前置き | 秘密の35年☆赤い糸の行方

秘密の35年☆赤い糸の行方

何度別れても、切れることのなかったふたりの糸。二股だったときも、彼が「あの人」と結婚してしまったときも、わたしが海外で暮らし始めたときも。音信不通6年、14年ぶりの再会から、再び動き始めた恋。国境を越えた超遠距離・婚外恋愛。

<「大切な話」の続きです。>

「オタちゃんなんてこの間、
会ったばかりだったのに
死んじゃったんだもんな。

あれって何年前?」

唐突に河原さんに聞かれる。

オタちゃんはわたしたちの
共通の友人である。

河原さんとわたしを
つなぐ役目をしてくれたオタちゃん。

オタちゃんがいなかったら
元カノと結婚してしまった河原さんと
逢うことはなかっただろう。

「最後に会ったのは三年前だよ」

間違いない。

オタちゃんと最後に逢った日は、
河原さんとわたしが
14年ぶりに再会した日でも
あるのだから。

「あのときはもう病気になって
いたのかなあ」

河原さんはぽつりと言った。



それから話は、癌、うつ病、
自殺へと移っていった。

河原さんの周りには
彼の上司、部下を含めて
うつ病にかかってしまったひとが
何人もいる。

「ひとの気持ちってさ、
考え方とか心の持ちようによって
どうにでもなる。

とてつもない大きな悩みでも、
本人にとっては大変なことでも
他人から見たらたいしたことじゃ
ないかもしれない。

少なくとも死ぬほどのことでは
ないんじゃないかな。

多分、人の悩みの8割ぐらいは
そういうことだと思う」



彼の話を聞いていたときは
わからなかったけど、
こうやって書いていると、
これは彼が彼自身に
言い聞かせていたことなのだろう。

それを象徴するかように、
このあと彼は自分自身のことについて
語り始めた。

(続く)

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