妙にリアルな夢だった

あの夜、Freyaは眠りこんで来れなかったという

柔らかい感触が手に残る

言葉にするのさえ恐ろしい

記憶にない幻覚もフラッシュバックのように浮かぶ

温かい濡れた蜜の中を泳ぐ指

庭を見に来たMargotは歩き方がおぼつかない

倒れそうなったMargotを後ろから抱き止めた瞬間、不思議な気がした

前にもこんなことが?

振り返り見上げるMargotは少女のように顔を赤らめた

無言のまま

ただChloeを見つめている

息をするのが怖いかのように口びるを震わせ

身体の向きを変え

愛しい人の胸に顔を沈めた

いつもはすぐに引き離すのに

何故かそれが出来ない

確かめる方法がないまま

白昼夢にも似た時間が過ぎる

近くの茂みから鳥が羽ばたいて現実に戻った

Chloeは肉欲を愛と勘違いしているのかもしれない

Margotの経験からの勘が働いた

本当に欲しいものならどんなことをしても手にいれるわ

あの夜、キスはしなかった

ぼんやりしているChloeの口びるにそっと指で触れ

その指で自分の口びるをなぞる

少し開いた口から覗く赤い舌に理性がなくなった


続く