拍子抜けするほど、色々出てきてる。

まだ完全とはいかないけど、かなり有望そうだから、取り上げられたのだろうか?

ヨウ素太陽電池(国産可)、CO2の吸収固定(空中元素固定装置!解る人は解るアニメ)、そしてコオロギでない昆虫食と栄養。

 

今年も各分野で発表が続いているノーベル賞、その次なる候補と呼ばれる発明がこちらです。 名刺ほどの大きさで曲がる素材なんですがモーターに繋いでみると…(プロペラが回りますね) 実は次世代の太陽電池なんです。 発明者から原料までメイドインジャパンです。 

▽“都市全体が発電所に“ノーベル賞級の発明 

そこでは、これまでの常識を覆す、最先端の研究が行われていました。 

(桐蔭横浜大学 宮坂力特任教授)「出来上がりです。10分もかからないで出来あがります。スピードが速いっていうことは生産コストも下がってきます。最終的にはシリコン(太陽光パネル)の半額位にはなると思います」 こう話すのは、この太陽電池の産みの親、宮坂力教授。 

「ペロブスカイト」という、この太陽電池の特徴は、極めて薄く、軽量で柔軟なこと。さらに… 

(桐蔭横浜大学 宮坂力特任教授)「これはペロブスカイトの薄膜をインクジェットプリンターを使って印刷で作るという新しい装置なんです。色々なロゴとかパターンとか絵とか印刷したものが発電する」 そのデザインさえも、自由自在。しかし最大の魅力は、設置場所を選ばないこと。 

(山口豊アナウンサー)「こういう風に設置できる?」 「うん」

 Q. 垂直に立てても発電できる? (桐蔭横浜大学 宮坂力特任教授)「手すりの全体を発電に使うことができますね」 

従来のシリコン系太陽電池は、重量があるうえ、太陽に向ける必要がありました。 (桐蔭横浜大学 宮坂力特任教授)「ペロブスカイト太陽電池は色々な角度から入った拡散光を使いますから、ビルとか建物の壁を使う。それから光が当たっていない北の面、西の面を使う、雨の日、曇りの日も発電できます。都市全体が発電所になっていくと思いますね」 

用途はアイデア次第で、建物のブラインドや車の屋根などにも設置が可能。“都市全体が発電所”になるのも、夢ではないのです。

 「ツトム・ミヤサカ」 この功績が認められ、宮坂教授はノーベル賞受賞者も輩出している『ランク賞』を受賞しました。 

(オックスフォード大学 ヘンリー・スネイス教授)「宮坂教授は“伝説の人”です。

過去に彼と仕事をするようになって、ペロブスカイトの作り方を学んだのです」

 ペロブスカイトの原料のほとんどは、輸入に頼る必要がありません。 なかでも主要な原料である「ヨウ素」は、千葉県などで天然ガスと一緒に採取されています。

しかも日本は、世界第二位の生産量を誇る“ヨウ素大国”。ペロブスカイトは“純国産の太陽電池”に成りうるのです。

 

では、開発はどこまで進んでいるのか? こちらの企業ではある製造法を応用して巨大なペロブスカイトを作っていました。 

(山口豊アナウンサー)「この奥がペロブスカイトを作っている、その研究施設ということになります。中に入ります…今、中に入りました」

 (積水化学 次世代技術開発センター 森田健晴センター長)「ちょっとここは」

「ここはダメですか」「ノウハウが入ってるんで…」 入室直後の“撮影禁止”。

ペロブスカイトは今、各社が開発にしのぎを削る、重要機密なのです。

 Q. これそうですか? 

(森田健晴センター長)「ペロブスカイト太陽電池が出てきていますね」

 Q. 結構大きいですね? (森田健晴センター長)「そうですね、30cm幅になっています。」 巻かれながら製造されていく、ペロブスカイト。これはフィルムの印刷技術を応用した製法でロール状になった基板を巻きながら、一連の工程を自動で行う仕組み。これにより、数百メートルものペロブスカイトが一気に作られ、低コスト化にも繋がると言います。しかし… 

(積水化学工業 森田健晴センター長)

