子どもを連れてトミカ博というものに行ってきた。

トミカとは、子ども向けの金属で出来たミニカーだ。

そんなトミカが展示されていたりするイベントな訳で。

展示だけではない。

ここでしか得られない限定トミカがいっぱいある。

しかも、売っているものはまだしも、ゲームをして当たらないと得られないものもあり、限定トミカを集めようとするとえらいゼンコが出ていく訳である。

だが子どもが楽しんでいるので、何よりである。

自分も結構楽しんでいる。

そういえば、我が家では「トミカの陰謀」という言葉がある。

トミカはミニカーだけではなく、それを走らせる道路などがあり、セットで売られたりしている。

そんなセットを買うと、必ず中途半端な部分がある。

例えば道路のセットを買ってもループ状には確かになるが、途中、分岐点の道路が出ている。

環状線である山手線から、短い支線が出ているような感じ。

分岐点から先は、別の商品を買ってくださいねということらしい。

その分岐点のことを私は「トミカの陰謀」と呼んでいる訳である。

ちなみに、クリスマスプレゼントに買ったトミカ工場なるセットにも、別商品に連なる部分があった。

それも「トミカの陰謀」と呼ぶことにした。

トミカ博も「トミカの陰謀」といえば陰謀だ。

しかしだ。

最近、嫁から子どもの前で「トミカの陰謀」禁止令がでた。

児童会館にもその分岐点があるらしのだが、人前でそれを「トミカの陰謀」と言っているらしい。

嫁からは今までも使用禁止令が出ている言葉がある。

おやつとかおもちゃを売り場で欲しいと子どもから言われた時、

「おとうさんの会社が倒産してお金がないのでもう買えない」

といつも言っていたら、そこかしこでそれを言うようになってしまった。

世の中には本当にそういう人がいるんだから、変なこと教えないでとのこと。

もっともだ。

ある時。

嫁から子どもが「キケーニゲー」と言って変な踊りしながら走るのだけど、新しい鬼ごっこかと聞かれた。

それは、石井輝男大先生の映画「恐怖奇形人間」に出てくる暗黒舞踏家の土方巽の真似をしてあげたの覚えたんだよというと、また怒られた。

そして「奇形人間」もまた使用禁止になってしまった。

一応、嫁からは教えなくていいと言われているのだが、九九なんかも教えているので、こんなことばかり教えているわけではない。

ただ、九九を全部いえるありきたりな小学二年生になるよりも、土方巽の真似をする2歳半の方が将来有望だと思う。

いや。

変な教育を施して、稲中卓球部にいそうな子どもにしようとする父の陰謀から子を守る、まともな感覚の嫁に感謝しようではないか。

なんだかわからないから寝る。


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子どもが機関車トーマスにはまっている。

 

鉄道ネタは嫌いではない訳で。

 

友人知人の間では、私は鉄道マニアだと思われているらしい。

 

そんなもん、20年以上も前に卒業している訳だが。

 

人間の記憶は恐ろしい。

 

そもそも、20年以上前は鉄道が好きなどということは公言

 

できないような雰囲気があった。

 

なので今もいいたくもない。

 

しかしだ。

 

昨今は鉄道ブームらしく、「鉄子」なるものまでいる。

 

最近、一眼レフカメラで列車を撮っている、わかくて

 

きれいな女性をみたが世の中かわるものだな。

 

可愛い若い「鉄子」の前だけ、鉄道マニアになろうか。

 

「これから重連しませんか。この近くに転車台みたいな

 

回るベッドもある連れ込みホテルもあります」

 

という誘い文句で。

 

それはさておき。

 

子どもが機関車トーマスを観るのにつられて、私も見ている。

 

見ていて思う。

 

こんな鉄道、利用したくない。

 

とにかく事故が多い。

 

毎回、脱線している。

 

思わず、

 

「JR(北海道)並みだな」

 

と思ってしまった。

 

