音楽ジャンルって? | tAkknのblog

むしろ注釈の方が本文になっている(笑)
久々に日記。

Facebookやmixiからの転載です。


ふと、思い出して懐かしくなって検索。
Screaming Headless Torsos

YouTubeのリンク

’96年のLIVE映像。当時は映像作品を観る機会がなかったので、こういうのがYouTubeで探せるとは、いい時代になったと、感慨深い。

当時の僕は「新しい音楽」を模索していた(※注1)ので所謂「クロスオーヴァー」だの「ミクスチャー(※注1-2)」と呼ばれているような音楽を音楽雑誌のレビューで見つけてきては買いまくった。給料日になるとCDショップに走って、時には10枚以上いっぺんに購入することもあった。
当然、当たり外れも多く、「刺さる」モノはそんなに無いのだが、そんな中でかなり「刺さった」のが奇才・デビッド・フュージンスキー率いるScreaming Headless Torsosで当時はかなり聴きまくった。コピーしようという気にはならなかったが(笑)
1stアルバムを聴いてぶっ飛んだ。そしてLIVEアルバムを聴いて更にぶっ飛んだ、複雑で難解な曲をLIVEで完璧に演奏。デタラメに弾いてるかのようなスケールアウトしたフレーズも、LIVEで完全に再現していた。「それってインプロヴァイズじゃないんだ、決め打ちなんだ…!?!?」全員がとんでもない超絶技巧。この映像は、そのアルバムと多分同じか、同じ頃の映像。

ジャズであり、ファンクであり、プログレ、フュージョン、ヒップホップ、ハウス、レゲエ、パンクを内包し、且つ変態(褒め言葉だぞ)で前衛的で何より「ロック」を感じる演奏。(※注2)20年以上経ってるけど、面白い。いいもんはいいねえ、と思った。デビッド・フュージンスキーのトーンはあんまり好きじゃないけど。もっとパキっとした音出さないかなぁ、そこだけは頑なにジャズ(※注3)なんだね。

実はそのLIVEアルバム以降、Screaming Headless Torsosの情報が入って来なくて。数年前にあんまり話題にならなかったけどひっそり2ndアルバムが出てたらしいよ、って何となく耳にしたくらい。2005年に出たというアルバムをYouTubeで聴きながら今これを書いている。いい時代になったものだ。
デビッド・フュージンスキーはジャズピアニストの上原ひろみのバンドの固定メンバーになってるみたいね。ダブルネック(1本はフレットレス)のギターで、変態度が増していた。

※注1:その暫く前からEXTRIMEが「ファンク・メタル」を標榜していたけど、なんとなく目指していたものはそっち方向だった。「どんなバンドやってるの?」と聞かれると「ミクスチャー崩れのヘヴィ・グルーヴ」とか答えていた。恥ずかしい。自分はそうでもないくせに、テクニカルでグルーヴィなバンドを目指していた。恥ずかしい。僕の中で「ファンク・メタル」はINFECTIOUS GROOVESなんだけどね。

※注1-2:「造天寺」を始めた時に「新感覚ミクスチャーバンド」という見出しをつけた。これは’90年代のフィッシュボーンやレッド・ホット・チリ・ペッパーズやフェイス・ノー・モアを意識していたのだが、レッチリが「ミクスチャーの代表格」になったことで「ミクスチャー」とは「ホーンセクションなしのロックバンド形態で演奏するファンク」のような位置づけになった。’90年代はいつの間にかオルタナティブロックやグランジの時代になっていた。テクニカルなものはダサい、カッコ悪い、メタルはダサい、オタクが聴く音楽、という風潮になっていった。’03に「造天寺」を始めた頃、福岡には「ミクスチャー系」と言われるバンドがいくつか居て、「今時になってミクスチャーかよ…ミクスチャーって何年も前に廃れたんじゃないの…?」と思って観てみたら彼らの言う「ミクスチャー」とは「ラップロック」「ヒップホップメタル」だった。いつの間にか「ミクスチャーの代表格」はレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンやリンプ・ビスキットになっていた。

※注2:2000年頃から「ジャンル」だの「カテゴリー」だのという言葉を馬鹿らしく感じるようになった。便宜的にロックだジャズだという言葉を使わなければ表現が難しいから使うのだが。「音楽には2種類しかない。来るか、来ないか、だ。」(椎名林檎の受け売りなんだけどね)というようになった。自分にとって、心に響くか、響かないか、それしか無い。
だから、「どんなジャンルの音楽やってるの?」みたいに聞かれると腹が立って、ふざけて「ヴィジュアル系です」とか答えていた。どんなジャンルの音楽かは観に来て、自分で判断すればいいじゃん?
ミニ〇ーサイ〇というバンドをやってた時にヴォーカルのブログに正に「どんなジャンルの音楽やってるの?」みたいなコメントがついた。ムカついて他人のブログだけど「どーも、バンドのギタリストです。ジャズパンクハードコアカントリーポルカヘビメタ(ヴィジュアル系)です」みたいな感じで滅茶苦茶な横槍コメントした。そしたら「え…ヴィジュアル系なんですか…?私苦手…」みたいなコメントが返ってきて「ざまあみろバーカ」と思っていた。そしたらォーカルの奴が「これは冗談ですよ、メロディアスな感じです」とコメントしやがった!「メロディアス」ってなんだ!?そんなもん、極端なノイズミュージックとか和太鼓グループとかリズムだけのバックトラックに乗せたラップとか以外はなんでもメロディがあんだから「メロディアス」じゃねーか!メロディアスを「美しい旋律」だとか「旋律に拘った音楽」だと解釈するなら、お前の書く曲はメロディアスじゃねーぞ、と。ありきたりのつまらないメロディをバックのメンバーがアレンジを工夫してなんとか曲に仕上げてやってんじゃねーか。「メロディアス」なんて高級な言葉はスケールやモードを完璧に理解している人間しか使っちゃいけないと思っている。まぁこういうこともあったりして「どんなジャンルの音楽?」みたいなことを言ってくる人を僕は苦手としている。

※注3:ジャズギタリスト(若しくはジャズ風の演奏を取り入れている人)以外で、ギター本体のトーンを絞って演奏しているのを見たことがない。エリック・クラプトンは、あれはミッドブーストだからね。アクティブ回路内蔵。単純にハイをカットするのとは違う。逆にトーン回路そのものをカットするモディファイはいくらでも見たことがある。こんなこと言うけど、勿論、僕はジャズが嫌いではない。
「あたしぃ、ジャズ聴くの好きなんですよォ」「え?そうなの?ジョン・コルトレーンはさぁ…」「あ、あたし人とかわからないんで。」そういう女が嫌いだ。お前がジャズを、というか音楽を語るなバーカ。「ジャズが流れる洒落たカフェの雰囲気とかが好き」とか言えよ。しかし世の中にはそういう女が多い。
まぁ、ジャズっつてもデキシーランド・ジャズ、ビッグバンド・ジャズ、スウィング・ジャズ、モダン・ジャズ、モード・ジャズ、フリー・ジャズ、ラグタイム・ジャズ、コンテンポラリー・ジャズ…色々あんだけどね。

ほら、「ジャンル別け」なんて、どうでもいいことのような気がしてきたでしょ?