超加工食品の摂取、がん発症・死亡リスク増大と関係 英研究

(CNN) 冷凍食品や出来合いの食品など超加工食品の摂取量が多いほど、がんの発症や死亡リスクが増大するという調査結果が1月31日の医学誌に発表された。この調査は英国で約19万7000人を対象に実施。調査対象者の半数超は女性で、特に卵巣がんのリスクが高いことが分かった。 【映像】ワッパーがカビだらけに、保存料不使用をアピール 米バーガーキング 

 

超加工食品には、出来合いのスープやソース、冷凍ピザ、調理済み食品、ホットドッグ、ソーセージ、フライドポテト、ソーダ、市販のクッキー、ケーキ、キャンディー、ドーナツ、アイスクリームなどが含まれる。 

論文の第1筆者で英インペリアル・カレッジ・ロンドン公衆衛生校フェローのキアラ・チャング氏によると、そうした食品は工業由来の成分で製造され、色や香り、

食感を加えたり賞味期限を長引かせたりする目的で食品添加物が使われることが多い。 

「超加工成分や添加物に対する私たちの体の反応は、ほとんど加工されていない新鮮で栄養豊富な食品に対する反応とは異なる」(チャング氏) この研究にはかかわっていない英アストン医学校のデュアン・メラー氏によると、超加工食品の摂取量が多い人は、紅茶やコーヒーよりも炭酸飲料を多く飲み、野菜など健康な食生活に関連した食品の摂取量が少ない傾向がある。 このためがんのリスク増大は超加工食品のみの影響ではなく、健康的な食品の摂取量が少ないことの影響を反映している可能性があるとメラー氏は指摘する。 今回の研究では超加工食品の摂取と34種類のがんとの関係について、10年間にわたって調査した。 2006~10年にかけて住民を追跡調査したデータベースで19万7426人の食生活を調べた結果、超加工食品が食事に占める量は、少ない人で9.1%、多い人で41.4%だった。 インペリアル・カレッジ・ロンドンの発表によると、食事パターンと病歴を照らし合わせて調べた結果、超加工食品の摂取量が10%増えると、がんの発症が2%増えることが判明。特に卵巣がんと診断されるリスクは19%上昇した。 がんによる死者も増えることが分かった。超加工食品の摂取量が10%増えるごとに、がんによる死亡リスクは6%増大し、卵巣がんによる死亡リスクは30%増大していた。 喫煙や運動などの要因を考慮して調整した後も、こうした相関関係は変わらなかった。 研究チームによると、超加工食品の摂取量が最も多いのは若者で、家族ががんになったことがある人は少なかった。また、体を動かすことが少なく、肥満と分類される人が多いことも判明。世帯収入や学歴は低く、低所得者の多い地域の住民が多い傾向があった。 今回の調査で判明したのは超加工食品とがんとの関係のみで、因果関係は証明されていないと、論文筆頭筆者のエスター・バモス氏は説明する。それでも「健康のために超加工食品を減らすことの重要性は、他の証拠でも裏付けられている」と指摘した。

 

 

 

>日本はがん発症が他の先進国に比べ異常に高いらしいが、日本こそ、この手の研究を率先して行い、もっと、添加物の規制をすべき。政府レベルで動かないと、国民ひとりひとりが出来ることは限られている。とはいえ、アメリカ産の農薬だらけの小麦とか買わないといけないのが日本の現状だが。日本向けと国内消費用とでは使う薬が違うらしいしそんなものを子供の給食に使うのだから。それに、家庭で自然のよい食材を使って一から料理するとなると、時間とお金がかかる。少子化問題もそうだが、所得水準を上げて、一馬力で子育てやら家事に余裕が持てるように持っていかないと、夫婦で朝から晩まで働いて、料理も子育てもは無理だから、どうしても、調理済みの超加工食品に頼らざるを得ない。最近、米粉製造技術が上がってきてるというし、健康リスクの言われる小麦食から、米粉を利用した食生活への転換で、食物自給率を上げていくのがよいのではないだろうか。

>>今回の調査で判明したのは超加工食品とがんとの関係のみで、因果関係は証明されていないと、論文筆頭筆者のエスター・バモス氏は説明する。それでも「健康のために超加工食品を減らすことの重要性は他の証拠でも裏付けられている」と指摘した

 