「ただまだ歩留まりというか良品率みたいなものはまだこれからなんです。

この30cm幅での量産の目標は2025年です」 少なくとも、あと2年以上はかかるという製品化。 イギリスでは、世界最先端のペロブスカイトの開発が進んでいました。

宮坂教授の視察に同行した我々は、その中枢部に入ることを許されました。 

(山口豊アナウンサー)「ここがオックスフォードPVの研究施設の内部です。いま中に入ります」 湿度などが制御された、密閉空間。奥に進むと、テーブルの上にはおびただしい数の基板が積み上げられていました。 

(オックスフォードPV 最高技術責任者 クリス・ケイス博士)「これはシリコンの上にペロブスカイトを組み合わせたもので、これこそ、我々が開発したものなのです」 (桐蔭横浜大学 宮坂力特任教授)「これだけの物(実験サンプル)があるっていうことは、本格的に作っている証拠ですから、これはすごいと思いますよ」

 

 一般にシリコン系太陽電池は多くの光で発電しているものの変換効率は、最大25%。ペロブスカイトを重ねることでそれ以外の光も使うことができ、高い効率が期待できるのです。 

(クリス・ケイス博士)「ここにある太陽電池は、従来のシリコン電池の可能性を超えた性能を持っています。変換効率は30%に極めて近く、さらに研究を進めれば、38%から39%になるかもしれません」 

こちらの会社は、すでにドイツに大量生産ができる工場を持ち、来年早々の商品化を進めています。 さらに中国では、既に大型パネルの量産に成功し、販路を広げていました。 

(大正微納 ユウ・アレンCEO)「スマートフォンや有機ELのメーカーなど、様々な会社が製品を購入しています。彼らはコンピューターや通信、家電などにペロブスカイトを利用しようとしているのです」 

着々と市場を席巻していく、海外企業。 

(桐蔭横浜大学 宮坂力特任教授)「日本には十分、太陽電池を作れる資源がある訳です。材料が安いだけじゃなくて、これを作る工程も安くできる町工場や中小企業でもある程度のものが作れる。まさにペロブスカイトが日本の成長を推進する良い例になってくると思います」 

 10月9日『サンデーステーション』より

 

なるほど、自信つけてるわけ。

OPEC減産と、アメリカのシェールガス増産せず、とも繋がってそう。

晴れてなくても発電するし、太陽の方に向けなくていいし。

ただ、発電効率はシリコンのと合わせても30~40ということで

低すぎるのを低い、くらいにしたあたりかな?

でもまあ、あるじゃん。

ただ、ソーラーランタンってなんかすぐに故障とか

パネルの部分が汚れるとか、急に蓄電しなくなったりとか。

どこの製品か解らないものを売ってるから、

普通の単三電池が入るのかと思えば、なんか入らなかったり。

生産国なんかどの製品にも書いてないし。

ダメになったら捨てて買い換えろという感じだしなあ。

修理きかないのに中途半端に多機能が残ったら、さてどうするか?

 

新エネルギーはデッドヒートみたいだけど。

 

ゴミだと思った二酸化炭素が、実は可能性の塊! “趣味で地球を救う”現役東大生が考えた地球温暖化の解決策がすごい

「二酸化炭素集めないと損!というか日本は資源が少ないじゃないですか。でも日本も化学の力を使えばこの空気を油田に変えられる。二酸化炭素は、資源だし友達だし、僕らの味方。みんなが目の色変えて『二酸化炭素だ!二酸化炭素だ!』と言って集める世界を作りたい」

  【画像】「ひやっしー」や船長の格好をする村木氏、西山アナウンサー 

そう語るのは、炭素回収技術研究機構「CRRA(シーラ)」代表理事・機構長の村木風海氏。 10歳で二酸化炭素を減らす研究を始め、現在東京大学の学生でもある村木氏の研究が、地球温暖化を解決する技術の一つとして今注目を集めている。

中身は最先端。外見はゆるふわ。

村木氏が開発したCO2回収マシーン、その名も「ひやっしー」。 スーツケースの形をしたボックスの上にかわいらしいモニターが付いている外見は、「ゆるふわ」でなんだか癒される。 しかし中身は、最先端なのだ。

 ひやっしーの中には、二酸化炭素を吸い込む性質のあるアルカリ性の液体が入ったカートリッジが装着されていて、吸い込んだ空気から二酸化炭素だけをそのカートリッジに吸収し、二酸化炭素が低減された空気を外に出す仕組みになっている。 改良に改良を重ねて第4世代のひやっしーが最新版。

 ーーひやっしーの開発はどこまできているのですか? 

