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<引用ここから>

塩分摂取と認知症リスク~メンデルランダム化研究

 観察研究では、食事による塩分摂取と認知症の発症リスクに潜在的な関連性があることが示唆されている。

しかし、これらの研究では、逆因果関係や残留交絡因子の課題が発生しやすいことに注意を払う必要がある。

中国・山西医科大学のKe Shi氏らは、塩分摂取と認知症リスクとの因果関係を調査するため、2サンプルメンデルランダム化(MR)研究を実施した。Genes & Nutrition誌2024年3月15日号の報告。

 食事による塩分摂取と認知症リスクとの因果関係を調査するため、MR研究にサマリー統計を組み込んだ。塩分摂取と全体的な認知症、アルツハイマー病、血管性認知症、レビー小体型認知症など、さまざまなタイプの認知症リスクとの因果関係を推定した。主要なMR分析として、逆分散加重法を用いた。感度分析には、MR-PRESSO法、Leave-one-out法を採用した。多面性および異質性の検証には、MR-Egger intercept、コクランQ検定をそれぞれ用いた。

 主な結果は以下のとおり。

・欧州人を祖先に持つ人では、遺伝的に予測されたより高い塩分摂取量と全体的な認知症リスク増加についての関連性が示唆された(オッズ比:1.542、95%信頼区間:1.095~2.169、p=0.013)
・食事による塩分摂取量と全体的な認知症リスクとの因果関係は、統計手法の選択に関してロバストであり、広範の感度分析を通じて検証された。
・明らかな不均一性や多面発現性は認められなかった。
・食事による塩分摂取が、各認知症サブタイプのリスクに及ぼす因果関係を検出することはできなかった。

 著者らは、「食事による塩分摂取量と認知症発症との有意な関連性が示唆された。この発見は、認知症予防に対する減塩の重要性を支持するものである」としている。

原著論文はこちら

Shi K, et al. Genes Nutr. 2024;19:6.

<引用ここまで>

 

以前から食塩摂取量と認知症の関連は示唆されていたようです。

では、なぜでしょう?因果関係はないのでしょうか?

たぶん食塩摂取量が多いと、高血圧まで至らないヒトがいるとしても

血圧の上昇があり、微小脳梗塞が増えるのではないかと思われます。

それ以外に、タウタンパク質とかアミロイドとか嗜銀細胞とかαシヌクレインとかと

食塩の関連性は聞いたことが無いんですよね。

 

ま、食塩摂取は少ないにこしたことはないということです。

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<引用ここから>


SGLT-2阻害薬は2型糖尿病患者における腎結石のリスクを低下させる
SGLT-2 Inhibitors Lower Risk for Kidney Stones in Patients with Type 2 Diabetes

Paul S. Mueller, MD, MPH, FACP, reviewing Paik JM et al. JAMA Intern Med 2024 Jan 29


この薬物クラスは他の糖尿病薬と比較して、リスクがより低いことと関連した。

2型糖尿病は腎結石の過剰リスクを伴う。
ナトリウムグルコース共輸送体2(sodium?glucose cotransporter-2:SGLT-2)阻害薬は尿量を増加させ、尿組成を変化させることで腎結石のリスクを低下させるかもしれない。米国で行われたこの研究で研究者らは、腎結石のリスクについて、2型糖尿病を有しSGLT-2阻害薬の新規使用者である成人600,000人を、傾向スコア(propensity score)でマッチさせたglucagon-like peptide-1(GLP-1)受容体作動薬およびdipeptidyl peptidase-4(DPP-4)阻害薬を開始した患者600,000人と比較した。GLP-1受容体作動薬とDPP-4阻害薬にはSGLT-2阻害薬と同様の腎臓への作用はない。

中央値で6ヵ月の追跡期間中、腎結石のリスクは、SGLT-2阻害薬の使用を開始した患者のほうがGLP-1受容体作動薬(1,000人年あたり15件 対 22件)またはDPP-4阻害薬(1,000人年あたり15件 対 20件)の使用を開始した患者よりも有意に低かった。効果はより若年の患者(年齢70歳未満)でより大きかった。
コメント

この研究は、SGLT-2阻害薬を開始することが、GLP-1受容体作動薬またはDPP-4阻害薬と比較して、短期的にはより低い腎結石のリスクを伴うことを示唆している。この効果が長期的に持続するかどうかは不明である。SGLT-2阻害薬(別の糖尿病薬に対して)を開始するかの決定がそれ以外の点で五分五分である患者に対しては、腎結石の再発という病歴がSGLT-2阻害薬のほうに天秤を傾けるかもしれない。

 

CITATION(S)

Paik JM et al. Sodium-glucose cotransporter 2 inhibitors and nephrolithiasis risk in patients with type 2 diabetes. JAMA Intern Med 2024 Jan 29; [e-pub]. (https://doi.org/10.1001/jamainternmed.2023.7660)

<引用ここまで>

 

うーん、尿量と尿組成ねぇ。

高インスリン血症が大事じゃないのかなぁ?

