朴裕河パクユハ著 「帝国の慰安婦」を読む 6 | 気になる映画とドラマノート

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 65.朴裕河は、慰安婦は自分のものでない身体を持ったという意味で奴隷だったが、奴隷にしたのは、朝鮮人業者だ、と断じる。

 

 だが、ありもしない性奴隷と言うことは、慰安婦たちのもっと広く、多様な記憶(愛した日本兵と行き違いになって、会えなくなった女性もいる)を奪うことだ、と言う。他者が望む記憶だけを持たせることだ、と。

 


 

 ナヌムの家は、そうした恋愛の記憶を許さない、記憶を被害者の型にハメる場所なのだ。

 


 

 66.中学校の副読本にもなっているパク・ワンソの小説「彼女の家」。

 


 

 この小説は、朴裕河の解説によると、次のようなものだ。

 

 「挺身隊の公文書が家に来て、親は娘を納屋のワラの中にひそませて、隠す。

 

 そこへ、食糧隠匿の捜査に来た巡査が来て、ワラを銃剣で刺し貫く。

 

 すると、娘の腹が刺し貫かれて、腸が引きずり出されたと言う。」

 


 

 韓国ドラマでも、おなじみのどこまでも、グロテスクで残虐な描写で、誇張するとどこまでもエスカレートせずには、気がすまない韓国の物語の特徴が現れている。

 

 韓国ドラマの「花より男子」では、学校内のイジメの場面で、主人公は糞尿の類の汚物の入った袋を投げつけられる。

 


 

 そして、90年代のテレビドラマ「曙の瞳」では、本当は慰安婦とは、まともな教育を受けられない貧困家庭出身者が多いのに、このドラマでは、「独立運動家」の娘で、恋人は、学徒兵なのだ。

 


 

 1993年の「南伐なんばつ」というマンガは、「彼女の家」を上回る残虐描写で、韓国国民に慰安婦問題の憎悪を植えつけた。

 


 

 2012年の「カクシタル花嫁仮面」は、親日派を裏切り者として描いているが、朴裕河の見方では、植民地時代、新日派は裏切り者ではなく、大多数が、親日派だったのだということになる。

 


 

 youtubeで、見られている「少女物語」の主人公は、小作人まで持っている豊かな家の出身だが、学校に行かなかった理由は、父親が反日思想家で、日本式教育を拒否したから、という、なんとも意固地な設定になっている。

 


 

 アニメでは、日本軍人が無理やり、アヘンを注射する場面になり、ナレーションでは、風俗業者が無理やり、アヘンを注射したとしゃべる。

 


 

 朝鮮人性風俗業者のあくどい犯罪である強制アヘン中毒を、日本軍のせいに仕立てる。

 


 

 67.朴裕河は次のような論点で、慰安婦像を批判する。

 

 1.これでは、まるで多くの場合、成人女性だったのに、少女が多かったみたいだ。

 

 2.彼女らは、朝鮮業者に虐げられたのに、毅然として、日本に立ち向かっているみたいだ。

 


 

 3.家の犠牲になった心情がまるで伝わらない。

 


 

 4.日本軍の孤独な兵士に同情を寄せた心情がまるで伝わらない。

 

 5.慰安婦像は、反日運動家たちを顕彰するものであって、慰安婦とは関係ない。

 

デモ1000回という回数を記念している彼ら。

 

 68.わたしは、朴裕河の言う事がはっきり理解できる。日本人のなかの、真実に迫る意欲のある者は、妄想の誇張された慰安婦に謝罪しようとすることを拒否して、朴裕河も言う、慰安婦のおばあさんたちの若き日の実像をこそ、思い起こすべきなのだ。

 


 

 69.2003年米軍の装甲車に轢かれて死んだ少女の親は、娘が反米運動の象徴にされることを拒んだ。

 


 

 70.2011年12月、慰安婦のおばあさんたちは、アメリカのユダヤ人強制収容所から生き延びた人と対談して、「軍人の部屋の入るのを拒否したところ、あらゆる拷問を受けた」と言ったが、朴裕河によると、そのおばあさんは、20年前にも証言していて、拷問をしたのは、軍ではなく、朝鮮人の業者と証言しているのが、まるで、軍の拷問のように話が変わっている、と朴裕河