逆にそう思うと、JR北海道の諸問題や今後事故がおきたときには、

 

トーマス風のサブタイトルをつけてみよう。

 

きっと少しは明るい気持ちになれるはずだ。

 

「トンネルでもえるディーゼルとっきゅう」

 

「せんろのひろさをごまかしてだっせん!?」

 

「おきゃくののらないせんろははがしてしまおう!」

 

どうだ。

 

明るい気持ちになったか。

 

かわらんか。

 

ちなみに私はJR北海道を責める気はさらさらない。

 

どっかの議員とか知事や自治体がJRに自助努力すれなどといっているが、

 

全くばかげていると思う。

 

これ以上、どう自助努力をすれというのだろうか。

 

30年前の分割民営化時に国鉄からJRに残れた人が半分。

 

さらにその半分の人たちも、今ではさらに半分になっているのだ。

 

昔は機関車がひく列車なら最低3人の乗務員が必要だった。

 

今はワンマン運転で1人だ。

 

どんな田舎の駅でも24時間の運転扱いで数人は必要だったろう。

 

今は無人だ。

 

駅員がいる駅もJRの社員がいるようにみえて、給料体系が

 

安い子会社の社員というのはざらだ。

 

この30年でどれだけ努力したかは、お客が自分で利用する場面を

 

振り返ればわかるだろう。

 

副業に手を出し過ぎて、本業を疎かにしたという批判もあるが、

 

これもどうかと思う。

 

鉄道で稼げないのに、どうすれというのか。

 

本体で減らした人員の吸収先だって必要だ。

 

おそらく鉄道マンとして職務を全うしたかった方々もいただろうが、

 

会社存続のために泣く泣く畑違いの部門に行った方も多いと思う。

 

明治以来、増加し続けた人口が国鉄の分割民営化直前に減少した。

 

分割民営化を前にした国鉄職員の広域配置転換があり、道内の職員が

 

内地に移されたからだ。

 

本体にいた人が子会社にいって、北海道の人口減少が食い止められて

 

いることに気付いていないのだろうか。

 

もう30年も自助努力を続けてダメだったのだから、路線廃止も仕方ない。

 

このさい、ばっさりいった方がいい。

 

50年後、100年後の会社経営のことをかんがえればなおさら。

 

自治体が鉄道は社会的インフラなんだからJRは責任を持てというが、

 

確かにそうかもしれない。

 

しかし、もう国鉄ではなく「会社」なんだし、会社というものは永続する

 

ことが前提なんだからお荷物は降ろした方がいい。

 

単身田舎暮らしで、田舎の鉄道の現状もみえているつもりだが、

 

大量輸送という鉄道の優位性をまったく発揮していない。

 

運ぶ人とモノがないのだから。

 

某道庁は観光で鉄道を盛り立てようなんていう会議だか委員会

 

だかを立ち上げているようだが、問題みえているんですかね。

 

観光利用の前に、鉄道自体が存続の危機なのに。

 

観光利用っていったって、たかがしれているし、水物でしょ。

 

まずは堅実にモノを考えて、安全対策という足腰鍛えてからのものでしょ。

 

なにかがおかしい。

 

論点がずれている。

 

そもそもおかしいのは、JR北海道という「会社」ができたこと。

 

つまるところ、民営化の失敗だと思う。

 

なので、国が責任もってほしいものである。

 

なんだ。

 

最初はトーマスの話だろ。

 

話が脱線してしまった。

 

日曜日に放映されるトーマスの新作が楽しみ。

 

眠い。

 

寝る。

 