 観察研究による相関関係なので、「因果関係は証明されていない」のは当然ですが、「健康のために超加工食品を減らすことの重要性は他の証拠でも裏付けられている」というのは、因果関係があることが前提で矛盾しています。大事なのは、因果関係が証明されていなくても相関関係が事実なら、超加工食品を食べている人はそれを減らすことより体調に気をつけることです。

 

>加工食品危険!ってコメントが多いけど、記事の最後に背景があるので引用しておいておくね 極端な摂取は考えものだけど、加工食品は社会の発展とともに、便利さや傷みやすい食品の利用価値を上げ、忙しいなか食事を作ることがストレスな人を大いに助けている背景もあるから、絶対悪とするのもいかがなものかと思うよ。 

 

>超加工食品の摂取量が最も多いのは若者で、家族ががんになったことがある人は少なかった。また、体を動かすことが少なく、肥満と分類される人が多いことも判明。世帯収入や学歴は低く、低所得者の多い地域の住民が多い傾向があった。

 

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目は健康のセンサー ~快適さと視覚情報~

 例えば、食事をするときに自分の手指に痛みがあったり、動きに不自由だったりすると食事を楽しむというところになかなか行き着きません。歩くときに足を、呼吸するときに肺を意識すれば、これもまた不調です。  

目も同じで涙や目やにが気になる、目が染みる、ぼやけるなどの自覚症状があれば生活は快適ではなくなります。目が担う視覚は外から入る情報の90%近くを占めていると言われるように、視覚情報は人間が生きていくのに欠かせない重大な機能です。

そこに微細な変化や異変が起こると、即座に日常生活に影響が出てしまいます。

まして一時的なものなら我慢できるでしょうが、症状が継続すれば心身ともに疲れます。目を意識しない状態こそ目が快適ということなのです。

 ◇外からの異物に敏感

 目や視覚は非常にデリケートな感覚センサーでもあります。  

皮膚に小さなちりが接触してもほとんど気付かないのに対し、目にちりが入るととたんに痛みが出るでしょう。角膜上皮のすぐ下には痛みを感じる神経である眼神経=三叉(さんさ)神経第一枝=の末端が多く分布しているからで、痛みは眼球に備わった一種の防御反応です。  眼球表面の角膜上皮の細胞自体は皮膚の上皮と酷似していますが、細胞分裂が活発で数日で新しい細胞に置き換わっています。  

がんの悪性細胞の増殖を抑える薬剤として世界中でがん治療に多用されているTS1という内服薬は、内服すると涙液中にも成分が出てきて細胞分裂を抑制してしまいます。この影響を受けやすいのが眼表面ですが、涙道(涙を排出する経路)の上皮への影響はさらに大きく、涙道閉塞(へいそく)の原因になったり、流涙症になったりします。涙のことと軽視するなかれ。これでは生活の質が大いに下がります。この薬を内服しているときは頻繁に人工涙液などを点眼して涙道を守らなければなりません。

 ◇注意すべき薬の副作用

表 網膜視神経に影響した主な薬物

 われわれ眼科医は特定の原因が見つからない眼球や視機能の変化を見たとき、他科で使用している治療薬の副作用を検討します。  

角膜や水晶体、網膜、視神経はいずれも種々の薬物の影響が出現しやすい部位です。特に、網膜と視神経は時に治りにくい副作用が出ることがあります。  

副腎ステロイド薬はあらゆる診療科で使用される薬です。それの目に対する副作用としては白内障と緑内障が有名です。この薬の全身投与を継続すると、網膜中心部に剥離を生じる「中心性網膜脈絡膜症」が発症する可能性があることを私たちのグループが40年近く前に発表しました。  

視神経障害で古くから知られている代表的な中毒性視神経症は抗結核薬のエタンブトールの副作用によるものです。非結核性抗酸菌症にも使用される薬ですが、使用してすぐにではなく、何カ月か経過してから急にぼやけが出てきます。早期発見して休薬すればかなり改善が期待できます。  

2022年に刊行された「改訂新版重篤副作用疾患別マニュアル」(JAPIC発行)から拾った、最近報告されている網膜視神経に影響した主な薬物(眼科用剤を除く)を表に列挙しておきます。

 

