6日に全国の地方大会を勝ち抜いた49代表が4年ぶり制限なく阪神甲子園球場(兵庫・西宮市)に勢ぞろいしての大行進で開幕した
第105回全国高校野球選手権記念大会。
今年の決勝に勝ち上がったのは、2年連続4度目の決勝進出で大会史上7校目の連覇を狙う仙台育英学園(宮城)と
103年ぶり3度目の決勝進出で107年ぶり2度目の優勝なるか、慶應義塾(神奈川)。
 


連覇か、107年ぶりか。

昨年に続いて話題性十分の注目の一戦は2023年8月23日午後2時1分試合開始。

(審判団=球審:山口智久さん、塁審/一塁:吉岡浩伸さん、二塁:乗金悟さん、三塁:前坂金也さん)

先発は、仙台育英:湯田くん、慶應・鈴木くん。

その幕開けは、誰もが予想しない衝撃的なものでした。

慶應サイドからおなじみの応援歌「若き血」の大合唱が大音量で轟く中

慶應の1番:丸田くん(3年)がカウント2-2からの5球目を強振

ライトへ上がった打球はいつもの”浜風”とは逆向きのレフトからライトへの風に乗ってスタンドイン!

何という幕開けか、大会初、決勝での先頭打者ホームラン(大会第23号)で慶應が1点先取!!

さらに2アウト一塁二塁の場面で、渡辺千之亮くんの打球はショートの後方へ。

しかし、仙台育英・山田くんが打球に追いつけず、記録はセンター前ヒットで2点目。

さらに慶應は2回、1アウト2塁で先頭打者ホームランの丸田くんがライトへタイムリーを放ち3点目。

早く差を詰めたい仙台育英は、そのウラ、1アウト二塁三塁で8番・住石くんのセカンドゴロの間に1点を返し

3回ウラに、2アウト二塁三塁で慶應の先発・鈴木くんがワイルドピッチその間に1点を返し

仙台育英 2-3 慶應 1点差に。

そして5回、仙台育英は継投に踏み切り、先発・湯田くんからエース・高橋くんがマウンドに。

慶應はこの回の先頭:4番・延末くんが内野安打で出塁するものの2アウト一塁となって、7番・福井くんの打球はレフト線へのタイムリー2BH!! 仙台育英 2-4 慶應

8番・大村くんがフォアを選んで、9番・鈴木くんのところで代打・安達くんを起用。

安達くんの打球は、レフトの鈴木くんの懸命のダイビングキャッチ及ばず、レフト前へのタイムリーヒット! 仙台育英 2-5 慶應

甲子園の左半分のボルテージが上がりっぱなしの状態でここまで2安打の丸田くん。

丸田くんの打球は平凡な左中間へのフライ、しかしここでセンター橋本くんとレフトの鈴木くんが重なり、橋本くんがグラブに当ててしまい痛恨の落球…。その間に二者が生還。仙台育英 2-7 慶應

レフト側から常に大声援が響く中で声の連携がうまく行かないというところが出てしまいました。

さらに2番・八木くんがライト前へタイムリー 仙台育英 2-8 慶應

そしてそのウラ、慶應も継投に踏み切り、準決勝:土浦日大戦完封勝利の2年生エース・小宅くんがマウンドに。

小宅くんはこのイニング、外野フライ3本に仕留めて三者凡退。試合は完全に慶應ペースに。

その後、慶應はチャンスを掴むものの仙台育英・高橋くんが抑え込んでさらなる追加点は許さず

仙台育英はなんとかして差を詰めたいところでしたが小宅くんが要所を締めて9回ウラ、2アウト一塁となって

仙台育英・橋本くんのレフトへのファウルフライを慶應・渡辺千之亮くんがつかんでゲームセット!
 
慶應義塾、107年ぶり優勝👑🏆️!!
その時、2023年8月23日午後4時49分。
1世紀を越えて「エンジョイベースボール」を掲げる名門が、三塁側、レフト側の大声援を味方に躍動し、2度目の栄冠を手にしました。
前回優勝の第2回大会は、豊中グラウンド(大阪・豊中市)だったので、甲子園が会場となってからは初めての優勝ということに。
当然、学制改革により大会名が現在の全国高校野球選手権大会になってからも初。
第2回当時は中等野球の時代で、1916年慶應義塾普通部として東京代表として出場しての優勝で、’49年から横浜市に学校が移り学制改革で高等学校化して、翌’50年から神奈川大会に参加。
すなわち複数都県での優勝というのも初めてのケースに。
 
一方、仙台育英は’04・05年の駒大苫小牧(南北海道)以来の連覇ならず。
しかし、1回戦からセンバツ優勝経験を持つ浦和学院、2回戦は昨年の準決勝の再戦となった聖光学院、3回戦は4年前の王者・履正社という強豪校が常に相手になるという難しいゾーンを勝ち上がり、準々決勝で花巻東との隣県対決を制すなど本当にタフな戦いを強いられた中での結果だし、立派な成績です。
 