理想形を100%とするなら8割くらいまできています。性能面では理論上これ以上上げられないというところまで来ているんです。5年前の初号機は、わずか0.1%の二酸化炭素しかキャッチできず、ほとんどすり抜けていたんです。 目に見えないあの小さい分子を取ることは本当に難しかったけど、ここ5年で最大で84%まで取れるようになり、性能が840倍に。これ以上の開発は理論上難しいので、現在はお客さんが使いやすいようにアプリや電気系を改良している段階です。

 

 ーー回収したCO2はどうなるのですか? 

回収された二酸化炭素から燃料を作る研究をしています。   ひやっしーで回収した二酸化炭素を陸・海・空の乗り物やロケットなどの燃料に変換し活用しようというもので、空からガソリンを作るので「そらりん計画」。 実は、ほとんど現実になっていて、これが実現すれば、今ある設備を変更することなくすべての乗り物を動かすことが出来るそうだ。 勿論二酸化炭素は出るが、元々空気中にあった二酸化炭素から作られた燃料なのでプラスマイナス「0」。 

「そらりん」で船や飛行機を動かすために、村木氏は既に1級小型船舶の免許を取得。2021年には日本半周の船の旅に出た。パイロットの訓練も最終段階にきている。 

また、石油代替燃料が作れるということは、そこから金属以外の身の回りのものを何でも作れることができるそうだ。 例えば、“二酸化炭素から作った石油”からでも服が作れるということに。 

 

「ゴミだと思ったり、敵だと思っていた二酸化炭素が、実は、可能性の塊!この世界のすべてを作るブロックみたいになっている」 

2021年のCOP26では、産業革命以前に比べて世界の平均気温上昇を1.5℃に抑えることが世界目標となった。既に、1.1℃上昇しているので0.4℃で抑えなければならない。そのためにCO2の排出量を2030年までに約50%削減、さらに2050年までに実質「0」にする必要がある。いわば待ったなしの状況だ。

 

きっかけは、火星に行きたい!

村木氏が炭素回収の研究を始めたのは、2010年。祖父からもらったホーキング博士の著書「宇宙に秘められた謎」を読んで火星の魅力に取りつかれたのがきっかけだという。 

「地球以外で人間が住める可能性が一番高いのが火星だと書いてありました。どうしたら火星に住めるんだろうと考えました。そして“火星の夕日は青い”と知り、その神秘的な光景を僕が一番最初に見たいと思って色々調べ始めたんです」 

調べるうちに、火星は空気中の96%が二酸化炭素だということを知った村木氏。そこから二酸化炭素を“回収”する道を子供ながらに探し出すようになったという。 

 

「中学2年生の時、気候工学の研究者の人が書いた本を読んで、温暖化ってこんなに大変なことになっているんだ。逆に、僕が今まで研究してきた二酸化炭素を集める研究が地球を守るために役に立つんだと気づいたんです。それからは、“地球を守り火星を拓く”というスローガンを両軸に据えて研究しています」 

村木氏は、「火星に移住する」という夢を実現するために研究をしているので、話を聞いているととにかくこちらまでワクワクする。

 

 ーーCO2を減らすには我慢が必要とついつい考えがちだが、村木氏の場合は“楽しんで”二酸化炭素を減らそうとしています。

 我慢って長続きしないじゃないですか。おまけに二酸化炭素を減らすだけでは温暖化は止まらない。7年半で半分にしないといけない。半分にするには、乗り物全てを止めて2割減って、すべてのオフィス、工場すべて止めて3割減る。家と発電だけ動かす生活だけで5割減。 どう考えても無理なんです。今まで出してしまった空気中の二酸化炭素を吸ってマイナスにしないといけない。 

だけど二酸化炭素を身の回りの固体に変えれば、空気中に出ることはないので確実に減らすことが出来る。生活を我慢するのではなく、豊かにしながら使い続けることが出来る。二酸化炭素で物がまわっていく世の中を作りたいんです。  

