昨年7月、100回目の大きな節目の年を東海大熊本星翔が制し、35年ぶりに高校野球の聖地・甲子園へ。
しかし、初戦(1回戦)で大垣日大(岐阜)に敗れ、聖地での勝利はならず。
それから8月中旬頃、新チームが始動し、地区大会、秋季大会
そして冬を越しての春季大会、RKK旗、NHK旗と公式戦が続き
熊本国府が秋とRKK旗、球磨工業が春を、NHK旗を秀岳館が制するという群雄割拠の様相で
今年は昨年以上の大混戦(シード校も油断ならないという意味も込めて)と予想された
101全国高等学校野球選手権 熊本大会
 
甲子園への片道切符を懸けての決勝に勝ち上がってきたのは
2回戦で熊本西(第2シード)、準々決勝で球磨工業(第3シード)、準決勝で秀岳館(第6シード)を破り
エース・蒔田くんを柱に、固い守備と終盤の打線の粘りで4年ぶりの聖地を目指す九州学院
投打に安定した力を発揮し、準決勝で有明のエース・浅田くんをワンチャンスで攻略
昨年東海大星翔に敗れた悔しさを胸に、6年ぶり聖地奪回を期す熊本工業の2校。
前記事でもお伝えしたとおり、この両校が決勝で相まみえるのは、10年ぶり。
令和最初の熊本代表を懸けての戦いが、熊本の高校野球をリードし続ける両雄の対決とあって
リブワーク藤崎台球場は、おそらく開門前から熱心なファンが詰めかけ両校の生徒・OBに
保護者の方々も加わり、大変な状況ではなかったかと察しますが
熊本の高校野球ファンすべてが注目の一戦は、7月25日10時過ぎにプレイボール。(熊本朝日放送「めざせ!甲子園」熊本大会中継を直撮り まさか、準決勝の中継の終わりがけに出したテロップのまんま(=不体裁)とは…)
先発は、九学:蒔田くん、熊工:林くん。
1回オモテ・熊工、いきなり九学・蒔田くんを攻め立て、1アウト二塁三塁として先制のチャンスを作ります。
しかし、4番・内田くんがフルカウントから空振り三振、続く5番・森くんも低めの変化球に空振り三振と、先制することが出来ません。
どんな投手でも難しい立ち上がり、蒔田くん、ここはよくしのぎました。
その直後の熊工・林くんの立ち上がりですが、1番・川野くんがレフト前ヒットで出ると2番・古澤くんがきっちり送りバントを決め1アウト二塁とすると
3番・牛島くんが左中間へ先制のタイムリー! 九学 1-0 熊工
 
ピンチの後にチャンスあり。昨年決勝で先発しほろ苦い思いを胸に雪辱を期す林くん相手に先制点を奪います。
しかし、3回オモテ・熊工、9番・江川くんがライトへ大きな打球を放ち、グングン伸びてスタンドイン!!
 
今大会第21号のソロホームランで同点に 九学 1-1 熊工
その直後、1番・田中亮くんがエラーで出塁し、二塁盗塁を仕掛けますが、九学・友田くんからの二塁送球がストライクで、タッチアウト。
ここは1点にとどまります。
そのウラの九学、人見くんサードゴロエラー、川野くんがストレートのフォア、古澤くんが脚にヒットバイピッチを受け
ノーアウト満塁と絶好の勝ち越しのチャンス。
ここで迎えるは、先制タイムリーの牛島くん。
 
その打席で、またも打球は左中間へ!
1回よりもさらに飛距離が伸びて二者生還のタイムリー2BH!! 九学 3-1 熊工
ここで、熊工のピッチャーは林くんから、2番手・村上くんに交代。
林くんにとっては、昨年のVS東海大星翔戦に続いて、決勝で期待に応えられず、悔しいマウンドに…。
そして、九学打線は村上くんを攻め立て1アウト満塁の場面で
高本くんの代打・前田くんがセンターへライナー性の犠牲フライ。 九学 4-1 熊工
九学が序盤で3点のリードを取り、4年ぶりの王座奪還へ優位に立ったかに思われました。
しかし、5回オモテ・熊工、1アウト一塁三塁で田中亮くんがレフトへ犠牲フライで1点を返し2点差に。 九学 4-2 熊工
そして6回オモテ・熊工、2アウト三塁という場面で、蒔田くんの制球が突如乱れ
青山くんにストレートのフォア、山口くんにフルカウントのフォアでランナーが塁上を埋め、満塁に。
ここで迎えるは、村上くん。
外野が前目の守備位置を敷く中で打球は
 
ライトへグングン伸びて
頭上を突破!
 