◇重要な脳の役割

 ところで、目だけがあっても「見える」ことにはなりません。脳で視覚情報を処理して初めて意味のあるものとして「見える」、つまり視覚が実現するのです。  

視覚を実現するには目の位置を対象物に合わせて注意を集中し、そこにピントを合わせるといった過程が必要です。これも眼球が勝手にしているのではなく、脳が緻密かつ合理的に働くことが必須です。  

普段はあまり意識しないかもしれませんが、物を見るためにはこのように脳がとても大きな役割を演じています。しかし、忘れてならないのは脳が医薬品や化学物質の影響を受けやすいという点です。  

精神科やメンタルクリニックで処方される薬物の添付文書(薬事法に定められている医薬品に添付しなければならない使用上必要な情報が書かれた文書)には、「霧視(目がかすむ)」「視力低下」「羞明(まぶしい)」「調節障害」「複視(物が二つに見える)」などの副作用がしばしば記載されています。それらの大半は眼球そのものではなく、脳の視覚情報処理機構の不調を表現しているものと考えられます。内服薬の使用後に、こうした目の症状が出ると「強い薬だ」と感じる人が多いという調査結果を見たことがありますが、なるほど、視覚は敏感なセンサーと言えましょう。

 ◇眼瞼けいれん、3分の1は副作用

図 薬物性眼瞼けいれんの原因または誘因と疑われた医薬品(上位のみ、筆者のグループでの調査より)

 脳の働きが目に表れている良い例はまぶたや瞳孔にあります。私たちの目がらんらんと輝いているときは交感神経が優位になっている状態で、まぶたは大きく開き、瞳も散大しています。眠くなってお休みモードになっているときは副交感神経が優位な状態で、まぶたは下がり、瞳も小さくなります。  

この連載で取り上げた「眼瞼(がんけん)けいれん」の約3分の1は、神経系に作用する薬物性であることが私たちのグループの研究で明らかになっています。中でも、睡眠導入薬や抗不安薬として多用されているベンゾジアゼピン系薬物や同様の作用を持つ薬の連用によって眼瞼けいれんが起こりやすくなります(図)。ただ、これらの薬を急にやめることもかえって症状を悪化させる可能性があるので注意しなければなりません。(了) 

 若倉雅登(わかくら・まさと)   1949年東京都生まれ。北里大学医学部卒業後、同大助教授などを経て2002年井上眼科院長、12年より井上眼科病院名誉院長。その間、日本神経眼科学会理事長などを歴任するとともに15年にNPO法人「目と心の健康相談室」を立ち上げ、神経眼科領域の相談などに対応する。著書は「心をラクにすると目の不調が消えていく」(草思社)など多数。

 

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【グーグル元社員が考案】「古代人式睡眠法」を試したらスゴかった!

配信

ダイヤモンド・オンライン

 

 仕事の緊張感がとれず、日中は眠くてたまらないのに、夜はぐっすり眠れない。一度眠っても、心配事があって夜中に目が覚めてしまう……。ビジネスパーソンを悩ませる「睡眠の質」問題、どうしたら解決できるのだろう。そこで参考になるのが、Googleで最速仕事術「スプリント(デザインスプリント)」を生み出し、世界の企業の働き方に革命を起こしてきた著者による『時間術大全――人生が本当に変わる「87の時間ワザ」』だ。本書はたちまちのうちに話題となり、世界的なベストセラーになっている。著者のジェイク・ナップはGoogleで、ジョン・ゼラツキーはYouTubeで、長年、人の目を「1分、1秒」でも多く引きつける仕組みを研究し続けてきた「依存のプロ」だ。そんな人間心理のメカニズムを知り尽くした2人だからこそ、本書では、きわめて再現性の高い時間術が提案されている。本稿では、本書より一部を抜粋・編集し、睡眠の質を高める「不眠改善策」を紹介する。(構成:川代紗生)

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● 「寝つき」がよくなる超簡単な方法  

「ぐっすり眠りたいのに、夜中に必ずトイレで目が覚める」 「夜は眠れないのに、昼はあくびが止まらない」 「ベッドに入って2時間くらい経たないと眠れない」  せわしなく働くビジネスパーソンとは切っても切り離せないのが、「睡眠問題」だ。筆者も長年、不眠には悩まされており、睡眠薬が手放せなかった。 

 