子どもが2歳になったので、よい大人になれるように教育をしている。

最近はゴジラが流行っているが、世界の大映を愛する子どもならばガメラだろ。

そんな訳でガメラマーチを聴かせている。

まだ脳細胞がピチピチしているせいか、何回か聴かせたらある程度歌えるようになった。

ペット売り場で亀をみてもガメラと言っている。

将来有望だ。
ばくちはしない主義な訳である。

人生自体がばくちだと思っている訳で。

お金を使ってまでばくちをする必要がない訳で。

その主義を曲げても、競馬しようかな。

藤田菜七子騎手かわいい。

いちいち、予想をたてて馬券を買う必要もない。

菜七子騎手騎乗の馬の馬券を単勝で買えばよい訳で。

藤田菜七子騎手かわいい。
6月、樺太に行ってきた。

父は樺太出身なので、子供の時から色々と話は聞いてきた。

なので、 20年来、行きたかった。

そして、商売柄、行きたいとも思っていた。

行った。

ショックだった。

そこは樺太ではなかった。

サハリンだった。

私は子供の頃から、樺太の地図、写真しかみてこなかった。

今回も樺太の地図しか持っていかなかった。

だから、日本人が作った樺太がそこにあると思っていた。

しかし、そこにあったのはサハリンだった。

いくら、テレビや新聞でサハリンは知っていても、私にはそれは樺太とは別物だった。

樺太は樺太だ。

まだ気持ちの整理がつかない。

ただ、戦争に負けることの惨めさというのは、親とか親戚の体験談からではなく、身をもって知ることができた。

日本人が築き上げた樺太が、終戦間際の火事場泥棒のおかげでサハリンになっていた。

惨めだ。

全く気持ちの整理がつかない。
お友達の「ブログを読んだ」というメールで、自分がブログを

やっていたことに気づいた訳で。

という訳で読んでみたが、恥ずかしいことばかり書いている訳で。

昔の彼女にあったとか。

そういえば、その昔の彼女ではないが、また別の昔の彼女にあった。

出会い方が強烈だ。

私が今、一年の半分くらいを過ごす、某田舎町。

田舎町ゆえ、男女の出会いがない。

という訳で、都会から嫁を連れてきて嫁不足と人口増加をたくらむべく、

お見合いツアーなるものが企画されているようである。

そんなお見合いの場に、我が職場の芝生が選ばれた訳で。

怖いもの観たさに、当日、見に行ってみた。

とてもシュールな光景。

取り仕切るスタッフさん曰く、

「最初、凡人君にも声をかけようと思っていた」

との事。

勘弁してください。

こんなお誂え合コンみたいの。

なんていう話をしつつ、目の保養に美人がいないか物色して

みる。

まあ、いない。

うん?

うんん?

うんんん?

はぁ?

え?

お?

あれ?

ちょっと?

…。

…。

あ。

「昔の彼女だ!」

と思わず、声を出してしまった。

驚きだね。

驚いたよ。

うん、驚いた。

私は驚いたよ。

あなたの勝ち。

そういえば、あなたの勝ちはこれで2度目だ。

1回目は、この田舎町に引っ越してきて、冷蔵庫もないとき、

よく通っていた某チェーン店での出来事だ。

店内放送で、

「素敵な小鉢プレゼント」

とか言っている。

うん?

あ?

