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<引用ここから>


チアゾリジン系薬で認知症リスク低下

 スルホニル尿素薬(SU)またはチアゾリジン系薬(TZD)で治療する2型糖尿病患者の認知症発症リスクを
メトホルミン(MET)で治療する患者と比較。
米退役軍人医療制度の電子カルテデータを用いて認知症がない2型糖尿病患者(治療開始時の年齢60歳以上)55万9106例を特定し、処方記録に基づきSU単剤療法群、TZD単剤療法群、対照群(MET単剤療法)に分類した。

 その結果、認知症有病率は1000人年当たり8.2例だった。
1年以上の治療実施後、TZD単剤療法の認知症発症リスクがMET単剤療法との比較で22%低かった(ハザード比0.78、95%CI 0.75-0.81)。

METとTZDの併用療法では11%低かった(同0.89、0.86-0.93)が、

SU単剤療法では12%高かった(同1.12、1.09-1.15)。

【原文を読む】
Tang X, et al. Use of oral diabetes medications and the risk of incident dementia in US veterans aged ?60 years with type 2 diabetes. BMJ Open Diabetes Res Care. 2022; 10: e002894.

<引用ここまで>

 

さて、スルホニルウレア薬とチアゾリジン系薬剤とメトホルミンはそれぞれ薬理作用が異なります。

チアゾリジン系とメトホルミンは、認知症リスクが高くないようです。

逆にスルホニルウレア系では、認知症リスクが高いようです。

 

なぜでしょう?

 

かくちゃん理論では

「高インスリン血症が認知症の一因である。」という

国立精神・神経医療研究センターの仮説を重視しています。

 

チアゾリジンとメトホルミンは高インスリン血症を来さない糖尿病治療薬です。

一方でスルホニルウレアは高インスリン血症を来すことで治療する薬剤です。

 

ここらへんがキモだと思います。