心拍が見えませんでした | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療専門医の立場から不妊治療、体外受精、腹腔鏡手術について説明します。また最新の生殖医療の話題や情報を、文献を元に提供します。銀座のレストランやハワイ情報も書いてます。

本日の診察で心拍が見えませんでした。卒業間近でとても順調だったので辛いです。少し待てはまた心拍が見えることもあるのでしょうか?それとも難しいのでしょうか?どうすれば良いでしょうか?

 

この様なご質問がありましたのでお答えします。

 

妊娠して卒業直前で心拍が止まるケースは少ないもののあります。大変残念ですが一度心拍が止まると再開することは限りなくゼロに近いと考えて良いです。

どうしてこの様な結果になるかですが、ほとんどの原因は胎児の染色体の異常になります。

大変辛い中考えたくないと思いますが、これから先は気持ちを切り替え次の妊娠出産にいかにすれば良いかを第一に考えていくことが良いと思います。

自然に流産を待つ方法と手術する方法があります。

内膜が薄くならない様に掻爬ではなくMVAを用いた吸引法でオペをすることをお勧めします。

次につなげるために胎児の染色体検査はすべきだと思います。なお胎児の染色体の検査をするためには原則オペをするしかありません。

今は先進医療で胎児の染色体検査を公費で行うことが可能になりました。

 

 

以下重要箇所を示します。

令和3年4月1日以降に実施した「先進医療として告示された不育症検査」に限り、下記の助成要件が適用されます。

・実施できる医療機関が限られます。厚生労働省のホームページで確認できます。

 (「流産検体を用いた検査」に指定された医療機関をご確認ください。)

・上記医療機関で実施した検査(現時点では『流産検体を用いた検査』のみ)が対象。)が対象です。

・検査開始日における妻の年齢は問いません。

・助成回数に制限はありません。

※ 「先進医療として告示された不育症検査」以外の検査(2 対象となる検査に該当するもの)については、通常どおりの要件を適用します。

詳細はこちらから