SMCT1とかがからんでいるように思います。

 

かくちゃん理論では

腎機能低下は

食塩とインスリンから引き起こされると推測しています。

そして食塩の害を軽減してくれるのが

カリウムだと考えています。

 

以下引用

<引用ここから>
甘味飲料→果汁100%で、CKDリスク7%減

 韓国・Yonsei University College of MedicineのGa Y. Heo氏らは、砂糖または人工甘味料が入った飲料や果汁100%ジュースの摂取と慢性腎臓病(CKD)との関連を検討するため、英国の成人12万7,830例を対象に前向きコホート研究を実施。その結果、砂糖または人工甘味料入り飲料の摂取はCKDの発症リスクを上昇させた一方で、果汁100%ジュースへの置き換えでCKD発症リスクが7%有意に低減したとJAMA Netw Open(2024; 7: e2356885)に報告した。

 

CKD既往歴のない40~69歳の12万人を追跡

 CKD患者は全世界で8億人以上に上り、世界的に問題となっている。CKDを予防するための生活習慣改善として、世界保健機関(WHO)は糖摂取量を総エネルギー摂取量の5~10%未満に抑えることを推奨している。しかし、砂糖の代替として使用される人工甘味料は2型糖尿病や心血管疾患との関連が、果汁100%ジュースでもメタボリックシンドロームや2型糖尿病との関連が報告されている。一方、CKDとの関連は明らかでない。

 Heo氏らは今回、砂糖や人工甘味料入り飲料、果汁100%ジュースの摂取とCKDとの関連、砂糖や人工甘味料入りの飲料を果汁100%ジュースに置き換えた場合のCKDへの影響を検討するため前向きコホート研究を実施した。

 対象は、英国で2006?10年に実施された前向きコホート研究UKバイオバンクの参加者で、食事に関するアンケートに1回以上回答した40~69歳の英国成人12万7,830例(平均年齢55.2±8.0歳、女性51.8%)。除外基準はベースライン時における推算糸球体濾過量(eGFR)または尿中アルブミン/クレアチニン比のデータ欠損、eGFRが60mL/分/1.73m2未満、尿中アルブミン/クレアチニン比が30mg/g以上、CKDまたは腎不全の既往歴あり―などとした。

 前日に砂糖入り飲料、人工甘味料入り飲料、果汁100%ジュースを1杯250mL換算で何杯飲んだかを質問し、1日の摂取量を評価。摂取量で0杯、0?1杯、1杯超の3群に分類した。

 追跡期間は、最後の食事アンケートの実施日から、イングランドでは2022年10月31日まで、スコットランドでは2021年7月31日まで、ウェールズでは2018年2月28日までとした。2023年5月1日?8月1日のデータを解析した。

 主要評価項目はCKDの発症とした。多変量Cox比例ハザードモデルを用いて3種類の飲料(砂糖入り飲料、人工甘味料入り飲料、果汁100%ジュース)とCKD発症との関連を推定した。飲料を別の種類に置き換えた場合の影響の検討には代替分析を用いた。

 

 

人工甘味料からの置換でも10%リスク減

 中央値10.5年(四分位範囲10.4?11.2年)の追跡期間中に、12万7,830例中4,459例(3.5%)がCKDを発症した。
 砂糖入り飲料の摂取量0杯群と比べ、1杯超群ではCKDの発症リスクが19%有意に高かった〔調整後ハザード比(aHR)1.19、95%CI 1.05?1.34〕。
 人工甘味料入り飲料の摂取量0杯群と比べ、0~1杯群ではCKDの発症リスクが10%有意に高く(aHR 1.10、95%CI 1.01?1.20)、1杯超群では26%有意に高かった(同1.26、1.12?1.43)。

