市役所の人が来て、介護度の更新をする事になっていたその日の朝

母が私に、具合いが悪いから、今日は側にいて欲しいと、ききとりにくい声で言った。

呂律がまわっていない。
お母さん、具合いが悪いの?どーいう風に?


わからないけど目がまわる。

やっぱり呂律がまわってない。


病院行こうね。


嫌だ、側にいてくれたらすぐ治るから。

なら少し待ってて。

自分の部屋に行き、着替えて、洗濯物を干しながら考えた。

どうしよう、無理やり連れていく?きっと動かない母
このまま様子をみる?ひどくなってからだと
命にかかわる母

ほっとく?もう年だし、このまま逝っちゃっても仕方ない母。当然側にはいるけど。

救急車を呼ぶ?ご近所に迷惑がかかる。

あれこれ頭の中でくるくるまわって
考えて母の命には、変えられないと思い救急車を呼んだ。


結局脳梗塞をおこしていた。

それでもはやかったので、歩く事が少し不自由で退院になった。でも家にいれる状態ではなかった。ショートステイでのリハビリをしてもらうようにした。

入院当初は、自分でご飯を食べる事もできなかったようだったけど、それでも今は自分で食べれているみたい。


入院中も病院に行ったりはしてたけど、コロナなので面会もできず、でも良いことに、状態がよくなってきてからは、認知があるので、じっとしていられないため母はナースステーションにテーブルを持ってきて、過ごさせてもらった。
先生との面談があったりするときは母の顔をみる事ができた。

母が気づいた時は、
私が迎えにきたと思ったらしく、
みなさんによくしてもらって、感謝感謝照れ照れ
また来年もきたいと思いますとか、言って看護師さん達を笑わせていた。

帰るのがわかると、連れていってくれないの?
と車椅子から立ち上がろうとして、看護師さんにとめられていた。


顔をちらっとみる事が何度かあったけど、帰りたがるので、そのまま声もかけずに帰ったりした事もあった。


昴が入院していた時の事を思いだした。あまり好感をもっていなかった男の看護師さんだったらしいけど、深夜、認知のおばあちゃんの面倒をその看護師さんがとても丁寧にみていたそうで、常に呼ぶので、はいはいしかで、おばあちゃんの話しをきいていなかった女の看護師さんもいたらしく、その男性の看護師さんは必ず声かけをして、そばにいってあげていたらしい。  
好かないと言っていた次の日に急に親しくしていた昴に理由をきいたら、そんな事を言っていた。優しいよねって。
母をみながら昴との入院生活や、そんな事をふと、思いだした。


入院中は、発熱があったりと、時々先生に呼ばれたりして、仕事をしてても、何だかうわのそらで、自分も母の入院前に頭と背中に原因不明の湿疹ができてしまい、体調もあまりよくなく、気が滅入っていた。

何だか悲しくて切なくて、朝早く病院に着替えを持って行っては仕事に行ったりもしていたので疲れも出てたり、仕事中も病院から電話があったりであちこちに気がいったりして1つの事しか考えられない私は、だいぶまいっていた。

2日後くらいに退院できそう、その前に話しがあると言われた。

退院に一旦なってもすぐにショートに行くわけではないから、その間、休ませてもらわないと、困ると思い、職場の相方の薬剤師に相談のラインをした。


退院にお迎えにだけ行けばいいのかもしれないけど、私はもう無理。明日先生の話しがあり、次の日に退院になるかもしれないけど熱がでたらまた退院にならないかもしれない。帰ってくる事を考えて、でも退院にならなかったら…しばらく母の事でお休みになってしまうかもしれないです。
妊娠中のつわりがひどく休んでいる薬剤師がいるから人手不足をじゅうじゅう承知しているけど、今は仕事の事が考えられないのでと送った。

返事をもらって私は泣いてしまった。

今はお母さんと家の事だけ考えて、家を守ってください。こっちの事は何とでもなるし、こっちは僕が守ります。お互いがんばろうねニコニコグー


ありがとう、泣いてしまいましたえーんと返した


僕もひみちゃんがいるので、助けてもらいながら仕事がやってこれていますウインク


もう号泣でした。
ひと泣きして、退院してうまく動けないけど、多分動こうとする母、私も腰に負担がかかりしんどいけどとにかくショートにあずかってもらうまではふんばらないとと思えた。

滅入っていた気持ちも涙と共になくなり、ショートに預ける日までがんばらねばと思えた。ありがとう、私の大事な相方さん。


母が戻ってからは大変だったけど、ショートに行くのがすぐだったのと、ある程度、もとの状態まで戻るまで預かってもらえるようにケアマネさんがしてくれたので、見通しがついていたのでほんとうに助かった。

家族がいても、動ける家族や相談できる家族ではないので、結局1人で決めていかないといけないのはきつい。

昴の時とはまったく違うけど。

高齢なので何があっても仕方ないと思うのと、まわりの支援があるのがほんとうにありがたい。縁あり、たまたま薬局にきていた患者さんの娘さんが、母のケアマネさんだ。ケアマネさんとして知り合う前に彼女がお母さんの事で心配をしていたので、病気の説明をして、薬でコントロールできるものだからと話した時に涙を流して話しをきいていて、説明してもらってよかったと言ってくれた、その人が

ケアマネの、○○です、と挨拶された時、

あ‼️

むこうもあ‼️


ほんとに狭い世の中だと感じた。
でもいい縁だと一緒にきていた地域包括センターの人が言っていた。ほんとにそう思った。


ショートで落ち着いて生活して、少しずつ前に戻りつつあると話しをきいて安心した。
父は父で母の事より毎年している確定申告をコロナで前みたいにできないので、スマホでやっ
してほしいと言ってきた。

今回はじめてやって、作ったものを、税務署に提出して、ほっとした。
親のできない事が多くなってきて、仕事で忙しくあれもこれもしないとってなってくると、泣けてくる時もある。


疲れでしんどく、体調もすぐれないと、余計に感じる。

今は、頭から体中にできはじめた湿疹。
当然皮膚科にも受診はしたけど、湿疹は増える一方でなかなか治る気配もないため大学の友達に相談した。


少し前に母の相談もした友達で頼りにしている。話しができてよかった。薬のアドバイスももらったりもした。
入院の事も母の相談もしたかったんだけど、とりあえずは自分のこの湿疹が治ってくれないとと思って今回は自分の事だけきいてもらった。

あれから、増殖中、このままだと頭がひとまわり湿疹で大きくなりそうだよ(笑)


その前にまた連絡するからねニコニコ


電話でてよ口笛