自給自足を夢見てやって来ました!

家族4人、子供は二人って言ってももう大人

嫁に行く気がない雰囲気が漂い

田舎暮らしに付いてきた

 

早期退職で手元資金を構えて「いざ!」

しかし現実がそう甘くないことは引っ越しして直ぐ実感

 

自給自足の水は井戸、電気は一応電力会社経由

ガスはないが電気があればマシな生活は送れる

 

田舎の古びた家を買い、広大な土地ももれなく付いてきた

隣の家まで数キロはある、山に囲まれ、川も流れている

 

さて、今宵の食事はどうしますかね・・・?

妻のまち子が呟く、山菜取って、魚釣りして・・・・なかなか嫌味な回答である

ねえ、君たち(娘二人のこと)、私と山菜取りに行くわよ!

さすが!田舎育ちの強い味方、どっしりと恰幅の良い体型3人であぜ道を

山の方へと歩き出した

あんたはこれ!って釣り竿一本渡された

「ねえ、餌は・・・・?」

はっ?そんなのあるわけないでしょ!河原の石の下の虫を付けて釣るの!

わかった?「おう!了解!」

そんなんで釣れるのか・・・?

 

自給自足生活は働かない娘二人の将来を考えての決断だった

彼氏が出来そうな感じは全くないし、バイトして食って寝てりゃ、嫁のまち子に似るわな・・・

出会ったころは小さな少女だったけど、今は巨大化したサンショウウオみたいだ

内心、そう思いながらクスクスと笑っていた

 

まち子は一応理髪師だ、ただ性格に問題があって勤めていた理髪店は長続きしなかった

そんなんで、早期退職の希望者募集の条件をまち子に話したら、「いいじゃん!辞めちゃえば」

でさ、私の田舎に引っ越して自給自足生活すればいいよ!

夢のような語り口でうまく乗せられ、ここにたどり着いた

ま、知らない土地よりはマシかな・・・

 

なんて簡単に考えてここに来てしまった

別段、都会にいる意味もないし、自然の中での生活に憧れていたこともあった

 

数時間後、たくさんの山菜を取ってきて笑顔のまち子

私の釣りは成果は3匹、何かわからないけど釣れた

 

コメはたくさんある、まち子の実家からもらっていた

 

囲炉裏を囲んで食べる夕食もなかなかである

 

こう見ると、なんだか相撲取りに囲まれて食事しているみたいだ

そんなこと口が裂けても言えないけどな・・・

 

つづく