 

 ーー若い世代に困難な状況を押し付けていますが…

 押し付けちゃってごめんね、とよく言われるのですが、ぼく個人としては、解決しなければならないことが山積みの今の方が化学者としてとてもワクワクするんです。

 むしろ、今まで文明を築いてくれてありがとう。あとは楽しんで解決しちゃうから。という感覚。 

若い世代は、誰のせいとか言っている余裕はない。もうすぐ災害が来ます、あなたは命を落とすかもしれません、だから対策してください、と台風が来る前に言われると身構えるじゃないですか?確実に自分の命が危なくなる。だから行動しなきゃ。 

それがだいたいZ世代的な感覚じゃないかな。やらされているという以前に、生まれた時から危機感を肌で感じているので。

 一見、楽しみながらの研究のように見えるが、村木氏の研究は12年の研究のうち10年くらい理解されなかったという。 学会でも総たたきにあい、「そんな研究意味ない」とまで言われたそうだ。

しかし、村木氏の心はそんなことでは折れなかった。なぜなら村木氏の研究は趣味だからだ。好きでやっていることなので何と言われようと続けることが出来たのだ。 「趣味で地球を救ってます」とさらりと言ってのける村木氏がたまらなくかっこよかった。 そんな村木氏の研究に向かう姿勢こそ、私たち人類が温暖化解決に向かっていくヒントが隠されているように思う。 

「地球を住みやすい環境に戻すことが趣味だから」 そんな気持ちで一人一人が行動を起こしたら、「1.5℃の約束」も難しいことではないと感じた。

 (取材・執筆:フジテレビアナウンサー西山喜久恵)

 

 

 

生ごみが食料に大変身 地球環境を救う不思議な生き物

産経新聞

アメリカミズアブの成虫(大阪府立環境農林水産総合研究所提供)

堆肥などにふってわく不快害虫が、〝救世主〟になるかもしれない―。大阪府立環境農林水産総合研究所(環農水研)が昆虫「アメリカミズアブ」の利用方法の確立に取り組んでいる。しばしば家庭の生ごみに発生することもあり不気味がられていたが、幼虫は食品廃棄物をエサにすることからゴミの削減に役立つほか、タンパク質が豊富で家畜のエサなどとして活用することも期待できる。

担当者は「SDGs(国連の持続可能な開発目標)の促進に大いに貢献できるのでは」と期待を寄せている。 

 

■生ごみ周辺に発生 アメリカミズアブは、北米原産のハエ目ミズアブ科の昆虫で日本に生息するアブの一種。体長は1・5~2センチほどで黒い半透明の羽を持つ。

刺したり吸血したりするといった人への直接的な害はない。ただ、生ごみを処理するコンポストなどの周辺を好んで飛び回ることから、「不快害虫」として疎まれる存在だった。 そうした中、環農水の職員らが約10年前に畜産動物の排泄(はいせつ)物の処理方法を模索していたところ、腐った野菜から動物のフンまでさまざまなものを食べるアメリカミズアブの幼虫に行き当たった。狭い容器の中でたくさんの幼虫を共食いもなく孵化(ふか)させることができ、かつ作物や動物にも無害で、担当者は「管理しやすく、そうした特性を排泄物の処理に生かせるのではないかと思った」と振り返る。

 

■高い栄養価 

さらにアメリカミズアブの幼虫はタンパク質の含有量が多く、栄養源として期待できる。 今でこそコオロギなどをはじめとした「昆虫食」が普及しつつあるが、アメリカミズアブを食べるにはまだまだ心理的なハードルが高い。そこで豆腐かすや野菜くずなどの食品製造副産物で育てた幼虫を、魚や畜産物の餌にしたり、

幼虫の食べ残しやふんなどを田畑の肥料にしたりすることにした。 

現在はアメリカミズアブの飼料の効果などを調査中で、生産にあたってまだコストなどの課題もあるという。それでも効率よくタンパク質を生み出すアメリカミズアブを活用することでCO2削減効果も期待できるといい、環農水研は約5年後の実用化を目指している。

 

