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Side−S
スオウを庇おうと、秀の国王の前に立ちはだかったマサキに、オレはかつての記憶を重ねて見ていた。
あれは…翠の城での出来事で…
翠の国王に拝謁しようと、オレはマサキと一緒に『謁見の間』で待っていた。
『謁見の間』と隣り合う『続きの間』では、ジュン皇子とカザマ、それにタツヤが待機していた。
そこへ現れたのは兵士たちを引き連れた秀の国王。
入って来るなり『国王に会わせろ』『城の周りは秀の兵士で取り囲んだ』『観念しろ』『我が国の傘下に入るのならば、命だけは助けてやろう』と、好き放題に数々の暴言を吐いた。
そこに『これは何の騒ぎか』と、サク王女が現われた。
『勇ましい姫君だな』『気に入った』『私の側室にしてやろう』
もちろん、サク王女は断った。
やって来るなり、いきなり『秀の国の傘下になれ』とは、如何に一国の王であろうと、全く持って無礼千万。
『誰がお前の意のままになど…』
逆上した秀の国王は『私に逆らえばどうなるか…』と、サク王女に掴み掛かり、その喉元に剣を突き付けた。
『サク姉さま…!』
だが、サク王女を庇って傷を負ったのは、マサキではなく…
『…ショウさまっ!!』
このオレだったんだ…
…つづく。