サッカーの楽しさを思い出した翌日

学校に着くやいなや、俺は織田に問い詰められていた。



「お前昨日の放課後、渡邉さんと手繋いでたって聞いたんだけど本当なのか?」



「誰に聞いたんだよ」



「見たってやつが何人もいて、俺に確かめて来いって言ってきたんだよ!」



「いや、そいつらの勘違いだろ」



実際は勘違いではないのだが

まさかあの時間帯に見ている人が居たなんて、その時は全く気づいていなかった。


理佐に迷惑をかけては申し訳ないからと

俺は冷静を装いつつ誤魔化した。



「何だ勘違いかよ····」



「まなきおはよう!」



「あー理佐おはよう!」



「は? おいまなき今 名前呼び·····」



「あっ」



織田を誤魔化せたとホッとしていたところで

理佐が廊下から手を振って挨拶してくるから俺も普通に返してしまったけど


俺の目の前には驚きすぎて、もはや引いてしまっている織田の姿があった。



「まあ 織田、気にすんなよ·····」



「説明してもらおうか     まなきぃー!」



静かに立ち上がった俺は織田の肩をポンっとひとつ叩き

苦笑いを浮かべつつ教室を出ようとしたが

織田は勢いよく立ち上がって俺を追いかけてきた。



「おいおい織田落ち着けって·····!」



早歩きで廊下を進むと、D組の教室から理佐が出てきて目が合った



「理佐、ちょっと助けて!」


手を合わせてお願いしつつ俺は理佐の背中に隠れる



「あ、渡邉さん!その後ろにいるまなきに話があって·····」



「どうぞ!」



「おい理佐·····」



「誰もまなきの事助けるなんて言ってないもん」




俺の事を引っ張って織田の前に突き出し

ヒラヒラと手を振る理佐は
悪意を感じるような薄ら笑いを見せて、また教室に入っていってしまった。



「まなきぃ  」



「織田、まだお前はこれからだろ?俺だって付き合ってるわけじゃないし!」



「は、付き合ってないのか?」



「付き合ってねえよ!」



キーンコーンカーンコーン



織田は疑いの目を向けつつも

チャイムが鳴った為 仕方なくという形で教室へと戻っていく。


まだちゃんと好きかも分かってないのに、織田がめんどくせえ·····


疲れと呆れで、ため息をつくと教室から理佐が顔を出す



「まなき、チャイム鳴ったよ?」



「分かってる ただ足が疲れてさ」



「朝からあんだけ織田くんと暴れてたらね···」



全部 織田のせいなんだよな  ほんと


先生はチャイムが鳴って少し経ってから教室に来るから
それまで足を休ませて、理佐に気になっていたことを聞いてみた。




「理佐は嫌じゃないのか?俺と噂立てられて」



「まなきって見た目と違って、中身はネガティブの塊って感じだよね」



「まじか·····」



自分でも少しはネガティブかもって思ってたけど

他の人に言われたのは初めてだったから 少しがっくりした

そんな俺に理佐が近づいて来たかと思えば、すぐ視線を外す。




「理佐?」



「でも私はポジティブな方だから、助け合えるんじゃない···?」



「それって」



「おい志田!お前チャイム鳴ってるぞ!」



「やべっ、理佐またな!」



「あっうん·····」




先生に邪魔されて、詳しく聞けなかった俺だが


理佐の少し照れた顔を思い出して、顔が熱くなっていった。



「ドキドキする·····」




今日の放課後もサッカーの約束してるのに


これじゃあ目を見れねえよ·····









涙をこらえるな Another Story ── 終


·····
皆さんおはようございます!

今日はTwitterの質問箱でAnother Storyが欲しいとの事でしたので早速書きました!笑


最終話の次の日のお話なんですが

これはAnother Storyと呼べるのか·····?🙇‍♂️

なんにせよ
読んでくださった方ありがとうございました!


·····

今 長編小説の設定自体は浮かんでいるので、コツコツと書いております!笑


長い間 書きたいなと思っていたお話です!


早く完成させたーい!(まだ3話(ノД`))笑


それでは、いつもありがとうございます!


また次の更新で‪( ^_^)/~~~‬


HONO