BLです。

苦手な方、受け付けない方は、お戻りくださいね。







雅紀にいの北海道編はコチラ

雅紀にいが、北海道に行ってしまってから6年が経った。

大学を卒業したら、そのまま北海道の動物病院に就職することを、母さんは雅紀にいの母さん
から聞いていた

オレは、今中学二年。

今年も、バレンタインデーが、やってきた。

雅紀にいは、好きな人が出来たのかな。

誰かに、チョコをもらうのかな。

いくら思ってみたところで、オレの気持ちは
届かない。

浮かない気持ちで帰り道を歩いていると、後ろから元気な声がした。

「櫻井くーん!待ちなさいよー!」

「なあんだ、桜田か。」

「なあんだ、桜田かぁ、じゃないわよ!
どうしてチョコ、ひとつも受け取らなかったの?みんな、泣いてたわよ。」

「別に、オレ、チョコあんまり好きじゃないし、ちゃんと他に好きな人がいる、って言ったし。」

「だからって、何で女の子が持ってきたチョコを、そのまま後輩に渡すかなあ!」

「いいじゃん。アイツら、喜んでたし。
チョコが無駄にならなくて良かっただろ?」

「…なんか、櫻井君、変わったね。」

「変わって当たり前だろ?いつまでも、
ねねちゃん、翔ちゃん、て訳にもいかないじゃん。」

「そりゃそうだけどぉ。」

そんなやり取りをしていると、前からキャリーバッグを引いた男の人が、歩いて来た。

オレは、ハッとした。

その人は、オレが思い続けてきた、雅紀にい
だった。



…つづく。