こんにちは。カレイドスコープの寺山瑞穂です。
外出時車いす使用の寺山が、寝台特急「サンライズ出雲」に乗ったので、その記録とご紹介です。
「サンライズ瀬戸・出雲」は、東京ー高松・出雲市間を結ぶ、現在唯一定期運行しているJR寝台特急列車です。
岡山駅で高松に行くサンライズ瀬戸と、出雲市に行くサンライズ瀬戸に別れます。
寺山は、2023年6月15日東京ー16日米子までの間、「サンライズ出雲」を利用しました。
初めての方も見てくださるかもしれないので、寺山のスペックも簡単にご紹介。
50代女性。先天的な四肢短縮型小人症。身長120㎝くらい。関節の変形があり長時間の歩行困難。
車いすは手動。屋内程度は歩きます。福島県郡山市在住。
「サンライズ出雲」には、車いす対応個室があるのです。
その車いす対応個室がどんな感じだったか、寺山目線でご紹介したいと思います。
障害の条件など違えば全然違うご意見もあるかとは思いますが、何かしらの参考になれば。
車いす対応個室は、B寝台シングルツインの一つで、料金などはシングルツインと同様です。
これが私の乗った9号車の配置図なのですが、右下の「1」が、車いす対応シングルツイン。
車両に入ってすぐ右側にありました。
シングルツインは2段ベッドのお部屋です。1人でも2人でも使えます。
この個室も介助者は上のベッドを使えますね。
今回私は単身でしたので、上の空間は全く使いませんでしたが。
屋内歩行はできるので、この個室が取れなかったら他の部屋(シングルとか)でもいいか~とも思っていたのですが、
やっぱりこの部屋でよかった。
その最大の理由は、場所。
トイレ近い。洗面台近い。
そして、階段を使わないで済む。
階段を上り下りして移動してトイレまで行って、他の方が使っていたらそこで立って待つ。
これは、私にはきついのです。
この部屋なら、「あ、トイレ使ってる~」と思ったら、部屋に戻って座って待っていられます。
これが一番ありがたかった。
最寄りの車両ドアは車いすが通れるよう幅が広く、デッキも広々です。
ま、個室のドアがその大通り的なデッキに面しているのもちょっと落ち着かないのではありますが。
実際鍵をかけ忘れていたら、知らない人に外から開けられちゃったし。
トイレ
洗面台
一応車いすでも使うことを想定していますよ~な感じではあるのですが。
トイレのドアとかも広いしね。洗面台の足元は空間空いているしね。
ん~。でも正直、使いやすくはない。(電車のトイレ自体が使いやすくはないよね。)
私は、そういうわけで部屋がすぐ近くだったので、車いすではなく歩いて移動して利用しました。
洗面台がね、
わかるかな?車いすに座った状態でこの高さなの。鏡に映りこめていない。
私には高すぎて使いづらかったです。
二本足歩行+折りたたみ踏み台に乗って洗面台は使いました。
サンライズにはシャワー室もあります。有料数量限定のシャワーカードを購入することで使えるのですが、
今回は最初からシャワーはあきらめています。
一般の人が立って使う想定のシャワー室は、スイッチ類も高くて使えないだろうし、車内移動も大変だし。(と想像して)
出かける前にシャワーして、ボディーシートを持っていきました。
広い車両入口。奥はトイレの入り口。
お部屋に車いすは入るのか?
車いす対応を謳っていて入らないんじゃ困るべ。とは思いますが。
結果から言うと、こんなふうに車いすを入れました。
ベッドの足のほう三分の一くらいが跳ね上げられたので、そこに入れました。
写真で斜めになっているのは、跳ね上げた部分のベッドマットレス。
車掌さんに最初に聞いたときには、ベッド上がりませんって言っていたんだよ~?
しっかりしてくれ車掌さん。(私の聞き方が悪くて意図が伝わらなかった?)
折りたためる車椅子なら、こういうふうにも入ります。
(私はこうするとベッドを使いにくいので、足元に入れましたが。)
この壁面には車いす固定ロープがありました。
お部屋でありがたかったのは、開け閉めスイッチがあることと、その低さ。
外にはナンバーキーがあるのですが(使う必要なかったけれど)
それも車椅子にのったまま腕の短い私でも使える高さでした。
開閉スイッチは、室内ではこのドアの左側と、右側にもついています。
これが実は地味に、でも大分嬉しかったところです。ドアの左側は車いすを置いちゃったら私の腕の長さでは届きにくくて、ベッドに近いドアの右側にこの開閉スイッチがあるのは、助かりました。
先に描いたように「大通り」に面しているので素早く開け閉めしたいから尚更です。
カギは手動で、この写真の場所だけだったので、カギ閉めるのは面倒くさかったんですけどね。
(で閉め忘れていたら外から開けられちゃう…と。←結構ショック引きずっているね。施錠必須です。)
個室で落ち着いた私からの視点。
身長が「短い」のは、こういう時便利です。
足元が荷物スペースにできる。
エアコンの効きはイマイチなのか、私が操作方法が分からなかったのか、
蒸し暑い感じがして、寝苦しい一晩でした。
揺れるのにもなれなくて、寝付くまでに時間がかかったかな。
それでも個室でダラダラして過ごせるのは、楽でしたよ。
宿泊施設だと思うと、色々足りていない感じですが、
電車移動だとおもうと、これだけの空間を独占できているのは贅沢なことですね。
16日朝の車窓の風景。
お茶の宣伝みたいな画像ですが、電車に揺られながら(伯備線は揺れるw)広い窓を独り占めしてぼーっとしているのは、
電車旅しているな~というしみじみとした満足感を感じるものでした。
これが旅情ってやつ?
なかなか得難い経験ができた車いす寝台特急一人旅でした。
反省点は、
東京駅で夕食食べすぎちゃったのと、酒のつまみの調達がうまくいかず、
ついでにその前までの疲れがたまっていたのとで、
憧れのサンライズでの一人晩酌が十分には楽しめなかったこと。
途中までは通過駅の人目が気になってブラインドも開けられなかったし、
「流れる夜の車窓を見ながらひとり酒を楽しむ」という理想には遠かった。
(それでも飲みましたが)
おまけを書いたら長くなってしまったので、それは次の記事に。
よろしかったらそちらもどうぞ。
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