 

また、聞く方もそのような方向性を期待して聞く。

 


 

 71.朴裕河に言われるまで、気が付かなかったが、韓国では、李明博時代に、韓国政府が人道的解決を日本に提案して、野田首相が首相謝罪と補償を行うことで、完全決着(くすぶりを止める)を図ろうとしたところ、挺身隊問題対策協議会が、李明博を、「日本に国会決議と法的賠償をさせろ」と非難。そのため、野田首相の申し出を韓国は急遽断ったという。あくまでも、協議会は、民間の責任にすり替えるのは、許さないというのだ。李明博は骨の髄まで親日、という表現をした。

 

 ※おそらく、これに対する必死の打ち消しが、その後の李明博の竹島上陸、天皇侮辱という反応につながったが、日本人はこのことに気が付かなかった。

 


 

 72.つまり、朴裕河は、重要なポイントは、自分も慰安婦のほんとうの気持ちも、政府の本音も、「国家の法的解決ではなく、民間の気持ちの補償金と首相に謝罪の手紙で、すべておさめて、後は歴史学的探究に戻るべきと考えるが、協議会は、政府を親日だと突き上げ、日本の国会の法案による賠償を最低条件としいているのだ、と整理している。

 


 

 73.米軍基地の売春施設で働いて、やがて自立して、あがいて、自分の足で歩くようになった、という実感を得たキム・ヨンジャは、アメリカで講演した時、なんだ、主人公は、女性人権活動家、反米反戦活動家のほうじゃないか、と呆れる。

 


 

 74.非難、怨恨をばかり強調して、なぜそうなったのかを考えようとしない。だから、韓国自身の米軍基地の基地村が同じ事をしても、それにはホッカムリする。

 

 協議会は、日本政府は法的責任をとらず、北朝鮮に対する敵視政策を固守しながら、日本の戦争犯罪を反省していません」というが、この言葉を慰安婦のオモニが聞いたら、呆れ果てるだろう、わたしに、なんの関係があるのか、と。

 


 

 75.挺身隊問題対策協議会は、オランダ女性の売春収容所と連携したが、バカじゃないのか、オランダがインドネシアに帝国主義進出をしていたから、そういう目にあわされたではないか、被害者ツラできるか、といわんばかりの朴裕河。

 


 

 76.慰安を犯罪視することは、法的には、不可能、と朴裕河が言明。

 

 総責任者は<国家>ではあるが、系統立った方針と命令体系が確認できない以上、法的責任を問えない、とする。だから、「首相のおわび」でよく、立法措置による賠償を求めないのが、正しいとする。また、その道義的責任は、彼女たちを守れなかった韓国の歴史も問うべきだ、という。

 


 

 77.朝鮮民族出身の日本兵だって、中国を蹂躙し、性犯罪をやったんではないのか?と朴裕河。事実、BG級戦犯に朝鮮人兵士がいて、朝鮮人にかぎって、礼儀正しく戦争したわけではない、と。

 


 

 78.森崎和江の「からゆきさん(日本人)」は、朝鮮労働者にいじめられる。だが、人間として、どこの国の人でも、痛みを正当化されてはならない、と朴裕河。

 


 

 79.慰安婦は反日に象徴にしておきながら、朝鮮人日本軍兵士を親日派とみなすのは、おかしいではないか、と朴裕河。※女優、黒田福美が、沖縄の海に散った朝鮮人特攻兵の慰霊碑をつくろうとしたところ、韓国社会から、黒田福美に反発して中止。

 


 

 80。ここまで来て、興味深いことがわかった。

 

 2006年に支援団体と慰安婦60名が「韓国政府が慰安婦問題解決のために努力しないのは、憲法違反」という訴訟は、2011年に韓国最高裁において、韓国政府の不作為の憲法違反となったのだが、この訴訟の焦点になったのは、日本は「醜業を行わしめるための婦女売買の禁止に関する国際条約」に違反していたのだから、日韓協定の対象外としている事は不当だと、韓国政府は主張すべきだ、というのだ。

 


 

