もう一つの物語り【愛染】293 | シンイLove♥魅惑の高麗ライフ

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あくまでも管理人の妄想の世界です。
ご了承の上お読みくださいませ。

 
 
 
 
孤児院から戻りウンスの待つ部屋へと戻る
 
「お帰りなさい、夕食できてるわよ…手を洗って」
 
「ああ…」
 
いつもと変わらない短い返事
手を洗い食卓へつくヨン
 
「ジノ君どうだった?帰ってたの?」
 
ご飯を運んできてテーブルに並べるとウンスも座る
 
「ああ…戻っていた」
 
「そう、何もなくて良かったわね」
 
「ああ…」
 
「それにしても、どうしたのかしらね
こんな事珍しいんじゃない?ジノ君はヨンが大好きだもの」
 
「ああ…」
 
ここでウンスはクスッと小さく笑うと
 
「何かあったんでしょう、説明し難いこと?」
 
ヨンは箸を手に取ると夕食を食べ始めた
ウンスもそれ以上は追求しなかった
こういう時は言いたくないのではなく
ヨン自身が何か戸惑っているのだ
それからのヨンはいつもと変わらない様子だった
翌日は金曜日、朝からテマンとトクマン
チェリンとミンジュがマンションの仕事場を訪れた
 
「あれっどうしたの?仲良くお揃いで」
 
ウンスの揶揄うような言葉に四人は一斉に頬を染める
その様子に逆にウンスの方が驚き立ち上がる
 
「えっ?何…どういう事?」
 
四人の周りを一周する
 
「えっ…ウンス姉さん知らなかったの?」
 
ララもニヤニヤしながらやってくる
 
「ララ、何か知ってるの?」
 
ララはウンスの耳元で
 
「とっくの昔にカップリング成立ですよ
それでね組み合わせはゴニョゴニョゴニョゴニョ」
 
「そうだったのね、仲良いなって思ってはいたのよ
ふ~~~んそういう事なんだ」
 
ウンスとララが四人をニマニマと眺めていると
 
「何用だ…さっさと言え」
 
ヨンは四人の事は我関せずと言うように訊ねた
トクマンが慌てたように
 
「はい明日の土曜日にワン・ギさんが
奥様とお出かけになりたいと仰せですが」
 
「何処へ?」
 
「はい、デパートだそうです」
 
するとララが
 
「あっばあやが今朝言ってたわ
お昼にウォノンとばあやも合流してイタリアンでランチだって」
 
「それで誰が付くのだ?」
 
間髪入れずトクマンが
 
「我等四人で」
 
ここでヨンの視線が上がり四人を捉える
 
「四人も警護に付くというのか、目立って仕方あるまいに」
 
ヨンの言葉を受け目が泳ぎだす四人
勿論ヨンが見逃す筈もなく
 
「何だ…他に言う事があるのか」
 
こういう場面になるとウダルチテジャンそのものだ
 
「そ…それが…ご夫妻がランチの間
買い物に行きたいのですが」
 
トクマンの言葉にヨンの眼光が鋭くなった
 
「まあまあチェ・ヨンさんも落ち着いて」
 
見かねたララが口を挿む
ヨンの眉間に僅かに皺が寄るのを見て
ウンスがそっとヨンの隣へ
 
「そこのイタリアンのお店知り合いなのよ
VIPルームで個室だし
四人が戻るまで部屋から出ないように
オーナーにお願いするわ
それにばあやに頼んでおけば間違いないわよ
いつもコンビニとスーパーしか行かないんだし
せっかくなんだから少しくらい良いじゃない」
 
するとウンスも
 
「そんなに心配なら私達が迎えに行けば良いじゃない
ねっ、だから行かせてあげましょう
あまり時間も残されてないんだし…」
 
「そうだよ、あの店オープンカフェもあるから
それにここは現代だよ…安全だって、心配ないと思う」
 
ララも追加の援護射撃、ヨンは諦めたように
 
「わかった、帰りは俺がお連れする」
 
「はっ!ありがとうございます」
 
四人は頭を下げるとそそくさと仕事部屋を出て行った