私にとって、娘SKとのPRESCHOOLからの帰り道はかけがえのないものである。約10分から長いときでは45分、2人でゆっくりと歩く。


他に誰もいないから、じっくりといろいろなことを日本語だけで話す良い機会となる。


秋にはどんぐりを拾ったり、木々が色づいているのを楽しんだ。わざと遠回りをして、公園内を通ってだけで帰れる道を選んで、2人で歩いた。SKは去年の秋はまだ小さかったから、抱っことかをせがんだが、何とか色づいた葉を追いかけながら家まで歩くことが出来た。


冬には寒いけれど、寒い、寒いといいながら、雪の話や風の話をする。

そして押し競饅頭をしたり、ぎゅっと抱きしめたり、雪の結晶を見たり。


春の初めには、チューリップの球根が植えてある花壇の前で、ここにはチューリップが植えてあるのよと教え、毎日、毎日植わっている球根に挨拶をする。

そして、チューリップの芽が出た日のSKの感動。花が咲いたときには本当にすごい喜びようだった。


SKがPRESCHOOLに行き始めて2回目の夏。

そして今年もまた夏も後半に近づいている。ほたる、そして、ミ-ンミ-ンというあのせみの声だ。SKは「せみさん!」と大喜び。今は「7歳までは土の中でいっしょうけんめいにいて、その後、外で木の上に住むのよ。でもすぐ死んじゃうの。」と言う。そう自分で言っておきながら、「すぐっていつ?」と訊いて来る。私が、「2-3週間くらい」と答えると、「かわいそうね。」と言って、「寂しいわね。」と言う。一体どれくらいわかっているんだろう?


でもSKが自然に触れ、どんどんいろいろなことに興味を持って、彼女の世界を広げていっているのを私は感じ、本当に彼女との帰り道は嬉しいものがある。


雨の降る日は日本のおばあちゃまから頂いたかわいい傘とレインコート、それに長靴をうれしそうに履いて、一生懸命に歩く。風が強くなるので、私はSKが飛ばされないようにするだけだ。


信号の話し、教会の話。学校の話。うちの話。いろんな話を2人でする。

SKと私の素敵な時間。

SKの成長がどんどん手にとるようにわかる。

幸せな時間だな。