アメリカいちの癌専門病院 | 天使のエッセイ

アメリカいちの癌専門病院

 

崖っぷちの人生だったわたしたち、

 

お金もなく、健康保険すらなく、

「もし大病をしたら死ぬのみ」という状態だった。

 

 

自分はお酒もたばこもやらないし、

運動は日課だし、

食事もヘルシーなので大丈夫だろうと思っていたら

 

癌になった!(ガーーーン!!!)

 

 

 

ところが、その、

「大病をしたら死ぬだけ」だったわたしは

 

アメリカいちの癌専門病院の一つである

Sloan で治療を受けられることになった!

 

 

なんでそんなことが可能になったのか?

 

 

そこには涙なしには語れない愛のストーリーがある。

 

 

 

まずはわたしたちの友達Jの大きな愛とサポート。

 

 

わたしがまだ自分の友達に自分の病気のことを伝えられなかった時、

 

夫のセスは以前わたしたちが仲良くしていた

元夫婦(現在は離婚して、友達同士)のJとGに

 

わたしの病気のことを伝えた。

 

なんとなく、そうしたほうがいいような気がしたんだって。

 

 

すると、以前ニューヨークにいた時に様々な病院のオフィスで働いていたJは、

 

癌の治療をするのなら絶対に Sloan が一番いいということで、

Sloan で働いている友人に私を受け入れるよう手配してくれたのだった。

 

 

Jはわたしが入院していたときからまめにメッセージをしてくれて、

とても不安だったわたしの心も支えてくれた。

 

 

 

けれどもSloan のコネクションがもてたとはいえ、

 

そもそもわたしたちには健康保険がなかったり、

かなりシビアな問題があったのだけど、

 

そこにまたもう一つの愛のストーリーがあった。

 

 

 

わたしが最初の病院に入院中

ある一人の男性がわたしのベッドを訪ねた。

 

ソーシャルワーカーだった。

 

 

ソーシャルワーカーは

わたしが健康保険を手に入れられるよう、

わたしが保険を手にするために必要な情報を受け取りに来たようだった。

 

 

入院中のわたしには渡しきれない情報が必要だったので

わたしはその人のオフィスに翌日夫を送った。

 

 

アメリカの健康保険は高くてわたしたちには払いきれないし、

 

けれども低所得者用の保険が取れるほどには

わたしたちの所得は少なくはないということで、

 

わたしたちにはそれまでずっと健康保険がなかったのだけど、

 

この医療費はとてつもなく高くつきそうだし、

なんとか健康保険が取れるといいなあと思った。

 

 

 

翌日、ソーシャルワーカーのオフィスから

わたしの病室へ戻ってきた夫は、

 

「健康保険、大丈夫そうだ」と言うと、

 

「彼(ソーシャルワーカー)は、なんていい人なんだ!」

 

・・・と、涙を流した。

 

 

彼が何をしてくれたのか具体的にきかなくても、

彼がわたしたちが保険を手にできるよう、

手を尽くしてヘルプしてくれたことがうかがえて、

 

わたしもその場で泣き出した。

 

 

前日に話した感じからも、

彼がとても優しくて思いやりの大きな

 

天使のような人だということがうかがえたから。

 

 

 

そのソーシャルワーカーはその翌々日くらいに

 

病室が変わったわたしをたまたま見かけたらしく、

 

声をかけに寄ってくれた。

 

 

わたしは

 

「ありがとう。

あなたはとってもいい人。

わたしたち二人ともあなたが大好きよ」

 

・・・と彼に言うと、彼はにっこりと優しく微笑んだ。

 

 

 

そのほかにもSloan で働いている、Jの友達のNのヘルプ

 

そして夫の多大な努力で

 

健康保険もなかった崖っぷちのわたしが

 

アメリカいちの癌専門病院、Sloan で治療を受けることになったのだ!

 

 

病院のペーパーのトランスファーなどとても大変で

一時はどうなるのかと思ったこともあったけど、

 

最終的には結構スピーディーに済んだ。

 

最初のアポイントメントが成立した時、

わたしは思わず、嬉しくて、そしてありがたくて、泣いてしまった。

 

 

さあ、でもこれから大変だ!

 

 

みんなの愛で手にできたことだから、

 

これでよくならないとね。