リトル・マーメイド(2023) | ☆テツコの部屋☆~映画評論館~

リトル・マーメイド(2023)

61点

先週は『怪物』で多様性についてここで書いたけど、実は似たようなテーマがこの『リトル・マーメイド』でも世界的に議論になっている。

『リトル・マーメイド』は人魚姫をモチーフに、1989年に公開されたディズニーアニメ。その後OVAで続編が作られたり、TVシリーズや舞台化されたりもした人気作品だが、今回2023年に実写映画化。
ヒロインの人魚姫・アリエルが、海で溺れたエリック王子を助ける。その後人間界に行き3日以内にキスできればエリックと結ばれる、みたいなベタな流れ。
魔女に喋れなくなる魔法をかけられたアリエル。王子はアリエルの美しい歌声だけを記憶しているため、声が出ないアリエルはいかにエリックの心をつかむのか。ストーリーはなるほど王道で面白い。

ただしこの有名なラブストーリーに、なぜアフリカ系黒人女性をアリエル役に選んだのかが議論されているわけ。


主演ハリー・ベイリーは11歳のとき姉と共に歌った動画をYouTubeに投稿。それがビヨンセの目にとまったとかで、とんとん拍子でデビュー。その後グラミー賞にノミネートされ彗星のごとくディズニー映画に抜擢。そこはまさにシンデレラガール。
まぁただこの映画を見る限り、「歌は上手いがなぜこの子がヒロインやってるのか疑問」という意見はよくわかる。黒人である以前に顔が露骨に魚顔で、主演張るならもっと美人を抜擢しろよと言いたくなるのは正直な意見だろう。一般人のSNSでは辛辣な意見も飛び交っているが、評論家がその辺を公で正直に言えないのもまぁ仕方ない。

前回のブログで「昨今は常に誰かの顔色を伺いながら映画作ってる」とここで書いたけれど、本作もまさにそれだと思う。
そしてこのハリー・ベイリーが主役に選ばれたのは、黒人で歌が上手いという以外に、何か強力なコネを持ってるんだろうなというのは想像に難くない。

ポリコレの嵐が吹きまくってる2020年代の映画界。けど多様性を盾にして正直なキャスティングが封じられてるような気がしてならない。

やっぱり映画って基本的に、誰が見ても美男美女みたいな人が主演やるべきだと思うのよ。

今回は感想を一切書かない感想になってしまいました(笑)

監督:ロブ・マーシャル
出演:ハリー・ベイリー、メリッサ・マッカーシー、ジョナ・ハウアー=キング、ハビエル・バルデム
2023年  135分
原題:The Little Mermaid