呪詛 | ☆テツコの部屋☆~映画評論館~

呪詛

86点
劇場公開ではなくNetflixで配信された作品。実話を基にした、台湾史上最も恐ろしいホラー映画という触れ込み。
母親が娘を呪いから助けようとする展開。ベースは『エクソシスト』だが他にも『ポルターガイスト』『リング』『ミッドサマー』あたりに影響を受けている印象。
とりあえず全編、気持ち悪い描写が多い。残虐なグロというよりは、虫とかブツブツとかのゾワゾワ系なので、そういうのが苦手な人は注意。
ストーリーはオーソドックスだがほどよく凝っているので、単調にはなっていない。ただ過去の名作ホラーを彷彿させる場面も多々あり、そこをパクりと思ってしまうとホラー見慣れている人は白けてしまうかもしれない。
しかし全編、視覚的に攻めたと思わせておいて、ラストで突きつける衝撃の事実はなかなか驚いた。内容やスタイルは全く違うが、例えば『リング』のラストでテレビから貞子がゆっくり出てくるような、あの嫌~な気分をもう1度味わったようなそんなエンディング。
台湾映画なので泥臭い部分も多々あるけれど、東アジア特有の背景が妙に恐ろしい映像にマッチしている。登場人物や言語など、日本人とは似て微妙に異なるその雰囲気は、洗練された洋画より不気味さが上かもしれない。

これはなかなか掘り出し物です。

監督:ケヴィン・コー
出演:ツァイ・ガンユエン、ホアン・シンティン、ガオ・インシュアン
2022年  111分
英題:INCANTATION