 一方、果汁100%ジュースでは、0杯群と比べ1杯超群でCKD発症リスクの上昇は認められなかった(HR 0.99、95%CI 0.87?1.11、傾向性のP=0.10)。

 1日1杯の砂糖入り飲料を人工甘味料入り飲料に置き換えても、CKD発症リスクに有意差は認められなかった(HR 1.03、95%CI 0.96?1.10、P=0.36)。しかし、1日1杯の砂糖入り飲料を果汁100%ジュース(同0.93、0.87?0.97、P=0.04)または水(同0.93、0.88?0.99、P=0.03)に置き換えると、CKD発症リスクが有意に低下。1日1杯の人工甘味料入り飲料を果汁100%ジュース(同0.90、0.84?0.96、P=0.003)または水(同0.91、0.86?0.96、P=0.001)に置き換えた場合も同様に、CKD発症リスクは有意に低下した。

 以上から、Heo氏らは「砂糖や人工甘味料入り飲料を果汁100%ジュースに置き換えることでCKDの発症リスクが低減する」と結論。その理由として、「果汁100%ジュースはビタミンCやカリウムなどの栄養素を豊富に含み、血圧低下や抗炎症作用を有するためと考えられる。一方で、人工甘味料入り飲料は腸内細菌叢を変化させ、脂肪蓄積や体重増加を促進することでCKDのリスクを上昇させる可能性がある」と説明している。

 

<引用ここまで>

無塩高カリウムの飲料は

かくちゃん理論では、推奨食材です。

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<引用ここから>

適度な低炭水化物食が1型糖尿病患者の治療の助けに

クロスオーバー試験で平均血糖値に有意差

 適度な低炭水化物食が1型糖尿病患者の血糖管理を容易にする可能性を示す研究結果が、「The Lancet Regional Health - Europe」に12月19日掲載された。論文の筆頭著者であるヨーテボリ大学(スウェーデン)のSofia Sterner Isaksson氏は、「この研究の結果は、適度な低炭水化物食によって平均血糖値が低下し、血糖値が目標範囲内に収まる時間が延長することを示している。この変化は1型糖尿病患者の臓器障害のリスク軽減につながるのではないか」と述べている。

 炭水化物を消化吸収することで生じる血糖は、膵臓のβ細胞で分泌されるインスリンの働きで全身の細胞に取り込まれ、エネルギー源として利用される。1型糖尿病はβ細胞が破壊されて発症するタイプの糖尿病で、発症後には生存のためにインスリン療法が必須となり、その血糖管理は2型糖尿病に比べて一般に困難であり、高血糖や低血糖が起こりやすい。血糖管理が不十分な状態が年余にわたると深刻な臓器障害につながる。

 1型糖尿病の治療として、古くは厳格な炭水化物摂取制限が行われていた時代もあった。しかし現在は糖尿病でない人に対して推奨されるような健康的な食事が、1型糖尿病の食事療法としても推奨されることが多く、1型糖尿病の血糖管理目的で低炭水化物食を行った場合の影響を調べた研究は少ない。以上を背景にIsaksson氏らは、極端ではなく適度な低炭水化物食が、1型糖尿病患者の血糖管理状態を改善し得るかを検討した。

 この研究には、HbA1c7.5%以上の成人1型糖尿病患者54人が参加し、12週間にわたる多施設共同無作為化非盲検クロスオーバー試験として実施された。通常の食事(炭水化物の摂取エネルギー比が50%)または適度な低炭水化物食(同30%)を4週間継続し、4週間のウォッシュアウト期間を置いて、食事条件の割付けを切り替えた上で4週間継続した。主要評価項目は、連続血糖測定で把握された各試行条件の最後の14日間の平均血糖値の差とした。

 データ欠落などのない50人が解析対象となった。解析対象者のベースラインデータは、平均年齢48歳で、女性50%、HbA1c8.4%、BMI29など。

 解析の結果、平均血糖値の差は10.8mg/dL(95%信頼区間5.4~16.2)であり、低炭水化物食条件の方が有意に低値だった(P<0.001)。また、血糖値が管理目標(70~180mg/dL)の範囲内にあった時間の割合は、低炭水化物食条件の方が4.7%(同1.3~8.0/1日当たり68分)有意に大きかった(P=0.008)。また、高血糖(180mg/dL以上)の時間の割合は低炭水化物食条件の方が5.9%(2.2~9.6/1日当たり85分)有意に少なかった(P=0.003)。