 ■法整備が課題 

もっとも、アメリカミズアブの研究は、海外に比べれば遅れているという。

EU加盟国ではすでに、昆虫をビジネスに活用するにあたってガイドラインが作成され、家畜や魚などを経て最終的に人が食べてもいいように生育方法などをルール化。アメリカミズアブはペットフードの原料などとして実用化されている。

 「ミズアブが直接人の口に入るわけではないが、日本ではまだハチを使ったハチミツのようには定着していない」と環農水研の担当者。

大学や企業などと連携し昆虫ビジネス研究開発プラットフォームを立ち上げ、シンポジウムを開くなどしてアメリカミズアブの活用に向けて取り組んでいる。 担当者は「世界人口が増加する中で、ごみの削減やCO2削減、食料不足への対応は急務。

アメリカミズアブはそうしたSDGsの目標達成に、大いに貢献しうるのでは」と期待を込めた。(江森梓)

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下水汚泥を肥料に活用、輸入化学原料の高騰で政府が本腰…国産化進め価格抑制

讀賣新聞

 政府は、下水処理の過程で出る汚泥を肥料として活用する取り組みに本腰を入れる。農業現場で主流の化学肥料は輸入原料に依存し、ウクライナ情勢などの影響で価格が高騰している。肥料の国産化を進めることで価格を抑え、農家の経営圧迫や食品価格の上昇を回避する狙いがある。

  【グラフ】下水汚泥は建設資材などにも再利用されている

 

10月に取りまとめる総合経済対策で、政府は肥料の国産化を進める方向だ。

すでに岸田首相は同対策の策定に向けて、「化学肥料への依存度を引き下げ、

エネルギーや食料品などの危機に強い経済構造への転換を図る」ことを指示している。

 国土交通省によると、国内で1年間に排出される下水汚泥約230万トンのうち、脱水や発酵を経て肥料として再利用されるのは、1割程度にとどまる。農家側には、排水中にカドミウムや水銀などの重金属が濃縮されている可能性への懸念があることが再利用が進まない一因とされる。「臭いが強い」などのマイナスイメージも普及を妨げる要因となっている。

 汚泥肥料の利用拡大に向け、同省は2023年度予算の概算要求で3100万円を計上した。職員が下水汚泥を肥料化する施設がある地域を訪れ、汚泥肥料の成分を実際に測定して安全性をPRしたり、窒素やリン酸が豊富で作物を育てやすい特色をアピールしたりする考えだ。農林水産省とも連携して取り組む方針だ。

 国産肥料の増産を急ぐのは、化学肥料の価格が急騰しているためだ。原料となる尿素や塩化カリウムなどは、大半を海外からの輸入に頼っている。原料価格の上昇が肥料価格の高騰につながり、農家の経営を圧迫している。

 これに対し、下水汚泥を加工した肥料は、価格の安さが最大の特長だ。下水汚泥の全量を肥料に加工する佐賀市は、汚泥肥料を1キロ2円で販売する。年間3000人以上が購入し、6月以降は販売量が例年の2~3倍に伸びているという。

 政府は、肥料の国産化と低廉化で「一石二鳥」の効果が得られるとみており、肥料の需要が多い地域では、将来的に下水汚泥の全量を肥料として活用したい考えだ。

 

 

 

岸田総理大臣は訪問先の鹿児島県で、今月中に取りまとめる方針の総合経済対策のなかで畜産農家への新たな支援制度の創設を盛り込む方針を表明しました。  

岸田総理大臣:「飼料の国産化、または堆肥の肥料利用拡大など生産基盤を強化しなければならないということ。また、輸出の強化等による稼ぐ力をしっかり伸ばしていかなければならない」  岸田総理は鹿児島県霧島市を訪れて「和牛日本一」を競い合う大会に出席したほか、和牛生産者と車座対話を行いました。  

岸田総理は飼料価格の高騰などによって和牛産業は厳しい状況にあるとの認識を示したうえで、国産飼料の利用を拡大するための新たな支援制度の創設を表明しました。  また、牛肉の輸出への支援も拡充するなどして、円安メリットを生かした農林水産物の輸出拡大に取り組む考えを示しました。

テレビ朝日

 