塁上のランナーを全てホームに迎え入れる一挙逆転のタイムリー2BH!! 九学 4-5 熊工
これまでリリーフ登板が続く中でヒットが1本も打てていなかった村上くんが
ここぞの場面で大きな仕事をして、熊工がこの試合初めてリード。
ただ、打撃で大きな仕事をして気持が浮ついていたわけではないでしょうが
村上くんは直後の投球で四死球3つを出し九学は同点・逆転のチャンス。
ここで9番・人見くんがセンター前へタイムリー!! 九学 5-5 熊工
再び振り出しに戻し、一気に追い越したいところでしたが
村上くん、目が覚めたのか、川野くん、古澤くんを二者連続の見逃し三振に仕留め、ここは同点で踏みとどまります。
そして7回・8回と互いにランナーを出しながらも無得点で、9回へ。
9回オモテ・熊工、回の先頭・江川くんがレフト前ヒットで出て、田中亮くんが送りバントを決め1アウト二塁に
2番・吉山くんの打席でワイルドピッチで江川くんが三塁に。
吉山くん、ストライク2と追い込まれながらもファウルボールで粘って…
 


 
何と!まさかのスリーバントスクイズ敢行で、勝ち越し点‼️ 九学 5-6 熊工
蒔田くん、グラブトスしたけど、返球が高く浮いたのが痛かった😵
それにしても、追い込まれながらも吉山くん、よく決めましたね。見事でした。
さらにチャンスが続いて、内田くんの打球が二遊間を破りセンターへ達し、二塁から吉山くんが7点目のホームイン!
九学 5-7 熊工
今大会何度も見せてきた集中力で、2点差に。
さて、優勝するには最低でも同点に持ち込むしかなくなった九学は
そのウラ川野くんがヒットで出ると、古澤くんが送りバントで二塁に進めるものの
牛島くんがサードゴロで2アウトとなり
最後は…
荒木くんがキャッチャーへのファウルフライで、試合終了!!
九州学院 5- 熊本工業
令和最初の頂上決戦を制したのは、熊工!!
6年ぶり王座奪還👑
21回目の聖地・甲子園へ!!
(春の選抜大会の21回を合わせて、通算42回目の甲子園)
九学にとっては、準決勝で過去2度甲子園行きを阻まれた秀岳館を破り
決戦の場に進んできましたが、2年前と同様9回に決勝点を奪われ、反撃及ばず…。
決勝“3度目の正直”は、なりませんでした。
 
では、改めてランニングスコアをご覧いただきましょう。
10年ぶりのライバル同士の決勝対決は、最後の最後までどちらに女神が微笑むかわからない
激しいクロスゲームでしたが、熊工が9回に奪った2点が効いていますね。
3回途中からリリーフした熊工・村上くんが、一時同点を許しながらも一度もリードを許さなかったのが大きかったと思います。
一方、九学・蒔田くん、準々決勝の試合中に脚の痙攣で治療を受けたこともあり、不安を抱えてのマウンドではありましたが
10安打浴びながらも10奪三振と、最後までよく投げぬいたと思います。
ただ最後、スクイズの際のグラブトスが高めに浮いたのを見ると、やっぱり疲れてたのかなと思います。
熊工、九学と、昭和・平成と常に争い続けてきたライバル同士が
100回を越え、令和になっても、激しく競い合っていくのでしょう。
本当に見ごたえある頂上決戦でした。
 
さて、熊工はこれから甲子園へ向けて再始動ということになりますが
昨年の東海大星翔、今春のセンバツでの西高と、熊本勢は初戦敗退が続いています。
各地で行われている地方大会はいよいよ大詰めに差し掛かり、代表校が続々と名乗りを上げていますが
全国的に見るとどの学校もレベルが高くて、熊本勢は互角に戦えるのかと、少し不安な面もありますが
熊工には1つでも多く、甲子園で勝利を手にし、校歌を響かせてほしいと願っています。
 
そして、今年の世代の戦いは、センバツに21世紀枠で熊本西が選ばれ、選手権を熊工が制して幕を閉じましたが
早くも新チーム最初の公式戦・3地区大会(熊本市内、城北、城南)の組み合わせが決定。
20年世代となる新チームの腕試しが8月中旬から始まります。
それから、センバツへ向けての重要な資料となる秋季九州大会出場をかけての秋季熊本大会が
9月14日スタートとなっています。
僕にとっては、今年の世代の戦いを見る機会がすくなかったので
秋からなるべく多く見に行けるようにしたいなと思っております。
 
その一方で、僕自身のツイッターアカウントをフォローしてくださっている方に
球場でお会いして、交流を深めたいというのを目標にしていて
準々決勝で、そのチャンスがあったんですが
残念ながら、逃してしまいました…(´;ω;`)ウッ…
でも、秋以降、必ずお会いできるように、しっかりやっていきたいと思います。
 
さて、現在全国各地で晴れの代表の座を懸けての地方大会が、大詰めを迎えておりますが
本日、福岡大会が決勝を迎えるということ(筑陽学園×西日本短大附属 9年ぶり南部勢同士の対決に)で
僕自身仕事が休みということもあるので
会場である久留米市野球場に、これから行ってきます!!
おそらく大変なことになるのではと思いますが、Twitterで会場の雰囲気などお伝えできればと思っておりますので
よろしくお願いします。
 
以上、101回目の選手権、熊本大会決勝を、自分なりに振り返りました。
それでは…。