夕食時にみんなが揃った

「あれ凛香どうしたん?髪ないじゃん!剃ったの・・・・」

気まずい顔のまち子に反して、凛香は明るい表情で「うん!」頷いた

まち子は合わせるかのように「急に坊主にしてほしいって言うから・・・」言葉を閉めた

聡は会話を聞いていない素振りで、ご飯を口に運ぶ

今日の出来事を話す静香は切り出した

 

「私、ママみたいに理容師になりたい!」

「そうなんだ・・・」いいんじゃない!ママのお店もあるし

 

いろいろ調べたら、通えるくらいの場所に専門学校あるの・・・

そこに通って理容師目指すことにしたの・・・

「お金は自分の貯金出すから・・・」

「足りない分は、ちょっと助けてほしいな・・・」

 

まち子は初めて聞く静香の気持ちを素直に喜んだ

「いいよ!応援するよ・・・」その代わりお店見習いとして手伝うと約束すること

「もちろん!約束するわ!」

みんなが顔を合わせて、笑顔で祝福した

「良かった!」

生活も贅沢は出来ないけど、結構ちゃんと出来てるし

これからも頑張らきゃね・・・珍しい言葉で締めた

 

お風呂から上がった凛香は頭に大きなハンカチを巻いて居間にやってきた

「ゆったり湯船に浸かれたわ・・・」

頭洗うのも楽だし・・・独り言を呟く

浴衣姿に真っ白な頭が巻いたハンカチから覗いている

艶っぽく、剃った眉も青白い

居間にいた聡は魅かれている

まち子がいる以上、妙な言葉も態度も出さないように気を付けている

聡の視線も思いもまち子は読み取っていた

 

「さ・と・し・」くんお風呂入ろう

お風呂は常に一緒に入る二人

凛香は話を聞いていない素振りで寛いでいた

買ったばかりのテレビを見ながら横になっている

 

まち子は自分の着衣を適当に脱ぎ、近くの洗濯機の投げ入れた

「さ・と・し・」くん!まち子は聡の体を確かめるかのようにゆっくり服を脱がしていく

妖しい笑みは聡の瞳を離さない

「約束通り!」ね、聡はまち子の下着を身に着けている

「さ・と・し・」くんの下着は古いから捨てたの・・・いいよね

みんなのを着ちゃえばいいんだから・・・

「誰のが好きなの・・・」私?、静香?、それとも凛香ちゃん

 

聡は高揚している姿をさらけ出している

自分の名前を確認しながら浴室へと入る

召使のように、まち子の全身を洗っていく、体も髪もすべて聡が洗う

全身にお湯を掛けて、湯船の淵に座るまち子は聡を見下ろしている

聡の腿にまち子の足を載せ、丁寧に洗っていく

両足を洗い終えると、聡の口にまち子の足指を強引に入れた

「う~~」苦しそうに顔を顰める 

「うれしいでしょ・・・」こういうの好きだもんね

「ほら!」グイグイ足を動かす

足を抜くと、正座している聡を見下しながら仁王立ちした

聡は目を瞑ってまち子の真下に入っていく

満足そうな勝ち誇った表情のまち子はしばらくその姿勢を崩さなかった

 

「いいわ!」

「じゃ~四つん這いになって!」

聡が命令を聞き入れ、まち子の望む姿勢になると

まち子が丁寧に洗っていく

まち子の手の動きが早まり、聡は天井を見たり下を見たりしている

「ほら!動くな!」まち子手のひらが聡のお尻を叩いた

「パンパンパンパン・・・」濡れたお尻が叩かれる音が浴室に響く

「パンパンパンパン・・・」もう!仕方のない子ね

そう言いながら湯船のお湯をお尻に掛けた

「ほら!湯船に入るわよ・・・」

大きなまち子の腕が小柄な聡を抱き寄せる

ゆったり目を閉じて、胸元に顔をうずめてそのまま眠ってしまった

まち子もまた静かな寝息を立てていた

 

時はすでに数時間経っていた

「風邪ひいちゃうわ・・・」目覚めたまち子は聡を起こし

素早く湯船から上がって浴室を出た

「今日は静香ちゃんね・・・」まち子は聡に下着を付けさせた

「だいぶ大きいわね・・・」ま!いいか・・・

パンツを履かせて、ブラを付けさせた

見慣れているせいもあって、違和感があるのは聡本人だけだった

 

翌朝、凛香の頭髪は「ザラザラ」するくらい髪が生え始めていた

「伸びるんだ・・・」大きなハンカチを頭に巻いて

ジーンズを履き、Tシャツ姿で朝食の準備を始めた

静香も今日は手伝い、いつもより早い時間で朝食は整った

「いただきます!」大きな声が重なる

まち子は1日のスケジュールを確認する

「聡と凛香は畑仕事ね・・・そうだよね!」うん、ハイ

「静香ちゃんは入学準備で私とお出かけ、そのあと私はお店で静香は実家の手伝い!」

「床屋の手伝いは入学してからでいいわ・・・」

 