 夕食の時間を変える、起きたら太陽の光を浴びるようにする、寝る前に呼吸を整えるなど、巷で有名な「睡眠改善策」はほとんど試したが、目覚ましい効果が得られるものはなかなか見つからない。  ところが、最近知ったとても簡単な方法を試してみたところ、思いのほか効果があり、驚いた。  それが、「理想の就寝時間の数時間前にスマホやパソコン、テレビを『夜間モード』にする」という方法だ。

 ● 先史時代の「労働時間」は週30時間  これは、Google出身のジェイク・ナップとYouTube出身のジョン・ゼラツキーが、多忙な毎日を乗りこなすための戦略をまとめた『時間術大全』に書かれていた方法だ。  本書では、睡眠の質を上げるため、意図的に「『日没』をつくりだす」という戦略が紹介されている。  

そもそも、なぜビジネスパーソンは不眠に悩まされやすいのか。

それは、人間の本能に抗ったライフスタイルをおくっているからだ。

 

 本来、ホモ・サピエンスは狩猟採集生活を基本とし、日光が出ると狩りに出かけ、暗くなると洞窟に戻って眠るのがルーティンだった。  当然、日光が出ているときしか動かないので、「当時の人間の労働時間は週30時間ほど」というのが人類学者の推定だそうだ。 

 私たちは、そんな古代人の子孫だ。ところが、現代では、私たちの体の進化よりもずっと速く、ワークスタイルが進化し続けている。  日が暮れても私たちの周りは、ブルーライトを放つデバイスに溢れ、脳を刺激する情報が次々にやってくる。  テクノロジーや文化は目まぐるしく変わり続けているが、そのスピードに、私たちの心身はまだ、ついていけていないのだ。  

では、どうすれば「古代人」的な心身と「現代人」的な社会のギャップを埋められるのか。

 

● 「古代人」の睡眠環境を再現する  

そこで、本書で提案されているのが、古代人がぐっすりと眠っていた「洞窟」の環境を、現代で再現してみよう、という面白い考え方だ。  

そのうちの1つに、「光」をコントロールして脳を少しずつ休ませていく方法がある。具体的には、次の4つだ。

 1. 夕食時か、理想の就寝時間の数時間前に、家中の明かりを落とす。天井のまぶしい明かりを消して、ほの暗いテーブルライトやサイドランプをつける。夕食のテーブルにろうそくを灯せばボーナスポイントだ。 2. スマホやパソコン、テレビを「夜間モード」にする。青い画面が赤みや黄色みがかった色になり、明るい空を見つめるのではなく、キャンプファイアを囲んでいるような気分になれる。 3. 寝るときは部屋からデバイスを全部出す。 4. 日光や街灯の光が寝室に入ってくる場合、簡単なアイマスクで目を覆ってみよう。(P.279-280)

 

筆者もいくつか試してみたが、もっとも簡単で取り組みやすく、かつ効果が大きかったのは、「夜になったら切り替え可能な光は全部オレンジ(暖色系)にする」という戦略だった。  よくよく自分の生活を振り返ってみると、眠るギリギリまで、「昼光色」の明かりの下で生活をしていたのだ。「昼光色」とは、オフィスなどでよく使われる、青みがかった白の照明だ。  「昼光色は交感神経を刺激する効果があり、仕事に集中したいときにおすすめ」と知って、自宅の作業部屋に導入していたが、ずっとこの光の下で生活していると、逆に、夜になってもリラックスできないというデメリットがあったようだ。 

● 就寝4時間前から「Night Shift」を活用  デバイスのライト調整も、思いのほか差が大きかった。  たとえば、iPhoneには、「Night Shift」という機能がある。

 【「設定」→「画面表示と明るさ」→「Night Shift」をオン】で設定ができ、ディスプレイの色を暖色系に統一することができる。  「まぶしい」と感じることが減ったのはもちろん、ディスプレイがオレンジがかっていると、いつもより画面が見えづらいため、コンテンツの魅力が最大限伝わってこなくなった。  インスタグラムなどで写真を眺めたり、通販サイトを物色したりしても、オレンジがかっているおかげで、サングラスをかけながら見ているような気分になる。  色がいつもより鮮やかではない上、正確な色味がわからないので、中毒性が下がり、「明日でいいか」と切り替えられるようになった。  これはあくまでも一例だが、ちょっとした工夫の積み重ねで、「洞窟」環境の再現は可能なのだ。

 

 本書には、全部で87もの時間術が書かれている。本記事で紹介した戦略は、ほんの一部でしかない。  もちろん、87つすべてが自分に合うわけではなかったが、いまの自分にしっくりくるものも多数見つかった。不眠だけでなく、ライフスタイル全般を整えたい人に試してほしい1冊である。

書籍オンライン編集部

 

認知症は遺伝する?今すぐできる予防法「カキクケコ」を脳外科医が伝授!