 低血糖の時間の割合や、血糖値の標準偏差には有意差がなかった。また、重症低血糖やケトアシドーシスなどの重篤な有害事象は観察されなかった。

 Isaksson氏は大学発のリリースの中で、「適度な低炭水化物食は、成人1型糖尿病患者にとって良い治療選択肢となり得る。ただし、脂質と炭水化物の質に留意し、食事全体が健康的であること、そして炭水化物の摂取量が少なくなりすぎないことが重要」と解説している

<引用ここまで>

まぁ、当然ですよね。

最も早く、しかもほぼ100%がブドウ糖に変換されるのが炭水化物ですから。

タンパク質は、より時間がかかって、しかも変換されるのが約50%といわれています。

脂質は、さらに時間がかかって、しかも変換されるのが約10%とされています。

炭水化物を減らすのが、簡単で効率的なのは、わかっていますが、

実際に実験して、データ・証拠を残すことは大事ですよね。

本日ご紹介の論文はコチラ↓↓↓

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0002916523661192?via%3Dihub

 

でもって

日本語での記事のご紹介はコチラ↓↓↓

 

 

かくちゃん理論では

赤身肉(獣肉、牛肉・豚肉・羊肉など)は控えめをオススメしています。

発癌がんリスクが高くなるからです。

 

糖尿病については、赤身肉は炭水化物に比べ、血糖上昇がゆるやかなので

まぁありかなと思ってました。

しかし、赤身肉のタンパク質によるIGF-1分泌・インスリン分泌は

決して健康に良くないようですね。

 

まぁ糖質制限信者がどうこれを解釈するのか

ウォッチしたいと思います。

 

かくちゃん理論では

ベストなタンパク源は

魚介類で

次いで家禽類(鶏肉など)です。

1型糖尿病は自己免疫疾患であるとの仮説があります。

なので免疫抑制剤であるJAK阻害薬を使ってみた、という論文です。

 

<引用ここから>

新規発症 1 型糖尿病患者におけるバリシチニブとβ細胞機能
Baricitinib and β-Cell Function in Patients with New-Onset Type 1 Diabetes

M. Waibel and Others

 

 

背 景
バリシチニブをはじめとするヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬は,
サイトカインシグナル伝達を阻害する薬剤であり,いくつかの自己免疫疾患に有効な疾患修飾薬である.
バリシチニブが,1 型糖尿病におけるβ細胞機能を維持させるかどうかは明らかでない.

 

方 法
第 2 相二重盲検無作為化プラセボ対照試験で,1 型糖尿病の診断後 100 日以内の患者を,バリシチニブ(4 mg 1 日 1 回)を 48 週間経口投与する群と,マッチさせたプラセボを投与する群に割り付けた.主要転帰は C-ペプチド濃度の平均値とし,48 週の時点で行った 2 時間混合食負荷試験中の,濃度?時間曲線下面積から算出した.副次的転帰は,糖化ヘモグロビン値のベースラインからの変化,1 日インスリン量,持続血糖測定により評価した血糖コントロールの指標などとした.

 

結 果
計 91 例の患者が,バリシチニブ(60 例)またはプラセボ(31 例)の投与を受けた.48 週の時点での混合食負荷後の C-ペプチド濃度の平均値の中央値は,バリシチニブ群で 0.65 nmol/L/分(四分位範囲 0.31~0.82),プラセボ群で 0.43 nmol/L/分(四分位範囲 0.13~0.63)であった(P=0.001).48 週の時点での 1 日インスリン量の平均値は,バリシチニブ群で 0.41 U/kg 体重/日(95%信頼区間 [CI] 0.35~0.48),プラセボ群で 0.52 U/kg/日(95% CI 0.44~0.60)であった.糖化ヘモグロビン値は 2 群で同程度であった.しかし,48 週の時点での,持続血糖測定により求めた血糖値の変動係数の平均値は,バリシチニブ群で 29.6%(95% CI 27.8~31.3),プラセボ群で 33.8%(95% CI 31.5~36.2)であった.有害事象の頻度と重症度は 2 群で同程度であり,バリシチニブ,プラセボのいずれかによる重篤な有害事象はなかった.