就職は引っ張りだこなのに定員割れ…工業高校、都立は来春「工科高校」に変更

 東京都立の工業高校15校の名称が来春から、「工科高校」に変更されることになった。背景には工業高校への入学志願者の全国的な低迷があり、最先端の科学技術を学べる場と一目でわかるようにして、地味なイメージの刷新を図る。

(飯田真優子)

IT社員と授業

 「AI(人工知能)の時代にどんな人材を求めていますか?」。

9月29日、都立町田工業高校で、2年の男子生徒(16)がパソコン画面越しに

IT大手・日本IBMの女性社員に質問した。

 生徒は国語や数学などの普通科目のほか、プログラミングやホームページ作成などの専門科目を学んでいる。この日は外部から講師を招いたオンライン授業で、女性社員は「技術の習得だけでなく、これからは『車の自動運転による事故は誰が責任をとるのか』といった判断も求められる」と回答。生徒は「現場の技術者から直接話を聞けて、仕事への理解が深まった」と目を輝かせた。

 同校は都内の工業高校で唯一、総合情報科がある“IT先進校”で、IT企業に就職する卒業生は着実に増えている。しかし、2年連続で定員割れと人気は低く、指導する寺島和彦教諭(45)は「今の社会に求められる学習環境を用意しているのに、

受験生や保護者に知られていない」とこぼす。

志願減少の一途

 工業高校は、金属加工や建物設計など工業の専門知識を持つ人材を育成し、日本のものづくりの現場を支えてきた。しかし、少子化に加え、大学進学を見据えた普通科進学者の増加で、工業高校の入学志願者は減少の一途をたどっている。

 文部科学省によると、1970年度に全国で715校あった工業高校は昨年度、

526校に減少。生徒数も70年度の約57万人から昨年度は約22万人にまで減り、この間、全高校生に占める工業高生の割合は13・4%から7・3%となった。東京でも都立工業高校の一般入試の平均応募倍率が2019年度から4年連続で1倍を割り込んだ。

 

 こうした事態を受け、都は同年、工業高校の将来像を話し合う有識者会議を設置。「時代は『製造業』から『AI』に変わりつつある。まずは『工業高校』という名前を変えてはどうか」との意見が上がり、町田工高を含む15校を改称することになった。都教育委員会の担当者は「『工学』と『科学』を融合した名称で、先進的な専門高校にふさわしい」と期待を寄せる。

 

 改称は他県でも相次いでおり、自動車関連の工場が集積する愛知県では昨年度、

すべての工業・窯業高校計14校の名称を「工科高校」に統一。学科名も「建築科」を「建築デザイン科」、「土木科」を「都市工学科」などと改称した。

防災も食品も

 学習内容の充実を図ろうと、学科の新設・改編も進む。

 東京では、蔵前工高(台東区)の機械科に来春、「ロボティクスコース」が新設される。今年の夏休みには、中学生向けに初めてロボット実習を開催。参加者は楽しそうにロボットを操作したといい、釼持利治校長は「不足していると言われるロボット操作の技術者を生産現場に送り出したい」と意気込む。24年度には、都市の防災に必要な技術を学ぶ「都市防災技術科」(北豊島工)、食品加工と工業化学を一体的に学ぶ「食品サイエンス科」(中野工)などを設けることも予定されている。

 大阪府も、3校の再編で新たに生まれる工業高校に「IT専科」や「メカニック専科」といった学科を置く計画だ。府教委の担当者は「最新の知識を学べることを広く知ってもらいたい」と力を込める。

卒業生 引く手あまた

 工業高校の卒業生は企業から引く手あまただ。全国工業高等学校長協会の調査によると、全国の工業高生に対する求人倍率は年々伸び続け、2020年度は過去最高の15.4倍に達した。

 東京都教育委員会が19年に都内の企業・事業所を対象に行ったアンケートでは、工業高卒業生の優れている点について、「業務に必要な知識やスキルが身についている」「仕事に必要な資格や免許を取得している」などの回答が多かった。同協会の橋本広明・主任研究員は「コロナ禍で就職難になるかと心配したが、むしろ求人は増えた。企業にとって“金の卵”と認識されているようだ」と話す。

 