今回WEBオリジナル企画「主治医の小部屋」に寄せられたのは、「認知症は予防できますか?」というご質問です。さっそく菅原道仁医師に教えていただきました!

よく噛み、よく笑うことから始めよう!耳が遠いなら補聴器を

Q:50代男性です。70代の父親が認知症になり、介護に苦労しています。しっかり者だっただけに若干ショックを受けました。自分もそうなって家族に苦労させないよう、今からでも予防できるものならしたいと思っています。すぐに実行できる予防法はありますか? 予防に効果的な食べ物、反対に気をつけたほうがいい食べ物もあれば知りたいです。ちなみに認知症は遺伝するものなのでしょうか? 

――まずは「認知症」とはどのような症状なのか教えてください。

 認知症とは、障害など多様な理由から一度獲得した認知機能が低下し、日常生活や社会生活に支障をきたす症状のことです。「血管性認知症」や「レビー小体型認知症」、「前頭側頭型認知症」などいろいろな種類がありますが、最も多いのが「アルツハイマー型認知症」。「アミロイドβ(ベータ)」などが脳に蓄積した結果、脳の神経細胞の働きが衰えてしまうといわれています。

 加齢による物忘れと混合されがちですが、認知症の場合、そもそも物忘れをしている自覚すらありません。老化ならヒントがあれば記憶をたどって思い出すことも可能ですが、認知症になるとそれもできません。当たり前だった日常生活が送れなくなったら認知症という診断になります。

――相談者さんのおっしゃるように今すぐできる予防方法はありますか?

 日本の調味料はよく「サシスセソ」の語呂合わせで覚えよといいますが、

私が推奨する予防法は「カキクケコ」の5つ。

 

「カ」は「噛む」の頭文字です。

噛む力が衰えると、記憶をつかさどる脳の海馬が萎縮するというデータがあります。 歯がなくなるなんて遠い未来の話と慢心せず、今のうちに歯の状態を把握し、問題があるならすぐに治療することをお勧めします。50代になると歯周病も増えますから、メンテナンスは怠らず、もし抜けてしまった場合はインプラントや入れ歯で対応を。

 

 「キ」は「聞く」。

難聴が認知症を進めるというデータがあります。目なら眼鏡をかけるなどして補正する方がほとんどですが、耳だと遠くなっても、まあいいかと、補聴器を使わずに済ますケースも多い。その結果、"ぼけ"につながる可能性があります。スマートフォンで音楽を大音量で聞く若い方も他人ごとだと思わず、適正な音量で楽しむことをお勧めします。 

「ク」は「口元」。

要するに、ニコニコと、よく笑うことを心がけてほしいですね。人はストレスを感じると、コルチゾールというホルモンを分泌します。コルチゾールは代謝活動などを活発化させて体をストレスから守ろうとする一方、海馬の萎縮を進めてしまうデータがあります。ですから、ちょっと物忘れをしてクヨクヨ悩むより、まあいいかと笑い飛ばしてしまうほうがいい。もちろんストレスの根本原因を解消できれば一番ですが、ただ笑うだけでも効果が期待できます。

 

人と話す、ゲームを楽しむなどして脳を活性化させよう!