 

結 論
1 型糖尿病を最近発症した患者において,バリシチニブの 1 日 1 回,48 週間の投与は,混合食負荷後の C-ペプチド濃度の平均値から推定したβ細胞機能を維持させると思われた.(JDRF インターナショナルほかから研究助成を受けた.BANDIT 試験:Australian New Zealand Clinical Trials Registry 番号 ACTRN12620000239965)

 

N Engl J Med 2023; 389:2140-2150.
DOI: 10.1056/NEJMoa2306691

 

<引用ここまで>

 

「かくちゃんの仮説」では、今後リツキシマブなどの抗体製剤、JAK阻害薬が自己免疫疾患を次々と治していくと考えています。次にはBTK阻害薬が出現するかもしれません。

すごい時代になったものです。

今回ご紹介の論文はコチラ↓

<引用ここから>

 筋肉量の多寡にかかわらずタンパク質摂取量が高齢者の全死亡リスクに関連

 日本人高齢者を対象とする研究から、タンパク質の摂取量が多いほど全死亡(あらゆる原因による死亡)のリスクが低いという関連が示された。この関連は、筋肉量や血清アルブミンなどの影響を統計学的に調整してもなお有意であり、独立したものだという。東京都済生会中央病院糖尿病・内分泌内科の倉田英明氏(研究時点の所属は慶應義塾大学医学部腎臓内分泌代謝内科)らの研究によるもので、詳細は「BMC geriatrics」に8月9日掲載された。

 タンパク質摂取量と健康リスクとの関連については、動脈硬化や腎機能、またはサルコペニア(筋肉量・筋力の低下)、フレイル(要介護予備群)などの観点から研究されてきている。しかし、食文化の違いによるタンパク源の相違などの影響のため、それらの研究結果は一貫性が見られない。また、国内発の知見はいまだ少なく、かつサルコペニアやフレイルリスクを有する高齢者の筋肉量とタンパク質摂取量との関連を検討した研究が主体であって、地域在住一般高齢者の死亡リスクとの関連は明らかになっていない。

 以上を背景として倉田氏らは、慶應義塾大学と川崎市が共同で行っている「川崎元気高齢者研究(Kawasaki Aging and Wellbeing Project;KAWP)」のデータを用いて、この関連を縦断的に解析した。KAWPは、日常生活動作(ADL)が自立した身体障害のない85~89歳の地域住民対象前向きコホート研究として2017年にスタート。今回の研究ではKAWP参加者のうち、簡易型自記式食事歴質問票(BDHQ)を正しく回答でき、認知機能の低下(MMSE24点未満)がなく、解析に必要なデータに欠落のない833人を対象とした。主な特徴は、平均年齢86.5±1.36歳、女性50.6%、BMI23.1±3.16で、骨格筋量指数(SMI)は7.33kg/m2、血清アルブミンは4.16±0.28mg/dL。BDHQにより把握された摂取エネルギー量は2,038±606kcal/日であり、その17.0±3.18%をタンパク質から摂取していた。

 摂取エネルギー量に占めるタンパク質の割合の四分位で全体を4群に分類して比較すると、その割合が高い群ほど高齢(傾向性P=0.042)で女性が多い(同0.002)という有意な関連が認められた。一方、BMI、腎機能(eGFR)やそのマーカー(BUN、尿アルブミン)、心血管疾患(CVD)既往者の割合には有意差がなかった。血清アルブミンは傾向性P値が0.056と非有意ながら、タンパク質エネルギー比が高い群で高値となる傾向にあった。SMIについては全体解析では、タンパク質エネルギー比が高い群ほどSMIが低いという負の有意な関連があったが(傾向性P=0.018)、性別に解析すると、男性、女性ともに非有意となった。

 タンパク質の摂取源に着目すると、タンパク質エネルギー比が最も低い(平均13.1%)第1四分位群は、魚の摂取量が20.3g/1,000kcalであるのに対して第4四分位群(同21.2%)は68.6g/1,000kcalと、約3.5倍であった。タンパク質以外の主要栄養素については、タンパク質エネルギー比が高い群ほど炭水化物摂取量が少なく、脂質の摂取量が多かった(いずれも傾向性P<0.001)。

 平均1,218日(約3.5年)の観察で、89人の死亡が記録されていた。タンパク質エネルギー比の第1四分位群を基準として、共変量(年齢、性別、SMI、血清アルブミン、教育歴、がん・CVDの既往)を調整したCox回帰モデルにより、タンパク質摂取量が多いほど全死亡リスクが低いという有意な関連が明らかになった。具体的には第4四分位群ではハザード比(HR)0.44(95%信頼区間0.22~0.90)と56%低リスクであり、全体の傾向性P値が0.010だった。共変量のSMIをBMIに置き換えた場合も結果は同様だった。

