神経変性疾患のための認知リハ勉強会 | Y

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神経変性疾患のための認知リハビリテーション勉強会に参加してきました。http://neurologyetc.wix.com/neurologyetc

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プログラム
9:30~ 受付開始
 
10:00~ 開始
司会進行:奥埜博之(摂南総合病院
 
10:00~10:20 
◆神経変性疾患リハビリテーションにおける認知神経リハビリテーションへの期待  
菊地 豊(脳血管研究所 美原記念病院
 
10:20~11:20 
◆パーキンソン病の基本病態について-主に姿勢障害を呈するパーキンソンニズムとの鑑別を中心に-
菊地 豊(脳血管研究所 美原記念病院)
 
11:20~11:30 休憩
 
11:30~13:00 
◆パーキンソン病者への認知神経リハビリテーションを考える
鶴埜益巳(おおさか循環器内科生活習慣病クリニック
 
13:00~14:00  昼休み
 
14:00~14:40 
◆パーキンソン病の病態を認知神経リハの視点でどのように捉えるか?-姿勢障害を中心に- 
橋間 葵(おそえがわ脳神経内科)
 
14:45~15:15 
◆現象から訓練へ-姿勢障害を呈するPD患者の病態解釈のための観察-
三上恭平(登戸内科脳神経クリニック)
 
15:20~15:45 
症例提示-姿勢障害の克服へむけて-
村部義哉(デイケアセンターサムソン)
 
15:50~16:00   休憩
 
16:00~ 
認知運動療法フォーラム
テーマ「神経変性疾患に対する認知神経リハビリテーションの臨床展開について考える」
鶴埜益巳 ✕ 奥埜博之 ✕ 橋間葵 ✕ 三上恭平
(質疑応答 17:00終了)
 
17:30~ 懇親会

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第1回の勉強会でしたが、100人ほどの参加があったようです。神経変性疾患の、とありましたが、ほぼパーキンソン病、パーキンソニズムに関する話題でした。

パーキンソン症状には感覚、筋骨格、薬剤性など多くのファクターがあり、これらが混在しているようです。
また、脳内ネットワークでも強固になっている部分、疎になっている部分があるようで、これらは脳の代償的作用を一部反映していると推測されます。

勉強会の最後に認知運動療法フォーラムが開かれ、現在神経変性疾患のリハビリテーションに従事されている臨床家の先生方のお話しをご拝聴できました。
ここでの共通見解として、PDの方々は①環境依存性、②文脈依存性ということです。
いわゆる病院での環境と在宅での環境が違うだけで症状(すくみ足など)が容易に出現してしまうことがあり、この点は病院でのリハビリテーションの難しさを如実に反映していると思います。

最後に行為抑制とすくみ足の関係についてご質問させていただきました。

一般に行為抑制は認知心理学分野では実行機能の1つとして位置づけられているようです。ラットを用いた恐怖体験の実験でも明らかになっています。
行動抑制は、前頭前皮質と関連があるとされており、抑制する条件が明確なときに発現するとされています(Munakata 2011)。
すくみ足は開口幅が狭いところ(narrow space)を通過するときに出現しやすいことが知られていますが、wide spaceでも生じやすい症例もあられるようです。その際「手が届かないので怖い」という言語記述が得られるようです。また、進行性核上性麻痺の方ではペーシング障害のようなものもみられ、加えてひたすら課題を遂行し続けるような現象もみられたようです。

私は前者は行動抑制が効きすぎるパターン、後者は行動抑制が効いてないパターンと推測しています。本来の行動抑制、すなわち防衛機能的な側面とは異なった視点の解釈ですが。

現在、非常勤先で勤めている病院で新たな知見を現場と力を合わせて築いていきたいと思います。