あぁ…。

その店内放送の声が、あなただった。

あなた、このチェーンの社員だったもね。

というか、ここだけでなく、全道一円のチェーン店で流れていたなぁ。

それはさておき。

別にオチはない。

ただ驚いたというだけだ。

これで2度負けた。

いや、勝ち負けではないか。

3度目にも期待しよう。

では。
いつの間にか、

痛快から不快へ、

大家族から離婚で小家族へ、

風変わりな料理を家族に食べさせ、

風変わりなイベントをたまにやる、

ただの風変わりなオジサンとその家族のドキュメンタリーとなっていた。
今日は肝臓の細胞をとる日。

朝からそわそわ。

痛みというものに、あまり抵抗がない私ではあるが、入院して身体を弄られるのは初めての経験であるので、落ち着かない訳で。

昼ご飯は抜きだったので、お腹と背中がくっつきそうになった頃だろうか。

隣の空きベッドに新規顧客らしい物音が。

呂律のまわらない高齢の旦那と付き添いの奥方らしい。

会話の様子から、緊急入院のようで、スリッパと自分が便秘ということで、牛乳を買いにいくとのこと。

その時、

「ぜろこぉら」

と旦那が。

奥方が、

「背中?」

と。

「ぜろこぉら」

「7階?」

「ぜろこぉら!」

「何?わからない!」

「ぜろこぉら、かつて!」

「鍵?」

この先もこんな問答が続き、糖質0のコーラと奥方がわかったのは、しばらくたってからのことだった。

「さんとういつち、かつてこい!」

「サンドウィッチ?何言ってるの、そんなもん!」

「えいやうしつちようで、ころすきか!」

なんていう会話が。

奥方、買い物から戻り、病室の便所を長時間占拠。

困る。

検査前に、出しとかないと、その後3時間は便所にいけないんです。

昨日から同室の屁こきじいさんも右往左往。

なぜなら、尿の量を図っているらしく、病室の便所に袋があるのだから。

奥方が便所に立てこもっている間、旦那に先生が会いにくる。

「ずっとお酒を呑まれてきたようですが、病院内で呑まれたら、すぐに退院してもらいますから。あと、これからお酒をやめると、夜中に暴れたりすることがあらます」

なんと、夜中に暴れるとな。

殴られたりするんだろうか…。

おそろしや。

「ですので、個室に移ってもらいます。このままベッドで移動します」

とのこと。

安心。

聞こえてくることによると、アル中による肝障害らしい。

便秘気味の奥方が便所を出たときには、旦那は既に輸送された後だった。

早速トイレに入る。

…。

流してよ…。

なんで便座にみっこがついてるの…。

センサーに手をかざす方式の水栓だからわかりずらいけどさ。

それはさておき。

アル中の旦那をかかえる老女。

切ないね。

屁こきじいさんにも、面会が。

昨日からの話だと、娘さん。

アルコール焼けおばさんとの会話で、娘が今日来るといっていたし、その後、電話で、通帳もってきて、とか色々電話していた。

不動産処分とか預金の残高とか、そういう話をしている。

不動産会社にも連絡している。

どうやら、病院代の捻出が問題らしい。

深刻そう。

「困った…」

「分かり切っていたことでしょ」

「…」

嗚咽。

「水呑んでいきてくて…」

何があって親子のそういう会話になったのかは知る由もないが、切ない。

16時に検査のはずが、延び延び。

いつだろう。

いつだろう。

いつだろう。

緊張してきた。

ドキドキ。

「凡人さん?」

来た!

「先生がまだ外来で遅くなって、ごめんなさい。もう少し待ってくださいね」

とのこと。

お忙しいのだ。

そわそわ。

ドキドキ。

ワクワク。

どきどき。

「凡人さん?」

来た!

「さっきバイタル計りに来たとき、札みたいの、私、忘れていきませんでした?」

「なかったです」

というか、バイタルってなんだ。

ドキドキのことか。

ドキドキ。

どきどき。

時々、尿意。

ものすごい黄色の尿。

金運アップ間違いなしの色。

「凡人さん?では、移動します」

3度目の正直であった。

処置室とやらに移動。

手術室に連れて行ってもらえるかと思ったが、看護婦さんの事務所の隣の部屋だった。

どんなことされるの。

針が外れたら死ぬ?

大きい音がするってどのくらい?

ちょっと痛いらしいが、どのくらい?