参考資料として

「思い出の阪急電車ー大正末期から昭和初期の記録ー」をぜひ。

この動画の中で現在の阪急電鉄〔厳密には阪急阪神ホールディングス㈱ですが〕が

同社〔当時の社名は箕面有馬電気軌道㈱〕所有の豊中グラウンドを会場として提供したという話も出てきます。

※現在は豊中市によって「高校野球発祥の地記念公園」として公園化されています。

ちなみに、今年は現在の阪急阪神東宝グループの実質的創業者である小林一三翁の生誕150年で

未来のタカラジェンヌを育成する宝塚音楽学校は創立110周年にあたり、先月宝塚大劇場で記念式典が行われました。

 
ちょっと話がそれましたが、閉会式に移り
慶應義塾のキャプテン:大村昊澄(そらと)くんに100回記念大会を機に新調された3代目の大優勝旗が贈られ
 
優勝盾が贈られました。
続いて仙台育英学園キャプテン:山田脩也くんに準優勝盾が贈られ、両校の選手たちに優勝メダル・準優勝メダルが贈られ
涙する仙台育英学園の選手たちに大会会長が肩を叩いて励ますという場面もありました。
そして恒例の優勝校・準優勝校による大会歌が演奏される中での場内一周。
晴れがましい一瞬ですが、これを見ると嬉しくもあり、終わりの近づきを感じて寂しさを覚えます。
 
そして、バックスクリーンでの大会ファンファーレと蛍の光の演奏。(演奏:関西吹奏楽連盟、合唱:関西合唱連盟)
そしてオーロラビジョンに「ありがとうございました さようなら」の文字。
本当に、これで今年の夏の終わり。
毎年のことながら、この瞬間が一番寂しい。
 
さて、準決勝からの勝ち上がりをやぐらにしました。
ちょっと自慢げになりますが
準決勝が終わったあとのこのブログの記事で
「もし慶應が先に点を取り仙台育英が直後の反撃を抑え込まれる展開になれば、仙台育英は慌てふためくのではないか。僕は守備面重視で慶應が勝つと見ます」と書きましたが、まんまとその通りの展開になったとしか思えません。
その前に「かたや仙台育英は準々決勝で登板しなかった高橋くんが準決勝で先発し5回を2失点と最低限にまとめたが、先を考えると不安を残す内容ではなかったか。2番手の湯田くんも毎試合のように登板しているが、蓄積疲労は相当あるのではないか。」とも記しましたが、よくよく考えると慶應は2回戦からの登場で仙台育英は1回戦からの登場と、このあたりの差もあるのではないかとも思います。
現に’19年以降の優勝校は2回戦登場組から出ているし、試合数が少ないほうが疲れの度合いも異なるし優位なのかなと感じています。
 
そしてこちらが全戦績です。
 
地元民目線でいくと九州勢は久しぶりにベスト4に入りましたが決勝までには勝ち上がれず、これで12大会連続に。(コロナ禍で中止となった’20年第102回大会を除く)
近畿勢は6年ぶりにベスト8に入れず、そして関東勢はセンバツでの山梨学院に続き、春夏連続で甲子園大会制覇ということになりましたね。
 
さて、今年も僕のXアカウントでも投稿してきた通り、今年もABCテレビが制作する中継をBS朝日4Kもしくはバーチャル高校野球で視聴し、楽しませていただきました。(ときには画面越しにアナウンサーに一人でツッコミを入れたりなんてことも…)

(画像は当日のABCテレビの放送席のコメンタリー陣 ゲスト:小倉全由さん・斎藤佑樹さん、実況:高野純一アナウンサー)
中継本編が見られる時間帯はほぼ見ていたし、ゲストで登場されるレジェンド(かつての名監督)、現役監督の方々のお話を興味深く聞かせていただいてました。
そして、’19年を最後に中断していたアルプスリポート「燃えろ!ねったまアルプス」が準々決勝から復活するとは思いませんでした。


(画像はクーリングタイム間の「燃えろ❗ねったまアルプス」リポートより)
今年はABCテレビの若手アナウンサーのみでの限定復活でしたが、来年以降朝日系各社の若手アナの鍛錬の場として完全復活することを願っています。
僕自身にとっては、大会の全試合を4K録画できなかったのが反省点なので、そこは来年以降気を付けます。(単に録画予約し損なった日もあったということで…それでも2試合目からリアルタイム録画しました。)
 
大会が終わって、多くの地域で新チームによる公式戦が始まり、来年に向けすでに動き出しています。
はたして各地の勢力図がどのように変わっていくのか、逐一チェックしていきたいと思います。
長文、駄文で失礼いたしました。

それでは、また…。

 

追伸 試合中、そして閉会式まで、雨が降らずに済んで本当に良かった…。その一方で、天気予報アプリの甲子園の最寄りの観測点が神戸であることも考えもせず「早めの判断で24日以降に順延してもいいのでは!?」と書いて、本当にすみませんでしたm(_ _)m

(※8/25 画像を追加しました)