――楽しくない気分の時も、笑顔をつくることが大事なんですね。 

そのとおりで、人は楽しいから笑うというより、口角が上がっていると楽しいと感じてくる。つらいなと感じたときも、失敗したときも、笑顔の大切さを思い出してください。 「ケ」は「血管」です。動脈硬化は脳梗塞(こうそく)の原因になります。血管をいたわるために食生活を見直し、運動を心がけ、お酒やたばこの量も見直してみることが大事ですね。

 最後の「コ」は交流のコです。なるべくたくさんの人と話し、家族や友人と出かけるなどして脳に刺激を与えましょう。直接の交流が減ったコロナ禍で、実際に認知力が落ちたという方も少なくありません。

 大事なのは脳と体を同時に使うこと。スポーツはもちろん、麻雀や囲碁、将棋など、テーブルゲームでも構いません。若い人たちの間で流行っているオンラインゲームなども、やり過ぎは問題ですが適度に遊ぶ分にはいいんじゃないでしょうか。

これら「カキクケコ」のメソッドを実行すれば、認知症を遠ざけることができるはずです。

 ――相談者は、認知症の遺伝を気にしています。

 遺伝しない場合が圧倒的に多いので、そこまで心配することはありません。

遺伝を気にするあまりストレスをためて笑顔がなくなっては、元も子もなくなってしまいますから。

 ――菅原先生、ありがとうございました!

【菅原道仁医師 プロフィール】 1970年埼玉県生まれ。杏林大学を卒業後、クモ膜下出血や脳梗塞といった緊急の脳疾患を専門とし、国立国際医療センター、北原脳神経外科病院にて数多くの救急医療現場を経験。外来診療は月に延べ1500人ほどを診察する時期もあったが、一人ひとり責任をもって診察をするために2015年、東京都の八王子市内で小規模ながら大病院並みの検査機器を揃えた菅原脳神経外科クリニックを開業。「病気になる前にとりくむべき医療がある」との信条で、新しい健康管理方法である予想医学を研究・実践している。元・日本健康教育振興協会会長。 

※この記事は菅原道仁医師の見解に基づいて作成したものです。

 ※「主治医が見つかる診療所」より

 

75歳前後で体力はガクッと落ちる 

がんや生活習慣病もピークに 自分の老化を数値で把握することが大事

【65歳・75歳・85歳 どうすれば年齢の壁を越えられるか】 2023年は、「団塊の世代」の約7割が75歳以上の後期高齢者になります。2年後には全員が75歳以上となり、日本の人口の約2割が後期高齢者になってしまいます。 

しかし、これは単なる統計数値であって、誰もが後期高齢者になれるわけではありません。老化には個人差がありますが、75歳となるとほぼ誰にでも老化が顕著に表れます。まさに75歳は大きな「壁」なのです。 

幸い私は昨年75歳を超えましたが、いわゆる「基礎疾患持ち」で、糖尿病、前立腺がん、狭心症を抱えて生きています。現在、男性の健康寿命は72・68年ですが、やはり、それを超えると老化の進行が速まります。 若いころは徹夜をしても、少しぐらい飲みすぎても翌日には回復していました。年齢を重ねるうちに無理が利かなくなります。病気はしなくとも、体力も気力も衰えます。これが老化です。私のように基礎疾患持ちにならなくとも、自分は健康だと思っていても老化は進みます。 

体力、いわゆる身体機能は緩やかではなく、段階的にガクッと落ちます。個人差はありますが、本当にガクッとくるときがあり、その節目が75歳前後と思っていいでしょう。 

老化現象の1つに骨折のしやすさがありますが、65~74歳で多いのは手首、つまり橈骨(とうこつ)や肩からひじまでの上腕骨、背骨の骨折です。75歳以上になると、太ももの付け根(大腿骨)の骨折が急増するというデータがあります。 

また、がんの年齢階級別罹患者数の統計を見ると、がん患者は年齢とともに増え、

75~79歳でピークを迎えています。糖尿病や高血圧などの生活習慣病も、同じような傾向を示しています。 2017年に日本老年学会・日本老年医学会は、高齢者の年齢の区切りを75歳以上とし、それ以下は准高齢者としました。

これは、統計的な年齢区分では適切な治療ができないからです。

老化の顕著な現れは、高血圧、糖尿病などの生活習慣病ですが、75歳以上になると、症状の表れ方も治療に対する反応も、それ以下の若い世代とは異なるのです。

 例えば、高血圧では、目標値を74歳以下よりも高く150/90mmHg未満としました。血圧は加齢とともに上がり、上を140としていたら75歳以上は高血圧患者ばかりになってしまいます。 つまり、75歳以上の後期高齢者はそれ未満の人とは違った見方で治療を行う必要があるのです。高血圧と行っても血圧が高いだけではなく、高齢者はなんらかの合併症を抱えています。よって、身体機能の全般を診て治療するというわけです。 これは、個人の健康管理でも同じです。若ければ、ある病気にかかればそれを治療すれば済みましたが、高齢者はそうはいかないからです。