こんなことを考えていると、いやな汗が。

だが、こんな時に唱える私の呪文が。

「戦場で鉄砲玉に当たった人のことを考えれば、大した痛みではない」

ちなみに寒い吹雪の日に外を歩くときは、

「シベリアに抑留された人のことを考えれば、暖かいもんだ」

暑い日には、

「南方でゲリラ戦をしていた人のことを考えれば、涼しいもんだ」

と考えている。

それらの方々がいたご苦労、境遇に比べてば、治療での痛み、北海道の寒さ、暑さなんてたかがしれてる。

それはさておき。

準備万端。

痛み止めが注射される。

麻酔きくまで、しばらくかかるんだろうな。

バチ。

はい、終わりましたとのこと。

拍子抜け。

ものの5分。

車椅子で病室に戻る。

止血のため、横向きに1時間、仰向けに1時間。

その間、色々と考える。

さっきのアル中のおやじ、そして病院代を工面できない屁こきじいさん。

色々考えさせられる。

明日は我が身、いやだったかも。

8年位前、「所詮彼女もいねぇ」から、良いことをすれば、神様が彼女を授けてくれるかもと、献血をしたり、ベルマークを集めてきている訳だが、献血していなかったら、肝臓の数値が異常なんて気付いなかった訳である。

そんなこと知らず、当時のペースで飲み続けてきていたら、今頃、アル中や深刻な肝障害になっていたかも…。

あのじいさんのように。

老後の金の工面。

これも私にとって深刻な問題だ。

往々にして、私は金に無頓着だ。

入れば入っただけ、本代になる。

大学院生の時は、今の月給以上の金額をコンサルの真似事をして、正味6時間ぐらいで稼いでいたが、貯金などという考えもなく、本代と酒代に消えていった。

後悔はないが、これからは気をつけよう。

といいながら、うん十万くらいで欲しい古書が見つかったら、買うんだろうなあ。

大学院時代の学費の借金は最大850万あった訳だが、こつこつ繰り上げ返済したり、業績をあげたということで返済免除されたりして、先月、残額はついに100万を切った。

こちらのケリを早くつけたい。

というか、日本学生支援機構の奨学金は教育ローンと名前を変えた方が良い。

ちなみに、免除や繰り上げなしで全額払っていったら、最大月3万近くを65歳まで払い続けなければなかったらしい。

恐ろしい。

私は大学院にいって結果的に就きたい職業についてるし、国の助成に当たって研究費もらえたし、奨学金も免除していただいているので、良い方かとは思うが、学生向け奨学金の問題とか、人文系の大学院の大衆化と就職難の問題は、なんか考えないとね。

