IDEA道場 -59ページ目

【開店編】⑴ 将来の目標を考える ②

前回のつづきです。


私の顧問先であるN氏が、お店を開店したいと相談に来られた時のことです。

 N氏「飲食店で働いた経験を活かして、ひとりで出来る小さな焼き鳥屋を開店したいのですが・・」

 門 「そうですか、Nさんの料理の腕があればきっといい店ができますね。
    それで、お店を開店してNさんは将来的にどうしたいと考えていますか?
    あるいは、自分はどうなりたいですか?」    

 N氏 「えっと・・、昔から、いずれは“自分の店”を持ちたいと思っていたので、
     とりあえず店を始めてから、将来のことはやりながら考えようかと・・・」

 門 「なるほど。では、一般的な例を挙げてちょっと試算してみましょうか。
      
     仕入れ、料理、接客、会計、清掃・・・を全て一人で行うとして、
     10坪程度のお店で現実的な数字を当てはめ想定してみると・・
     
     客席:カウンター10席
     来客数:一日平均15人
     客単価:2,000円
     営業日数:25日/月とすると、
     月間売上は、約750,000円、
     
     そのうち使える人件費を売上の30%とした場合、
     Nさんの給料は、約225,000円程となります。
     
     この給料でずっとお店をやめるまで続けていけますか?」

 N氏 「ずっと・・・ですか、ちょっとムリかな。」


一人でお店を切り盛りするのは、気軽にはじめられる印象があり、全て自分の自由にできる等の魅力も大きく、希望される方も多いのですが、
しかし、「自分が怪我や病気でお店を休まざるを得ない状態になれば経営が不安定になる」
「新たな展開をしたくても、日々の営業に追われ時間的・体力的・資金的余裕が作れない」等、
リスクや負担も大きいのです。

そこで、将来的な展開を視野に入れ、
スタッフを雇う事にして、業態を、例えば「“立ち飲み”焼き鳥屋」にしたらどうだろう。

客単価はほぼ変わらず、席数に縛られず回転率もアップすることで客数が増え、
仮に売上が倍になれば(立ち飲みは着座の平均的滞留時間の約半分程)、
使える人件費は450,000円となり、スタッフを雇用することも可能です。

スタッフがいることでリスクが軽減され経営が安定し繁盛すれば、
いずれ、将来的に多店舗化も可能になるかもしれません。

このように、あらゆる想定をし、具体的な数字をあげて試算・検証することで、
限界値やリスクを発見し、自分が最も希望する将来像(ビジョン)を具体的に描いてみる事が重要です。

そう、ゴールは“自分の店を持つ”ことの先にあるのです。

はじめにビジョンをしっかりと描く事で、このあとの、
業種業態や立地の選定、内外装や厨房機器の選び方まで大きく変わってきます。
また、このビジョンが、この先のあなたのモチベーションを支える指針となるでしょう。

“お店を持つ”=「経営者になる」として将来性を考えるのならば、

明確なビジョン=『スタッフが雇用でき、将来、多店舗化ができるお店(=会社)であり、それを可能とする業種業態の設定を行うこと』

を、意識しましょう。


次回は、「【開店編】⑵ 出店に必要な費用を試算する」です


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【開店編】⑴ 将来の目標を考える ①

では『Idea道場』

これから飲食店を始めたい方へ
お店【開店編】スタートです!

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【開店編】(1)将来の目標を考える
        ~お店を始める前にビジョン(=将来の目標)が肝心。


「飲食店を始めたい!」・・・では、現実的に何から始めればよいか?

飲食店出店に向けた準備として、必要な事項を大きく4つ挙げました。

 ⑴ 将来の目標を考える
 ⑵ 出店に必要な費用を試算する
 ⑶ 資金調達方法を検討する
 ⑷ 業種業態の決定と物件探し

これから、順番にそれぞれの項目について解説していきます。
まず、最初は・・・

⑴ 将来の目標を考える 

飲食店を始めたい方の中には、「料理が得意だから」「お酒が好きだから」、
「飲食店はおもしろそうだから」「カンタンそうだから」
やってみたいという人がいます。

もちろん動機としては良いのですが、お店の経営をビジネスとして捉え、
しっかりとしたビジョン(=将来の目標)を設定して開店しないと
大失敗をしてしまうケースが大半であることを知っておいて欲しい。

飲食店を始めたい方々のご相談の多くは、大別すると2つに分かれます。

一つは、“お店をやりたい”というご相談、
もう一つは、“飲食店を経営したい”というご相談。

どちらも「飲食店を始めたい」という気持は共通しているものの、
ビジョン(将来の目標)が大きく違います。


次回につづきます

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門浩司が思う「コンサルタント」

顧問先であるお客様に
「それだけ成功するノウハウをもっているのだから、なぜ自分でお店をやらないの?」
と、聞かれることがよくあります。

私が飲食店で店長として働いていた若かりし頃、
今、その場で起きていることに対処するのが精一杯で、一日懸命に働いたあとは、カラダはクタクタ。
仕事の中で疑問がわいても、もっと良い方法があるのでは?と漠然と感じていても、
勉強をする時間など無く、お店や自分自身の将来的なビジョンなども、描く余裕がぜんぜん無かった。
 
そんなある日、会社で経営コンサルタントによる研修を受け、
初めて「人時売上」「接客指数」などの数値分析によって人件費をコントロールできることや、
商品分析による商品販売戦略の立て方、月間棚卸しと標準原価による原価管理などの
数値・分析・管理・戦略・戦術などを学び、飲食店経営の奥深さを実感して目からウロコが落ちた。

「現場に追われていては気づけないことがたくさんある。
 客観的に自分の店を分析してくれる経営のプロが、飲食店には必要だ。」

そして、『自分も飲食店をサポートして成功させる人になりたい!』

と、強く感じ、
そのコンサルタントがお店を導く姿と、自分の将来のビジョンが重なったのです。


自分は、コンサルタントの仕事とは

「多くの経験・体験から得たノウハウ・知識・情報・ネットワークを駆使して、
 お店を成功へ導き、お店で働く人達と一緒に夢を実現すること。」

だと思っています。

成功への扉は、夢を抱くヒトの心の奥に必ずある。

でも、日々の忙しさや不安・迷いの中で、そこまでの道が見えなくなってしまう。
コンサルタントは、様々な角度からその道を見つけ出し、扉のある場所まで一緒に歩いて
その人が、夢のへの扉を開けるのを見守るのが仕事。

扉を開けたクライアントと伴に味わう大きな達成感は、必ず自分を成長させてくれます。


お店とともに歩み、成長し、一緒に幸せになる。
それが、私の思う「コンサルタント」です。


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