 「醜業を行わしめるための婦女売買の禁止に関する国際条約」の禁止とは、売春のこととは、思えない、というのは、オランダの飾り窓、フランスの街娼、アメリカのストリートガールをはじめとして、国家が売春を取り締まっても、取り締まりきれないのは事実で、売春が存在することは、国際条約違反には、なりえないのかというと、そうではない。国際法の専門の藍谷邦雄によると、公娼制を認めて、仮にたてまえであって、根絶できなくても、違法としていなかったことが、国際法違反なのだという。しかし、藍谷邦雄によると、国際法というのは、違法と認定しえても、賠償義務がないという。

 


 

 ここで言っている婦女売買とは「人身売買」で、黒人奴隷の人身売買とちがって、日本の「身売り」とは、借金を返せば、後は自由になり、金持ちが借金を返済すれば、そこを離れることが可能だったので、身体を丸ごと所有し売り買いするという意味ではなかった。・・・と、言いたいところだが、なんと、ポーズであれ、なんであれ、売春業を違法をしていれば、現実にいくら売春の多い国でも、国際法上合法だという、ものすごいザル法なのだ。だいいち、朝鮮半島のいくら無数にキーセンハウスが存在しても、その韓国という国自体が消滅している以上責任が、日本政府に帰せられる。なぜ、違法としなかったんですか?と。くりかえすが、この国際法は、現実にアメリカ国内にいくら無数にコールガール、ストリートガールが存在していても、国内法で違法としてさえいれば、国際法上も、合法というけったいな法なのである。

 


 

 また、朴裕河は、仮に百歩譲って売り買いしたとしても、それは業者であって、国ではない、日本が人身売買禁止条約違反をしたと言う勝手な解釈を結論づけた上で、日韓協定の範囲外としているのは、おかしいと言っている。

 


 

 だが、問題はもっと根深い。韓国は、併合下、あらゆる国家悪の主体となることを免れていたのであり、すべては、日本国の国家悪に責任が帰せられて、韓国は無垢であり、責任を問われる立場のない35年間(正確には35年)だった、ということなのだ。つまり、どんな国も、自己の歴史の上で、罪と失策を犯しかねない綱渡りを歩むのだが、韓国は、日本の大船に乗って、その船を下船したあとに口をきわめて、存分にののしり始めたのである。考えてもみるといい。35年間にかぎって、いくらキーセンを使っても、その時、韓国という国自体がないのだからあ、法的に韓国国家の責任はあろうはずもない。その他、韓国国内で、どのように、朝鮮人自身が詐欺をしようと、労働法違反をしても、その間のすべdての責任は日本の責任で、韓国の責任は問われないのである。

 


 

 助手席に乗っていくら寝ていても、もちろん運転手の交通事故の責任は問われないが、この寝てばかりの同乗者が、あんたは、交通違反をしたよねと責め立てたらどうだろう。ふつうは、自分はまかせきりだったからと、黙っているのではないだろうか。韓国の司法は、韓国が36年間、無責任で居られたという面を忘れているのだ。

 


 

 81.朴裕河は、韓国併合は、心情的に、朝鮮人の意思とは乖離したもので、国際法てきには、合法だとする。(アメリカとイギリスが承認したこと。併合手続きを両国政府が法的手続きに則って合意した事。)

 

 ※この時代、新聞、テレビ、普通選挙が国民に行き渡っていない条件のもとでは、フィリピンのアメリカの植民地化、ハワイ併合、英国の香港租借など、あらゆる国際条約は、国民大多数からみれば、反対も賛成もなく、何が起きているか知る手段さえなく、上の人間が決めるものでしかなかった。

 


 

 日韓協定当時、韓国代表もこの事を理解して、併合違法論を主張しない事にして、「植民地支配に対する賠償請求」しなかった。

 

 何についての請求か、と確認する日本側に対して韓国は、「被徴用者の生存者、負傷者、死亡者の当時規定によって、受け取るべきもので受け取る事がでなかった事情のある分のすべて、とその精神的苦痛の補償」だった。

 


 

 これを当時の韓国国民の理解では、植民地支配の賠償だろうと、思い込み、植民地支配の賠償ならば、もっと莫大な賠償金になるはずだ、足りない、と憤激した。

 


 

