

 

「紫? 具合悪いのか? 大丈夫?」

「・・・うん。 きっと見えすぎて・・・疲れてるのね」

 

 

今日は同級生の紅(べに)ちゃんと会う。

大学、一年遅れちゃったけど頑張んなきゃ。 

紅ちゃんは医学部だ。

大変だろうなぁ・・・全部の科を勉強しなくちゃいけないなんて。

「6年じゃ足りないよ!」って。

でも前向きで明るい紅ちゃんが好き。

 

「紫~♪」

 

私は 別に他意はなかったんだけれど

本当に何となく 光に似た男の子たちの話をしてみた。

 

「っていうかさ・・・今私が見えてるってことは

 誰かが死んじゃって その角膜を貰ったってことだよね」

 

「そうね。大事にしないとね」

「うん。 一体・・・どんな人だったんだろう」

 

「医学的にはありえないんだけど・・・・」

と、紅ちゃんは不思議な話を聞かせてくれた。

 

 

「記憶する臓器?」

「うん。ドナーの記憶が 移植された人によみがえるって」

 

「それと 俺に似た子たちとどう関係するの?」

「う~ん。わかんない」

「じゃぁ・・・ベッドでゆっくり考えるか」

 

うふ♪ 光のエッチ。

 

光より先にシャワーを浴びて

寝室に向かった。

ベッドの横には大きな鏡があって

事の最中、凄く興奮する。

 

ベッドに腰掛けて 何気に鏡を見てギョっとした。

 

「き・・・きゃーーーー!!」

「どうした!? 紫!」

「光、光」

「大丈夫。 俺がいるから。 大丈夫」

 

「今・・・鏡に見えたの・・・高校生くらいの光と今の私が・・・エッチしてた」

「・・・・え?」

 

「私・・・頭おかしくなっちゃったのかな、私 死ぬのかな」

「ばか! 死ぬわけないだろ!」

 

「だって自分の分身を見ると死ぬって」

「そんなの迷信だよ。 明日心療内科に行こう」

 

コクリと彼の胸の中で頷いた。

彼の鼓動が いつもより激しいことに気づいた。

 

 

「ああ、旦那様ですね。奥様は目が見えるようになった事で

 多少 情緒不安定になっているようですが

 お薬はなるべく使わず 気長に支えてあげて下さい」

  

「光・・・私ね不妊治療受ける。光の赤ちゃん どうしても欲しいの」

「紫・・・・」

「先生、私 赤ちゃんできますか?」

「一緒に頑張りましょうね」

「ええ・・・愛しい人との子どもを早く見たいわ」

 

 

私の瞳は にっこりと微笑んだ。

あゝ 外の藤の花が綺麗だわ・・・・

 

 

「これから ずっと一緒よ  光君」

 

   

そして 光の分身たちは見えなくなった。

 

 

 

終わり