山本太郎と安保法制論議 | 気になる映画とドラマノート

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参院議員山本太郎、生活の党共同代表は、安保法案質疑において、以下のような論を執拗に安倍首相に質問した。

 


 

 原爆投下、無差別空爆はジュネーブ条約、ハーグ陸戦規定に違反していると思うかどうか。イラク戦争において、アメリカ兵がイラクで蛮行を行なったという内容の報告を示して、これを国際法違反と思うかどうか。

 


 

 徴兵制は、意に反して苦役を受けることはない、という憲法に違反しているか。

 

 (政府答弁は、まさしく、その憲法によって、徴兵制はないとする。)

 


 

 ところが、山本太郎はこれに対して、「経済的徴兵制」なるものをつくりあげて主張する。

 

 山本太郎がいう経済的徴兵制とは、大学を出ても就職先がなく、なおかつ奨学金を返済できない大学卒業生は、「意に反して」自衛隊に入隊しなければならないから、「経済的徴兵制」だというのだ。

 


 

 こうした山本太郎の主張は、インターネットの動画サイトにアップされて、コメントされた意見をみると、かなり支持されているのである。

 


 

 しかし、わたしが、アメリカもかなりおかしいという時、韓国や日本の左翼が「日本は最低最悪の軍国主義」と主張するのを打ち消したいという動機で言っているのであって、けっして、安保条約を否定したいのではない。

 


 

 アメリカの歴史が薄汚れているなら、ソ連、英国、フランスなどもかなりひどい人種差別国家だったのである。そして、現在、日本にとって差し迫った懸念をもたらす国は、北朝鮮、韓国、中国であり、アメリカは、北朝鮮、韓国、中国の日本への懸念を抑止する同盟国として重要だというふうに状況は変化したのである。

 


 

 山本太郎の論法に従うと、アメリカはジュネーブ条約違反をした国家であり、現在でも、しばしば残虐行為をしているから、安保条約を廃棄しろ、という事になるのだが、その場合、昔ながらの議論、非武装中立論、あるいは軽武装単独防衛という「中国は侵略するはずがない」という先様頼りになってしまうのだが、山本太郎は「野となれ山となれ」式に、安保条約解消後の帰結までは言わないし、中国がベトナムに侵攻して戦争した事実は指摘しようともしない。

 


 

 経済的徴兵制なんてのは無いのである。

 

 徴兵制に退職の自由はないが、自衛隊に退職の自由はある。

 

 そもそも、大学を遊ぶために入学する学生が急増し、奨学金の切実な必要ある人間にまで行き渡らくなった大学設立政策に問題があった。

 


 

 職人や専門職を育成する学校が多く、教養過程の大学を遊ぶためだかなんだかわからないような大学生活のために、行く学生が奨学金返済に困る事自体がおかしいので、意に反して自衛隊に行かざるを得ないなどと勝手に解釈するのは、度を越した強弁だ。