先輩みても、奨学金の借り受け残高1000万円とか、博士号とってコンビニでバイトとかざらだし。

それはさておき。

屁こきじいさん、脈を計りにきた看護婦さんに、

「美人さんだね」

とか言っている。

さっきの嗚咽はどこえやら。

男の悲しい性です。

美人には弱い。

というか、私は人の話を盗み聞きたいのではない。

聞こえるのだ。

しかも、病室での面会は原則できず、ケータイも会話は使用禁止。面会人が病室の便所を使うことも禁止。

みんなルールを守ってくれれば、余計な話も聞こえず、余計な事も考えず、私は読書一筋でいけたものを。

明日はアルコール焼けおばさんが来るらしい。

屁おじさんの自宅に行って、マグカップは持ってくるなと。

明日も娘が来るので、おかしいからとの事。

あと下着もいらないとの事。

また余計な事を聞いてしまった…。

では。
今、検査のため入院している。

数年前から異常の数値をしている肝臓の組織をとって、調べる訳で。

物心ついて初めての入院だ。

全てが新鮮だ。

今日のお泊まりは、4人部屋の対角線上に、私とご老人。

私は溜め込んだ本を読むために、カーテン仕切って読書一筋。

ご老人、よく屁をこく。

ブ。

ヴアァヴォ。

ボン。

バリビバッツッ。

ピーィイッ。

ヒリィ~ポン、ポン。

屁とはここまで旋律豊かなものとは、思わなんだ。

それはさておき、そのご老人に見舞いが。

声がアルコール焼けしているであろう女性。

まるで、この病院のすぐそばにある場末のスナックのママさんのよう。


下品ながらというか、お二人とも声が大きいので、聞こえてしまうのだが、夫婦ではないらしい。

娘さんにも知られていない関係っぽい。

「最近、くっついてないね」

「そうだね」

ごそごそごそ。

「うんー」

なんか抱き合ってるわ。

お盛んなこと。

その後も色々と話を聴かされる。

看護婦さんが検診にきて、

「娘さんですか」

とかきいてる。

ご老人、

「そういうことにしておく」

なんて、言ってうれしそう。

その後、アルコール焼けした女性は帰る。

晩ご飯の配膳のときに、さっきの看護婦さんに、

「あれは、○○○○さん」

とか

「俺、一人になって五年。それからお世話になっている女性」

とか

「この近くに住んでる」

とか紹介してた。

それにしても、昼ご飯、晩ご飯と出して頂いたが、量が少ない。

24時間営業のコンヴィニエンスストアーが併設されているので、そこに客を誘導する作戦であろう。

なので、その作戦にまんまと引っかかり、これからコンヴィニエンスストアーに買い物にいくことになるであろう。

まあ、病院のお食事ってこんなもんなんだろうね。

昨日、こちらの病院にお世話になることで思い出したことが。

昔、ここの病院に勤めていた看護婦さんと付き合っていた友達のことだ。

彼、浮気はしまくるわ、彼女から金は借りまくるわ、まともに働かないわ。

そんな彼に愛想を尽かしたのだろう。

ある日、二人が同棲していた彼女のマンションの彼が車を停めていた駐車場には、堂々と彼女の浮気相手の車が。

その数日後、彼、そして彼女と彼女の肩を持つ彼女の同僚との修羅場に、私もなぜか同行させられた訳であった。

その後、何日にも渡って、傷心の彼に付き合い、呑んでいた訳でもあった。

呑みながら失恋について語り、泣く彼。

泣きながら、

「俺、○○とやりたいから、○○のバイト終わるの待つべ」

といって琴似界隈で待ち伏せするところは、さすがだと思っていた訳である。

そんなこんなで3カ月からがたったある日、失恋からすっかり醒めたような声で電話が。

今すぐ会いたいと。

会う。

「俺はビッグになって、あいつを取り戻す!」

「ビッグになれるビジネスをはじめた!」

「10年以内にモンゴルにいく!」

「お前は夢がないのか!」

こんな話を目を輝かせて、私に語る訳である。

全身生殖器のような、へそから下に人格はなかったものの、明るく楽しく優しい彼はどこかに行ってしまったと思った。

悲しかった。

そんなことを思い出したので、久しぶりに彼にメールしてみた訳で。

ビッグにならなくてもよいのだが、元気にやってさえくれれば。

元気です!

そんな返信が欲しくて。
この1年くらい剛力彩芽という女優がやたらと露出してきている訳で。

最初は、なんでこんなバッタみたい顔した美人でもない女が、女優をやっているのかと思っていた訳である。

しかも。

名前が「ゴーリキ」だ。

露国の作家の名前かと思ったよ。

こんな名前の人間がかわいいはずがない。

しかしだ、しかし。

見ているうちに、だんだんとかわいいと思えるようになってきた。

イカの薫製を噛めば噛むほど、旨味が出てくるが如く。

おっさん、もうデレデレだよ。

とりあえず、来世の嫁候補の1人だ。

もう、来世まで視野に入れていかなければならないだろう。

ほかにも、相武紗季ちゃん、蛯原友里ちゃん、篠田麻里子ちゃん、多部未華子ちゃん、カレーパムパムちゃん、みんな来世の嫁候補だ。

ただし、たとえ来世であっても相手が不承認だろうが。

嗚呼。

まあ、来世などないのだから、生きているうちは来世の嫁のバカな妄想をしつつ、かんばっていこう。

イカの薫製を食べながら、こんなことをふと思った訳である。

それにしても食べ始めたら止まらない。

腹パンパンなのに。

旨すぎ。

イカくさい。