アメリカからの報告です。アメリカには100万個以上の凍結胚があると推定されています。
そして1.5%程度胚の提供で産まれていると推定されています。
子供が産まれて余剰胚を破棄することは宗教的倫理的道徳的に問題視されており回避したいと願う夫婦もいて胚の提供が行われています。ただ生まれる子供へのメンタルへの影響、親との関係などはよくわかっていません。
今回胚の提供を受けて生まれた子供のその後の精神的な部分、親との関係性などを調べている論文がありましたので紹介します。
胚の提供を受け生まれた親子関係と子どもたちの心理社会的な適応について良好な結果が得られていることを示しています。
親たちは子どもたちとの関係を肯定的に感じており、子どもたちも感情的、行動的、社会的な側面で問題が少ないと報告されています。
ただし、今回の研究は時間を通じての変化を捉えることができない、そしてサンプルサイズが小さい、参加者の選択にバイアスがある可能性があるなどの限界もあります。
それでも胚の提供という比較的研究が少ない分野においてこれまでの研究に比べて多くのデータを出しており、子どもたちの年齢範囲も広いことから貴重な結果だと言えます。
Human Reproduction, 2024, 39(4), 779–783
Psychosocial outcomes of children born via embryo donation