なんとなく気が向いたので、タイのNCCC(National Anti-Corruption Commission、タイ王国国家汚職防止委員会)のコミッショナーMedhi Krongkaew氏の講演会にいってきました。

いちいちこういうセミナーの内容を最近書かなくなってきちゃったのですが、今回はせっかくなので。。。ピカチュウ音譜


↓このリンク
http://www.nccc.thaigov.net/nccc/en/main_eng.php

ひじょーーーーに、スペシフィック(タイかつ汚職)ということで、参加者が少ないだろうなぁとおもっていったら、本当に少なかったです。。。。汗

タイ政府から派遣されているとおぼしきかたの参加が印象的でした。(一番前のほうに座っていたのはおそらくタイ領事館の領事と思われ)

タイってタクシン首相のケースが一番有名ですが、非常に汚職が多いということで有名です。
 ※ちなみにタイで訴追される企業のトップ1,2はアメリカとドイツだそう。

もちろん国内の公務員やプロジェクトを受注したい国内の企業関係者などが訴追されることも多いですが、海外の企業関係者も訴追されることが多いです。(日本でもゼネコンの中堅(某与党幹事長の献金問題で有名なところ)が2年ほど前にバンコク都庁の工事に関して話題になったことも記憶に新しいかと。)

汚職の訴追だけで独立の国家機関があるというのは日本だとやや違和感(日本は検察でやってますね。あとは独禁法がらみで公取とかかな?)を感じてしまいますが、東南アジアのようにやはり汚職で訴追対象になる人たちが政治的に強力な力をもっていると、それに対抗する中立性を維持しなくてはならないことから、どうしても必要になります。


さすがにNCCCで扱う仕事の多くは、警察官が駐車違反を見逃す代わりに賄賂を要求するといった微細なものではなくて、巨額で高官が絡んでいるような案件や、外国の多国籍企業が絡んでいる(例えば賄賂で得た収益をマネーロンダリングしてアメリカにキックバックしていたとか)ような国際案件だそう。

法律を守ってもらうのも大事ですけれど、あまり厳しくしすぎて、投資元の企業を萎縮させてはいけないし、人員にも限界があるので、「Unusual Wealth」が操作きっかけの一つだそうです。

なんとなくで参加しましたが、あまり知らない案件だったので面白かったです。


一番気分が重くなったと言うか、ずしんときたのが下記です(・`ω´・)

タイやインドネシアは、民主主義だから汚職が起きる。
当局もがんばっているものの、人民全体の倫理観の形成には時間がかかる。

政治的プレッシャーに対して中立ではあるが、選挙を経た政治家を汚職の疑惑で引き摺り下ろすことの是非はどうか、という議論には理解する。

シンガポールや香港はイギリス時代の倫理観及び非民主的体制への社会のなれによって、汚職はおきにくい。中国は、汚職で死刑になるくらいの厳罰で対応している。

ではタイもそういう体制にしたいか?というとそれはNoであると思う。


汚職というと、「取り締まれば?」と短絡的に考えがちですが、そうではないタイの現実がずしんときました

(おまけ目
せっかくのNY出張と言うことでCommissioner+ご子息はお孫さんを連れてきていたようで、途中でおじいちゃんの邪魔をしちゃってました。さすが、ほほえみの国です。