BLです。
苦手な方、受け付けない方は、お戻りくださいね。
4歳の翔ちゃんの回想になります。
まさきにい、だれかすきなひとがいるの?
そうおもうと、なみだが、どうしてもとまらない。
「うっ、うあっ、うんっ。うーう。」
「あれ、かわいい女の子が泣いてる。」
まゆげのふといおにいちゃんが、ちかづいてくる。
「うっ、うあーん、あーん。あっ、あうっ。」
ボクは、男の子だよ、っていいたいのに、
いえない。
きっと、まえがみがながいから、ってママが
てんとうむしのついた、かみどめのごむで、
むすんでるからだ…
うつむいていたまさきにいが、かおをあげて、こっちをみた。
「翔ちゃん!」
たちあがって、こっちにきた。
「潤、その子は、男の子だよ。」
「えっ、こんなにかわいいのに?」
「翔ちゃん、どうしたの?何があった?」
「ふうーうー。」
ボクは、なきながら、くびをいっぱい、ううん
ってふった。
まさきにいは、しゃがんでボクをぎゅっ、って
して、せなかをとんとん、してくれて、いいにおいのするはんかちで、なみだとはなみずを
ふいてくれた。
「ゆーっくり、ゆーっくり、しゃべってごらん?翔ちゃん、どうしたのかな?」
「あっ、あのねっ。きょう、はっ、バレンタインのひだからっ、まさ、きにいっ、にっ、チョコ、あっ、げようっ、とおもって、まっ、てたのっ。」
ボク、なんとかいえた。
まさきにいのかおが、ぱあっ、とあかるくなって、まるで、ひまわりのおはなが、さいたみたい。
「ホント?ホントにチョコ、くれるの?
うわぁ、うれしいーなー。」
「ママが、いつ、もっ、あそんでっ、もら、ってるから、プレゼントっ、しよ、って。」
「ありがとう。あけてもいい?」
「うん。」
「うわぁ、バスケットボールの絵が、書いてある~。これ、翔ちゃんが選んでくれたの?」
「うん。」
「ありがとう。大事に食べるね。」
まさきにいは、そういって、ボクのあたまを
なでなでしてくれた。
…つづく。