↓↓↓軽い設定紹介↓↓↓

志田×理佐♂(高校の同級生)

渡邉理佐· · ·クールでモテる男の子。

志田愛佳· · ·大人しく地味な女の子。





あるクラスで行われていた席替えでのお話です。

学パロで、とのことでしたので学生時代しかない席替えをテーマにしました。
理佐が男の子設定なのですが、もなりさで理佐が男の子は難しかったw

でも、また時間があったら理佐が男の子設定で書きたいなとおもいました!


リクエスト下さったfumiさん本当にありがとうございました!


少し長いですが、良かったら読んでいってくださいm(_ _)m
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「よーし引いたな。じゃあ次は渡邉の番だぞー」


「はーい。」


先生が少し面倒くさそうにそう言うと
隣の席の渡邉くんが返事をして席を立った。


彼が歩く姿を女子生徒達は目で追いながら、神に願うかのように両手を合わせている。


そして、彼が箱の中に入っている紙を引く時を女子生徒は固唾を呑んで見守る。


「これにするか。んーっと30番。」



彼が紙に書かれた番号を先生に伝え席に戻ると、女子生徒達はざわざわと話し始める。


『やった!近い!』

『あぁー、真逆だ...』

『隣になるためなら25番!』


その中には歓喜の声もあれば落胆の声もあり、そして期待の声もあった。

渡邉くんが引いたのは、窓際の一番後ろの席。


そして隣の席の25番はまだ空いてるから、うちにもチャンスあるよね...。


私は前回の席替えで渡邉くんと隣になって、彼に惚れた沢山の女の子の中の1人だ。


だけど私は他のみんなと違って地味だし、目立つことが嫌いだから彼には似合わない。


でもそんな事が自分でわかってるからこそ、せめてまた隣の席に...


「じゃあ次は志田ー」


「はい」


先生に呼ばれ、教壇に置いてある箱に手を入れる。


頭の中で願いながら紙を引き
ふぅ、と息を吐いてから紙を開いた。


ペラッ


「やっ.....あ、25番です...」


思わず喜びそうになり、焦って口をギュッと数秒閉じた後に先生に番号を伝え
早歩きで自分の席に戻った。 


椅子に座ったあと、私は机の下で小さくガッツポーズを決めた。




それから数十分後に全員がくじを引き終わり、新しい席へとみんな移動し始める。



ガタッ


席につくと、2人の女の子が目の前に立った。


「?」


2人の生徒をなんの用事だろうかと見つめると、前に立つ女の子が後ろの子を見ながら私にこう聞いた。


「あの志田さん、この前も渡邉くんと隣だったし今回はこの子に譲ってくれない?」


「え、えっと...」


私はすぐに断ることが出来なかった。

怖いのもあったけど、2回連続渡邉くんと隣なのが少し申し訳なく感じたからだ。


本当は譲りたくないけど、
これをきっかけにイジメでも始まったら、私の平和な生活は奪われてしまうだろう。


仕方ないよね...


「うん、いいよ...。」


「本当!?」


後ろにいた生徒は喜び、私の手をガッチリ握った。


ちょっと驚いたけど、本当に渡邉くんのことが好きなんだなと感じた。



「その合意に待った。」



渡邉くんの人気さをしみじみ思っていると
横から頬杖をついている渡邉くんがそう言った。

いつの間にか隣に移動を終えていたみたい。


私に話しかけてきた生徒は顔を真っ赤にして渡邉くんを見ている。


そんな表情を見ていると、こっちまでなんだか恥ずかしくなってくる...


「志田さんは俺と隣の席、嫌なの?」


俯く私に渡邉くんはそう呟く。


そんな訳ないと少し強めに首を振ると、クスクスと笑い声が聞こえた。


顔を上げると、渡邉くんが笑っている。



クールな渡邉くんの笑顔はレア過ぎで拝みたい...



そんな馬鹿なことを考えていると、渡邉くんが私の前に立つ2人の生徒に笑いかけながらこう言った。


「ごめん、俺 志田さんと隣がいいんだ。俺のワガママ聞いてくれる?」


「も、もちろん...!」



キラキラした目で喜んでその場を立ち去る生徒。


渡邉くんの笑顔って無敵だな...


自然に口角が上がると、渡邉くんも笑った。


「また隣だね?」


「うん...」


「俺、志田さんの隣好きだよ。」


「え、好き...?」


「うん。」


スっとその場を立ち上がって私の前で屈んだ渡邉くんは、私に耳打ちした。


「他の人と違ってギャーギャー言わないし、それに志田さんの横顔、結構好きなんだ...。」


彼の言葉に自分の耳が真っ赤になっていく。


照れながらも立ち上がった渡邉くんの顔を見ると、彼も照れくさそうに頭をかいていた。


「照れるなら言わなきゃいいのに...」


とは言ったものの、クールな渡邉くんのあんな表情見れるなんて私は今日死ぬのかもしれない...


「俺の今の顔、みんなには内緒な...。」


口に一本指をつけて シーっと微笑みながら彼はそう言って、席につく。


そして、渡邉くんは窓の方に体に向けた。


するとそこに、渡邉くんと仲のいい織田くんがやってきて、彼の首に腕を回す。


「おい理佐、窓際の席とか羨ましーな!」


「まあね...」


「俺なんかまた1番前の席だぞ!...って、理佐なんでそんな顔赤いの!?」


「ばっか!黙れ!」


ドスッ


「いた!理佐ひどー。」


渡邉くんの肘が織田くんのお腹にヒットする。


するとすぐさま、渡邉くんのことを好きな女子生徒達が集まってきた。


「顔赤いってどういうこと!?」


「てか織田邪魔!」


「はあ!?なんでだよ、俺ともしゃべろーよ!」


ガヤガヤする窓際。


そんな中チラッと渡邉くんをみると
女の子と織田くんの体の間から、彼と目が合ったような気がした...