 魚の摂取量の多寡の影響に着目して、その四分位数で4群に群分けして検討すると、第4四分位群で有意なリスク低下が認められたが〔HR0.48(95%信頼区間0.23~0.97)〕、全体の傾向性は非有意だった(傾向性P=0.13)。その他、肉類、卵、乳製品に分けて行った解析からは、全死亡リスクとの有意な関連は示されなかった。

 著者らは、本研究が観察研究であるために解釈に限界があるとした上で、「ADLが自立している85歳以上の高齢者では、タンパク質摂取量が多いことが全死亡リスクの低下と関連しており、この関連は筋肉量にかかわらず認められた」と結論付けている。また、タンパク質エネルギー比が高い群ほど魚の摂取量が多かったことから、「魚には抗炎症作用や発がん抑制作用が報告されているn-3系多価不飽和脂肪酸が豊富に含まれており、健康に対して多面的なプラス効果を期待できる。高齢アジア人の健康アウトカム改善には、魚を中心とするタンパク質の摂取量を増やすことも重要なポイントではないか」と述べている。(HealthDay News 2023年10月10日)

Abstract/Full Text
https://bmcgeriatr.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12877-023-04173-w

 

<引用ここまで>

というわけで

高齢者における死亡率の解析で、

今回もフィッシュ・ケトン食がおすすめという結論でした。

菜食主義が完璧とか最良というわけでは

ありませんが、良いところもあります。

というのは獣肉食は、やっぱり癌細胞の発育を

促進するという側面があるからです。

 

で、今回ご紹介の論文はコチラ↓

<引用ここから>
ベジタリアン食で、胃がん罹患リスク6割減

 食事とがん発症リスクとの関連は多数の先行研究があり、
果物、野菜、全粒穀物、豆類などの植物性食品の摂取量の増加はがん罹患の予防効果と関連し、
赤身肉や加工肉の多量摂取はがん罹患リスク増加と関連している、という報告がある。
こうした中、菜食(ベジタリアン食)と消化器がんリスクについて調査した研究結果が発表された。
中国・香港中文大学Tongtong Bai氏らによるこのシステマティックレビューは、European Journal of Gastroenterology & Hepatology誌オンライン版2023年9月18日号に掲載された。

 研究者らは、PubMed等で、2022年8月までに発表されたベジタリアン食と消化器がん罹患リスクに関する観察研究を検索した。ベジタリアン食は肉または肉製品を含まない食事と定義し、主要アウトカムは消化器がんの罹患率とした。

 主な結果は以下のとおり。

・8件の研究(コホート研究7件、ケースコントロール研究1件)が組み入れられ、参加者は68万6,691例(成人)だった。全研究がデータ解析で交絡因子を処理しており、交絡因子には性別、年齢、BMI、身体活動、喫煙と飲酒の状態が含まれた。
・ベジタリアン食の消化器がん罹患リスクは、非ベジタリアン食と比較して低かった(相対リスク[RR]:0.77、95%信頼区間[CI]:0.65~0.90)。
・サブグループ解析では、ベジタリアン食は胃がん(RR:0.41、95%CI:0.28~0.61)および大腸がん(RR:0.85、95%CI:0.76~0.95)のリスク減少と関連を示した。一方、胃を除く上部消化器がん(RR:0.93、95%CI:0.61~1.42)のリスクとは相関しなかった。
・ベジタリアン食は、男性では消化器がんリスク減少と関連を示したが(RR:0.57、95%CI:0.36~0.91)、女性では相関しなかった(RR:0.89、95%CI:0.71~1.11)。
・ベジタリアン食は、北米の集団(RR:0.76、95%CI:0.61~0.95)およびアジアの集団(RR:0.43、95%CI:0.26~0.72)では消化器がんのリスク減少と関連を示したが、ヨーロッパの集団(RR:0.83、95%CI:0.68~1.01)では相関しなかった。

 研究者らは、「ベジタリアン食は消化器がんの罹患リスクを低下させる可能性が高いが、詳細については、きちんとコントロールされたコホート研究、およびそのほかの研究のデータが必要である」としている。


原著論文はこちら

Bai T, et al. Eur J Gastroenterol Hepatol. 2023;35:1244-1252.
 

