仲直り | My life is too absurd to be taken seriously.

仲直り

この年にして、ケンカ別れなるものをした。
些細なことで、別れると言われ。
頭に着て家の荷物を郵送で送りつけた。
1週間後、ジローから私の好物の情報のみがポツポツ送られてきた。
激辛麺のお店、地方の日本酒。
ただただ情報だけが、通販のメルマガごとく送られてくる。

ごめんなさい、許してー。
の代わりなのだろう。
素直に謝ればよいのに...
大人げなくて、可愛い。

3週間経っても、相変わらずメルマガ状態。
素直に思いを送らないジローを、適当に放っておいた。

たまりかねたように、私の名前を呼ぶメールが昨日送られてきた。
あまのじゃくも限界か。

流石にかわいそうになって、返信した。
"いつまでそんなことしているの?
あなたの頭がおかしくなっちゃいますよ。
カレーを作るから食べに来て。"

ジローはあっさりと、シーフードかな?泊まってもいいよね?というメールを送ってきた。
そして2時間後、ケンカ別れなんかなかったかのようにイソイソとウチに表れた。

そして、ケンカ別れ前となにも変わらない空気で二人カレーを食べながらワインを開けて仲良くDVDを見た。

ようやく夜遅くになって、ジローがポツリポツリと話し出した。
私の気持ちを確かめたくて、別れ話をしたと。
薄々、そんなことだろうとは思っていた。
そうさせた私に原因があったにせよ、なんて幼稚な。
これから先が思いやられるが、初回は軽い注意を。

深く、反省して下さい。

そう一言だけ伝えた。
ところが、こちらの気も知らずケロリとこう言われた。

それは相手がマミさんだからだよ。
取り扱い説明書のないiPhoneみたいなマミさんだから。
使いこなすには色んなボタンを押してみないと分からないんだもん。

あきれた。
今回の件を10人の女性に話して全員から反感をかって思い知りなさい。
そして、深く、深く、反省しなさい。

ジローは部屋の扉にそっと身体を隠し、小さく頷いた。

晴れて仲直りをし、手を繋いで寝た。
3週間ぶりに安らぎを感じれた。
この子供みたいな45歳とこれからも一緒にいるんだなぁとつくづく感じた。