聡は着替えを済ませて家を出た

凛香は後片付けと家の掃除、洗濯を終えて昼前に家を出た

まち子と静香は借りていた車に乗りこみ家を出た

 

まち子と静香は出かけた際、生活に必要な食料品、衣料品ほかを買い込んだ

まち子にとって重要な聡の道具も密かに買い込んだ

お昼を適当に済ませて家に荷物を置いて、まち子は蔵へと向かった

誰もいないとき、まち子は綺麗に掃除をして迎える準備を整える

「黙って頷いた・・・」聡を責めるシーンが頭に浮かぶ

 

「ギ~」、蔵の扉がゆっくり開きだした

「誰?」咄嗟にまち子は声かける

「私・・・」

「静香!」まち子は言葉を失う

「私!興味あるの・・・ママのしてること」しばらく沈黙が続く

「そう・・・」仕方ないわね

険しい表情で静香を詰める「でも聡は私のもの・・・」

「貸してあげる・・・約束して!絶対ママと一緒にやるって・・・」

「うん!約束する!」静香は真剣な表情でまち子を見つめる

 

二人は無言のまま、蔵を出た

まち子は床屋、静香は実家へ向かった

 

床屋に着くころ携帯が鳴った

「予約」の電話だった

「わかりました!」最近1日に数件の予約が入るようになった

古びた床屋で技術を売りにしているわけでもないのに・・・

まち子の適当な性格と相性の合う客は多かった

「いらっしゃいませ!」扉が開きお客が入ってきた

若い女性と年配のいかにも意地悪そうな姑だった

「今日は・・・」姑は嫁を椅子に座らせた

肩くらいのウェーブの掛かった大人しい女性が鏡の前に座った

「あんた!」どうすんだっけ・・・

姑は嫁を攻め「短めに・・・」してくださいと小声で呟いた

「短く!」したいんだよね!ハイと小さく頷く

「耳は!」小さな声で「出してください!」と呟く

「刈り上げてほしいんだよね!」ハイと頷く

 

「バリカン」仕上げでいいですね・・・

まち子は姑に話しかけた

「うんと短く!農作業で気にしないくらい・・・」だよね

「ハイ」頷く嫁は怯えている

 

まち子は嫁の表情を見ていると意地悪な性格が活気づく

「わかりました」不愛想な表情で嫁の首にタオルを巻きクロスを掛けた

いきなりハサミで適当に乱切りにした

髪は無残に耳下くらいで切られている

嫁は驚きを隠せない表情に反して、冷たい笑みを浮かべる姑

まち子は電気バリカンを用意いてコンセントに差し込み電源を入れた

嫁の頭を「グイ」って抑えて襟足からバリカンを入れてすくい上げる

「ビュ~ンガリガリガリ・・・・」

「ビュ~ンガリガリガリ・・・・」

あっという間に後頭部は真っ青に刈り上がる

「ガ~ガ~ガリガリガリ・・・・」

「ガ~ガ~ガリガリガリ・・・・」

耳上もバリカンは容赦なく刈りこむ

真っ白な刈り跡が残っている

 

まち子は櫛で髪を梳かし上げ、櫛に沿ってバリカンを這わせる

「ザリザリザリザリ・・・」

「ザリザリザリザリ・・・」

頭上の髪も短く刈られていく

「アッ」という間に数センチで刈られている

前髪もバリカンの刃を額に充てて切り込む

電気音とともに生え際1センチ辺りで揃っている

スポーツ刈りのような短さに前髪が真っすぐに揃ってそこだけ少し長い

まち子の好きな「極端に短い坊ちゃん刈り」が完成した

「どうですか・・・」嫁に話すも恥ずかしい表情で頷いた

姑は勝ち誇った表情で「毎月ここで刈るんだから」と言い放った

 

まち子は電気バリカンをしまい、銀色に光る手動バリカンに持ち替えた

「カチカチカチカチ・・・」

「カチカチカチカチ・・・」

後頭部、もみあげ、こめかみに手動バリカンが入り込み

さらに青く剃っていく

「カチカチカチカチ・・・」

「カチカチカチカチ・・・」

リズミカルに剃られていく

こめかみは、剃った跡が残るくらいに青白く剃り込まれている

小さなお子様のような髪形に仕上げてしまった

 

姑はソファーで眠ってしまっている

 

まち子は手荒にシャンプーを済ませ、椅子を倒し顔剃りを終えた

太い眉は線状に剃られている

 

「はい!」終わりました

30分足らずで嫁は坊ちゃん刈りにされてしまった

嫁がお金を払っていると姑が目を覚まし

「あら!ずいぶん短くしたのね。。」でもそのほうが可愛いわ・・・

嫁は恥ずかしそうに着衣と似合わない坊ちゃん刈りをいじりながら店をでた

 

つづく