正月休み、道都・札幌に帰省していた訳だが、街を歩いていて、不思議なくらい知り合いに会った。

別に私は、お友達が多いわけではないのに。

私、死ぬんじゃないかしら。

否、昔から良くあった。

静内駅で蕎麦食べていたら、大学の後輩があらわれたり。

大通を歩いていたら、札幌に仕事で2時間しか滞在していない当時陸別町在住の先輩に会ったり。

驚いたのなんの。

そういえば、去年は一番驚いた事があった。

札幌停車場にあるステラプレイスのエスカレーターで、昔お付き合いしていた女性と会った時だ。

別に、会った事それ自体に驚いた訳ではない。

その方の無駄な抵抗にだ。

その方は下の階から上ってきて、次の階へ行くべく次のエスカレーターに向かう時に私と遭遇した訳だが、私と目線が合うか合わないかという時、いきなり頭を下に向けた。

しかも真下をみてる。

まるで首が折れたんではないかと思うほど。

それで早歩き。

私は、その他人行儀な行動や直角に折れた滑稽な首の形に驚いた訳では決してない。

あまりにも無駄な抵抗にだ。

冷静に考えよう。

あなたは身長175センチ、私も185センチだ。

たとえ頭を下げても、大して小さくなれるはずもなく、他の方々よりも首一つでているので、お互いに視線は合わないまでも視界には入る事請け合いな訳で。

まさにこれが、咄嗟の時に冷静さを失いあらぬ行動をする「頭隠して尻隠さず」であり、こんな文字通りというかことわざ通りの光景が見られる事に驚いた訳で。

所詮、男性の平均身長が150センチ程度、女性のそれが140センチ程度の江戸時代なら、あなたも私も「だいだらぼっち」、「バケモノ大男[女]」として、間違いなく見せ物小屋に売られる位のデカさだ。

当然、お互いを認識せざるを得ないのだから、堂々と会釈くらいしても良さそうなものを。

見られてないが、一応私は会釈した訳で。

否、視線云々の話ではないかも。

お別れして二度と顔をみなくてすんだいた、いい年こいて学生やっていて、そんな人とつきあっていると親が心配するチンピラ並みの私にまた会ってしまい、自分の人生の暗黒の時代を思い出させるそんな汚らわしい物体を自分の視界に入れたくなかったのかも。

そうに違いない。

そういうことにしておこう。

こういうことを書く私はつくづく性格悪いな。

俺はそういう男だ。

俺はそういう男なんだ。

俺はそういう男なんだとまで、俺は言う。

最近、戦後の闇市で出されてたような炊き出し料理を子どもに喰わし、私をひきつけてやまないビッグダディ風にただ言ってみたかっただけで。

それにしても、ビッグダディって、物理的には小さいおじさんだろ。

私に仮に子どもが出来れば、物理的には間違いなくビッグダディだ。

しかし、あのビッグダディがビッグたらしめているのは、一体なんなのか。

惜しげもなくプライベートを全国放送で晒すことができる、その羞恥心の欠如、よく言えば「大」らかな性格ゆえに、ビッグと称されるのであろうか。

ただ単に、「大」家族の親父だからか。

こんなことくだらないことを考えられる私って、暇なのかしら。

日本は平和だなぁ。

寝よ。

おやすみなさい。