>工業高校に入るということは、中学生の早い段階で将来を考えて進路を決めているということ。遊びたい盛りでそこまで考えている子は少ないのかも。 

子供に考えさせるには親が子供の進路を早い段階で考える必要がある。

良い高校、良い大学に入れることだけ考えているようでは手遅れになるかもしれない。実際に東大や早稲田を卒業したあと一度も就職せずにニートをしている人もたくさんいる。

 

 

 

 

コメ需要は減ってるか?理解しがたい農水省の需要策定

Wedge

コロナ禍で需要が高まる冷凍米飯は、実は「主食用」コメではない(Fahroni/gettyimages)

 毎年減り続けているとされるコメの需要。農林水産省の表現を借りると「主食用米の全国ベースの需要量は一貫して減少傾向にある。最近は人口減少等を背景に年10万トン程度に減少幅が拡大」ということになっている。  

需要が減っているので需給を均衡させ、価格を維持するために主食用米の生産を減らす政策が続けられている。いわゆる入口対策と称されるものだが、それに投じられる税金はなんと年間3500億円にもなる。  

供給量を減らしてコメの価格を維持するためにこれだけの巨額な税金が投じられているのだが、不思議なことは農水省が言うコメの需要とは一般人の感覚からすると首をかしげてしまう事例が多い。例えば需要が増加している冷凍米飯や米粉は農水省の判断では「主食用」とは見做されない。この分野がいくら増えてもコメの需要増加とはならないのだ。  

なにをもって主食用の需要と見做すのか、その根拠となっている「需給調整要領」はこれまで全面改定が2回、部分改定が28回も行われている。要するにコメの需要とは農水省の恣意的な判断に任されているのだ。  

本来、どのような作物を作るかは生産者の自由意思に任されるべきものだが、巨額の助成金により生産者の自由意思がほぼ働かくなっている。コメ業界の現場を取材すると、「主食用」ではないものの需要が拡大されており、その可能性を見出して新たな商品開発を進める取り組みも多くあるのに、政策的な規制が産業として羽ばたく芽を摘んでしまっている

高まる冷凍米飯、新たな技術開発も     

 まずはコロナ禍で需要が伸びた冷凍米飯の生産量について、冷凍食品協会が詳しいデータを公表している。それによると昨年1年間に生産された冷凍米飯の生産量は、

前年に比べ1.1%増加して19万5718トンになっている。  

商品別内訳はチャーハンが10万667トン、ピラフ5万985トン、おにぎり2万7057トン、その他1万7039トン。冷凍食品全体の生産量は159万6213トン(前年比2.9%増)もあり、仕向け先は業務用と家庭用がちょうど半々の割合になっている。これまで業務用の割合が高かったが、コロナ禍による巣ごもり需要の追い風を受けて初めて家庭用が業務用を上回った。

 

 冷凍米飯の消費が増えている要因は、その扱いやすさにもある。商品成型が容易で、作り置きが可能なため、さまざまな形の商品を作ることができる。大手アミューズメント施設では、キャラクターを象ったライスバーガーが販売され、SNSで拡散されているなど人気を博す。 この需要の高まりを受け、冷凍米飯分野では今、新たな技術開発が進められている。一つは、より炊き立てのご飯の味わいに近づけるための冷凍技術の開発だ。  

これまでコメの冷凍技術は空冷がメインで、どうしても解凍時に炊きたてのご飯の風味を味わえるまではいかなかった。そこで、空冷に比べ格段に凍らせる時間が早い液冷で凍らせる製造装置の開発が進められている。ご飯の細胞が壊れないため、より炊き立てのご飯に近づくと予想されている。  

この商品を開発した会社は、本業はコメ卸業者だが、早くから炊飯事業にも取り組み、冷凍米飯事業にも参入した。経営者が「コメはまだまだ商品開発がなされていない」という考えの持ち主で、社内に新規事業開発部を立ち上げ、コメを原料にした「かりんとう」といった商品も開発、横浜のお土産商品として推奨されるまでになっている。  

もう一つ開発を急いでいるのが身体に良い機能性成分を含んだ冷凍米飯の開発である。消費者庁から機能性表示食品として認められた冷凍米飯は、食事に含まれるカルシウムやマグネシウム、鉄の吸収を促進する機能があるマルトビオン酸を付加することによって骨密度維持に役立つ。糖質オフという商品もあるという。