つまり、どの年代でもそうですが、とくに75歳からは、「バランスのいい食事」「適度な運動」「十分な睡眠」「社会参加活動」の4つを総合的に行っていかねば、老化には勝てません。 さらに、75歳前後からは自分の老化を数値的に知ることが大事です。血圧や尿酸値などの基準値というのは、年齢で区分けされていません。そのため、血圧が低くなっているのに正常値と診断される可能性もあります。つまり老化の進行状況は、自分の過去の数値と照らし合わせて推量することが必要です。 たいていの医者は、たとえば血圧などで基準値を超えるとクスリを出そうとしますが、これをうのみにしてはいけません。高齢者の数値は若い人に適用される数値とは違うのです。その点を留意してご自身の数値を知ることです。

 

 ■富家孝(ふけ・たかし) 医師、ジャーナリスト。1947年大阪府生まれ。72年東京慈恵会医科大学卒業。病院経営、日本女子体育大学助教授、新日本プロレスリングドクターなど経験。『不要なクスリ 無用な手術』(講談社)ほか著書計67冊。

羽村のパン・デリバリー店「けんぱん」、高齢者のための焼きドーナツ開発へ

 パンのデリバリーサービスの運営などを行う「けんぱん」(羽村市、TEL 080-7314-4691)が高齢者のための焼きドーナツ開発プロジェクトを立ち上げた。クラウドファンディングで1月30日から、支援を呼びかけている。(西多摩経済新聞) 

 そしゃく嚥下(えんげ)機能の低下、筋力の低下、低栄養、骨粗しょう症などは高齢者の健康を守る上で課題になる。特別養護老人ホームの管理栄養士や介護士、地域のパン職人、ケーキ職人などが知恵を出し合い、「おいしい、高タンパク、そしゃくしやすい」焼きドーナツを開発し、製造を目指す。高齢者のフレイル予防につなげる願いも込めるという。  目標金額は80万円。集まった資金は、開発のための原材料、製造費用、成分検査費用、人件費などに充てる。支援金額に応じて焼きドーナツなどのリターンを用意した。3月10日まで。

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認知症予防の鍵「糖鎖」解明へ新プロジェクト 岐阜大など国内連携、がんや糖尿病治療視野

岐阜新聞Web

糖鎖研究の意義について説明する東海国立大学機構糖鎖生命コア研究所の門松健治所長=16日午前、文部科学省

 名古屋大と岐阜大を運営する東海国立大学機構と、自然科学研究機構、創価大は16日、生命科学や医療の進歩に不可欠な「糖鎖(とうさ)」の解明を連携して進める「ヒューマングライコームプロジェクト」を新年度から本格始動させると明らかにした。同日、文部科学省で開いた記者会見で発表した。世界をけん引する研究を目指しており、認知症の予防を当面の目標と位置づけている。  

糖鎖は細胞の表面を覆う糖が連なった分子で、細胞の接着や免疫機能に欠かせず、またその異常が病気に関係するとされており、ゲノムをつくる核酸の鎖やタンパク質を構成するアミノ酸の鎖と並ぶ「第3の生命鎖」といわれる。  

これまでは個別分野ごとの研究に限られていたものの、日本は糖鎖研究で世界をリードしている。さらに人間の全糖鎖を解析し世界の研究を先導しようと、文科省の「大規模学術フロンティア促進事業」としてプロジェクトを進めることにした。今後、糖鎖の全情報の解読や、詳細なデータベース(ナレッジベース)の構築を目指す。  岐阜大は長年糖鎖研究を続けており、糖鎖の化学合成に実績を残している。また敷地内に東海国立大学機構糖鎖生命コア研究所岐阜研究棟が整備された。岐阜大の研究者も困難な血液検査機器の開発を担う。  会見ではプロジェクト代表者の門松健治同研究所長が研究の意義を説明。安藤弘宗副所長は「まずは認知症の予防を目指す。症状が出る前に糖鎖に異常が発生すると考えられ、発見できれば予防につながる。糖鎖の研究はヒトゲノム計画以上の意義がある」と語った。将来的にはがんや糖尿病治療にも役立てるという。

岐阜新聞社