<引用ここまで>

 

というわけで、獣肉をまったく摂取するなというのは極端でオススメしませんが、

獣肉(赤身肉、牛肉・豚肉・羊肉など)は控えめがよろしいようです。

日々少し気をつけるだけで

がんのリスクが下がるそうです。

 

今回ご紹介の論文はコチラ↓↓↓

 

<引用ここから>


1日3.4分の高強度の身体活動で、がんリスク17%減


 高強度の身体活動(Vigorous Physical Activity:VPA)は、
がん予防のために推奨される身体活動(Physical Activity:PA)を達成するための効率のよい方法であるが、多くの人にとって継続のハードルが高い。「日常生活中の高強度の断続的な身体活動(Vigorous Intermittent Lifestyle Physical Activity:VILPA)」を継続することで、がん発症のリスクを大幅に低下させる可能性があることが、新たな研究で明らかになった。オーストラリア・シドニー大学のEmmanuel Stamatakis氏らによる本研究の結果は、JAMA Oncology誌オンライン版2023年7月27日号に掲載された。

 オーストラリア、シドニー大学の研究者らは、英国バイオバンクで「普段運動をしていない」と申告した人を対象にウェアラブルデバイスのデータを収集し、その後6~7年間の健康記録を調べた。参加者は2021年10月30日(死亡および入院)、2021年6月30日(がん登録)まで追跡された。

 主要アウトカムは、全がんおよびPA関連がん(低いPAと関連する13のがん部位の複合アウトカム)の発生率だった。ハザード比および95%信頼区間(CI)は、年齢、性別、教育レベル、喫煙、アルコール摂取、睡眠時間、果物および野菜の摂取、両親のがん既往等で調整して推定した。

 VILPAの例としては、負荷が高い家事、スーパーでの買い物袋の持ち運び、早足のウォーキング、身体を動かすゲームなどがある。このような活動は一度に行うのではなく、数分ごとに行うことが特徴だ。

 主な結果は以下のとおり。

・登録された2万2,398例は、平均年齢62.0(SD:7.6)歳、男性1万122例(45.2%)だった。
平均追跡期間6.7(SD:1.2)年に2,356例のがんイベントが発生し、うち1,084例がPA関連がんであった。
・1日のVILPA持続時間中央値が1分まで(1日当たり4.5分)の場合、VILPAを行わない場合と比較して、全がんのHRは0.80(95%CI:0.69~0.92)、PA関連がんのHRは0.69(95%CI:0.55~0.86)であった。
・全がん発生率との関連が認められたVILPAの最小量は1日当たり3.4分(HR:0.83、95%CI:0.73~0.93)、PA関連がんは1日当たり3.7分(HR:0.72、95%CI:0.59~0.88)であった。

 最低3.4分のVILPAを毎日行うことで、行わない場合と比較して、
全がん発生率の17%減少、1日4.5分で肺がん、腎臓がん、膀胱がん、胃がんなど、PAがんの発生率の31%減少につながることが示された。著者らは「運動ができない集団や意欲のない集団にとって、断続的な短い身体活動の継続が、がん予防の有望な介入になる可能性がある」としている。

<引用ここまで>

 

日常生活に取り入れて

少しだけ体を動かすよう

こころがけると良いようです。

 

かくちゃん理論では

ビタミンDを摂取するため

青魚・キノコを推奨しています。

 

がんに効くかも?という話題は以前からありましたが

ちょっとオドロキのデータがでました。

 

<引用ここから>

ビタミンDで消化器がんの再発死リスク7割減

 ビタミンDは、細胞増殖抑制作用や細胞死促進作用を介したがん予防効果が期待されており、腫瘍微小環境への免疫細胞の浸潤が見られた患者に対するビタミンDサプリメント投与によりがん再発リスクが低減したとの報告もある。東京慈恵医科大学分子疫学研究部教授の浦島充佳氏らは、ビタミンDが抗p53抗体の抗腫瘍免疫を活性化してがんの再発や死亡リスクを低減するという仮説を立てて検証。ビタミンDサプリメント摂取により、消化器がん患者の再発死亡リスクが7割以上低下したとの結果をJAMA Netw Open2023; 6: e2328886)に報告した。

 

<引用ここまで>

 

ビタミンDは、抗p53抗体陽性の方には

とても良いということで、サプリメントも良いですが

食材にも気を配ると良いようです。