 日本は、未払い賃金とその慰謝料というのであれば、個人に属するのだから、個人に個別に支払うと回答。

 

 コレに対して韓国政府は、韓国政府が代わって受け取り、代わりに、個人に支払うと言って受けとり、帰国後、経済発展に使って、豊かになってから、個人に返そう、と苦肉の策を取った。この内容が、2005年になって、文書を開示して、韓国国民の知るところとなり、韓国政府は、韓国が豊かになってから、補償するという約束の一部を、2006年になって、はじめて徴用者、徴兵者の本人、遺族に補償を実行しはじめる。

 


 

 (1990年代後半には、慰安婦に対して、日本の民間つぐない金を拒否させる事を目的として、慰安婦認定者に韓国政府から、補償金を支給。)

 

 朴裕河によると、日本における慰安婦訴訟がことごとく原告敗訴になるのは、韓国側の要請で、個人請求分を代わりに受け取っていた事実が原因だと言う。

 

 そして正確に言えば、この時、韓国は、被徴用者の賃金未払い分、死亡者埋葬料、遺族扶助料とその慰謝料を言っていたのであり、慰安婦について問題にさえしなかったというのが事実だった。日本は、何についての補償なのか、明確に言ってほしいと聞いた上での補償だったので、徴用問題にかぎらず、あらゆる請求権問題はすべて終了した、という立場を取ることになった。

 


 

 韓国歴史ドラマなどでは、当時の朴正煕大統領は、韓国経済の発展のために、申し訳ないが使わせてもらって、豊かになってから補償しようというセリフがあるのだが、朴裕河によると、真相は、経済資金に使う事よりも、むしろ、北朝鮮の取り分までも代わって受け取ることによって、北朝鮮に個人補償名目で、請求させない戦略だった、と言う。(2009年に出されたチャン・バクチンの説)

 


 

 82.朴裕河によると、韓国の憲法裁判所は、慰安婦の実態を支援団体の誇張をそのまま受け取っていること。そして、慰安婦が日本から個人補償をうけとれなくなった、理由が、韓国政府が協定当時に、補償の対象はなにか、と聞かれて、慰安婦たちの精神的苦痛も含むと答えなかった、間抜け、女性の悲劇への無関心に大きな責任がある事を韓国憲法裁判所が理解していないという。

 


 

 83.朴裕河は、2007年の7月のアメリカ下院決議の問題点を次のように指摘している。

 


 

 この下院決議では、日本軍が強制中絶をしたとされた。なぜ、下院の問題提起者が「強制中絶」を強調したか、その真相は、アメリカのキリスト教保守系思想が、中絶を嫌うからで、嫌う中絶を日本軍がしたと聞けば、強い憤激を呼ぶからだ、という。そして事実は、中絶強制は、朝鮮人業者の為した犯罪行為であって、日本軍のしたことではなかった。

 


 

また、韓屋の米軍基地周辺の身を売る女性たちが望まない妊娠をすると、その多くは海外に養子に出された。

 


 

 84.アメリカ、EUにおいて、日本は、慰安婦問題の存在を受け入れるべきとする姿勢が定着したのは、「強制中絶」の強調が効果をあげた面が大きいとされる。


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 わたしは、韓国が対北朝鮮向け地対空ミサイルの訓練をするのを見るにつけ、韓国はいつ日本にミサイルを向けるかわかったもんではない、怪しい国だと思ってきた。


 朝鮮日報23日付け記事によると、7月22日、韓国セヌリ党の最高委員の金乙東(キム・ウルドン)は、対馬を大まじめに、本来、韓国の領土だと主張した。

 
金最高委員は「李承晩(イ・スンマン)元大統領は60数回にわたって日本に対馬返還を要求している。サンフランシスコ講和条約の過程でも韓国は日本から対馬を返してもらわなければならないと訴えた」と述べた。

  さらに、「対馬が韓国領土だという根拠は歴史の中にも見いだすことができる。高麗の昌王の時代(第33代高麗王、在位:1388-89年)に文官のパク・ ウィが、世宗1年(1419年)には武官の李従茂(イ・ジョンム)が対馬を征伐し、我が国の領土として服属してきた」と語った。


これを、新聞記者が批判する気もないのが、韓国のどアホなところだ。