もみ殻成分に着目、コメすべてを活用した製粉

 ウクライナ情勢により価格が高騰する小麦の代替商品として注目されつつある米粉商品についても、農水省は「主食用」とは見做していない

この分野でも需要拡大の可能性がある新たな開発がなされている。コメをもみ殻からすべて微細製粉し、さまざまな用途の原料としようという試みだ。  

米粉商品と言えば精米を製粉してパンや麺に使われるケースがほとんどだが、もみ米すべてを製粉した原料というのはこれまでなかった。  

玄米のぬか層にはさまざまな機能性を持った成分が含まれており、古くからぬか漬けやこめ油、飼料等多様な分野で利用されてきた。ただし、その外皮であるもみ殻は土壌改良剤や家畜の敷料に使用されるぐらいで、その豊富な栄養素に着目した食品としての利用はされてこなかった。  

ところが近年、もみ殻には骨密度の向上や老化防止機能を持つ可溶性シリカが豊富に含まれていることがわかり、サプリメントとして利用されるようになっている。

保湿性に着目したアトピー性皮膚炎向けの薬剤も開発されている。  

この多様な成分を多様な製品に開発することを可能にしたのが、もみ殻を1000分の1ミリという超微細粉にする気流粉砕機である。製造能力も極めて高い。

 

気流粉砕機の内部に設置してあるインペラ(逆回転する羽)の大きさを変えることによって年間3万トンの穀物を製粉できる。全国の米粉製粉会社すべてが小型製粉機を稼働させると年間4万トン程度ということを考えると、その規模の大きさがわかる。  気流粉砕機を開発した会社は、粉砕したサンプルをさまざまな分野の企業に試料提供している。栄養補助食品や高機能米粉などのほか、工業用原料として使用される可能性もある。

海外市場を見据えた肝臓病患者向け玄米

 コメには優れた機能性成分が含まれており、上手く活用すれば、より付加価値を有した商品が誕生する。それがコメの需要が拡大させることは間違いない。  

その端的な例が最近、JAS規格の認証を得た低たんぱく加工処理玄米の包装米飯である。この商品は、タンパク値の低いコメ品種「媛育83号」や「春陽」を、乳酸菌を活用した特殊な加工処理を施したものである。 を活用した特殊な加工処理を施したものである。  

低たんぱく食は腎臓病患者にとっては必須なものだが、実際に食事療法を実施している患者は4.5%しかおらず、を受けなくてはならなくなるケースが多くある。

腎臓病患者でも安心かつおいしいという玄米のパックご飯を提供しようとしている。  

製造工場としてすでに数カ所が名乗りを上げているほか、輸出商品として販路を広げる計画も練られている。計画書では、「国際的なシンポジウムを開き、たんぱく質摂取の効果的基準を策定し、わが国が主導して腎臓病患者用の適切なたんぱく摂取量が含有される加工処理玄米こそが透析に代替する食事療法であることを示し、国際標準化策定のための契機にする」と高らかに宣言している。  

「コメの消費は減った」と言われているが、広い視野を持つと、その可能性はまだまだある。成長の花を咲かせようとする取り組みを阻む政策は決してやってはいけない。たとえそれが「主食用」ではないと判断したとしても。

熊野孝文

 

>米もいいけど国産大豆生産量をなんとかして欲しい。 減反と関税で米の価格保護に使う費用を少しでも大豆農家や連作障害解決に回せないだろうか? 東アジアで殺生が禁忌の仏教が存続出来た理由の一つにタンパク質豊富な大豆の原産地だったからという説を昔見たけど…思えば大豆は主食の米に負けないくらい日本食にもなくてはならない素材。 米に「納豆」かけて「豆腐」に「醤油」かけて旬の菜葉を「オカラ」で和えて「味噌」汁に「油揚げ」と海藻入れて、あとは焼き魚でも有れば一汁三菜(「」内全部大豆製品) 海外での日本食ブームにも代替肉需要にも適い、人間にとっても家畜にとってもスーパーフードの大豆は有事の際にも重要物資になると思うのだが、私の素人考えなだけで生産現場や政治の事情は厳しいのかなぁ…?

 私は大豆別に好きじゃないけど。