2日目続きです。
以前から信仰というよりも文化や芸術の観点から「チベット仏教」に関心を持っていました。
なので、今回モンゴルを訪れるにあたって絶対行きたい(草原でゲルに泊まるよりも)と思っていたのが、チベット仏教のお寺と美術館でした。
モンゴルには、チベット仏教とシャーマニズムがミックスされた、独自の宗教観があり、国民の半数近くは仏教徒ということですが、最近は若い人を中心に無宗教の人も増えているのだとか、日本と似ていますね。(クリスマスパーティーをする家庭も増えているとのことでした)
でもやはり根底には古から脈々と続く仏教の精神があるようにも感じました。
一方、モンゴルは1921年に中国から独立してから1992年にまた民主化されるまでの約70年間は社会主義国でしたので、「宗教は社会主義の敵」とみなされ、ロシア軍によって多くの寺院が破壊されてしまいました。その後修復されたものもありますが、崩れたまま残されているものも多くあり、そのひとつがウランバートル郊外にあるマンズシル寺院で、行ってみたかったのですがスケジュール(と体力)の関係で今回は見送りに…
そして今回最初に向かったお寺が、モンゴル最大の寺院でありウランバートルの名所でもある「ガンダン寺(正式名称:ガンダンテグチンリン寺院)」
このお寺、一般的には1727年に雍正帝によって創建されたと書かれている事が多いのですが、地球の歩き方には1838年ボグド・ハーン5世によって建立と書かれているのです。モンゴル的には清の皇帝が創建というより、モンゴル人のハーンが建立した(約100年後に建て直した?)歴史の方が大切なのかもしれません。(この辺りの事実関係は私が調べた範囲での事なので違っているかもしれません…)
ガンダン寺の敷地はとても広く、沢山の建物や名所があり、本当は入口の山門からずっと歩いてまわりたかったのですが、この後また別会社訪問の予定等もあり、私も強く主張は出来ず、更に雨も少しポツポツして来たので、車で行かれるギリギリのところまで連れて行かれ?いきなり観音堂入口へ
観音堂は入場料が必要
ここだけではないのですが、モンゴルのこういった場所の場合、普通の入場料、写真撮影OKの入場料、ビデオ撮影OKの入場料等入場料が分かれています。
今回私は写真撮影OKの入場料を支払って中へ…(写真撮影可能の腕章みたいのつけるわけではないので、そんなに厳しくはないのですが、お寺で不正は良いわけないし、万が一捕まるとモンゴル警察怖いですよそんなに高くないので入場料はきちんと支払いましょう)
観音堂の中には高さ20メートルを超す観音像があります。この観音像は「開眼観音」と呼ばれる観音様で、盲目になったボグド・ハーン8世が治癒を祈願して建立されたものです。ただし観音像は、先にも書いたとおり仏教弾圧が猛威を振るった1930年代にスターリンの命令によって撤去、破壊されたため、民主化後(1996年)に再建された2代目の観音様です。
また、屋外には一本の柱が立っていて、これはロシア軍がガンダン寺の破壊を試みたとき、何をしても倒れることがなかった命の柱。さらに切り落とそうとすると木から血が流れたと伝えられていて、現在では魂の宿る柱として大切に扱われています。
モンゴルでは宗教の自由を奪われた激動の時代もありましたが、人々の心からチベット仏教を信仰する気持ちが消えることはなかったのだと思います。
私は歴史も経緯もそれほど詳しくはないし、信仰も薄い人間ですが、その観音様といよいよご対面した時、久しぶりに鳥肌が立ち魂が震えるような感覚を味わいました…
まさに私が見上げた目線で撮影させて戴きました。
そのお足元
観音像の両側にいらっしゃる仏様
この円筒形のものは「マニ車」
マニ車はチベット仏教の仏具であり、時計回りに回すとお経を唱えたと同じだけの徳が得られるそうです。
観音像を周回するように僧侶の人形?と沢山のマニ車が並んでいて(この時、夫の友人は別場所で仕事、弟君は外で待ってるという事だったので、何も説明が得られず…やはりこういう場所はしっかりガイドつけるべきでした)独特の荘厳な雰囲気、私も気持ちのままにマニ車を回したりしながら歩きました。
尚、退出する時は決して観音様にお尻を向けてはいけません。
これも知らなかったのですが、ちょうど退出する日本人ご夫婦のガイドさんが説明しているのが耳に入りました。危うく後ろ向いて普通に退出(お尻向けちゃう)するところでした。良かった良かった~と思ったら、何とそのご夫婦、成田空港のMIATカウンターで私たちの後ろに並ばれた方でした。不思議なご縁です。
入場料を払った際に戴いたガイドブックの寺院内マップ
これを事前にじっくり読んでから行きたかったです(次回は!?)
この後また別件すませて、次は「ザナバザル美術館」へ
最初私が「いくつか美術館に行きたいけど、ザナバザル美術館がプライオリティ1」と伝えた時モンゴル人にとても驚かれて「モンゴル近代美術館じゃなくて??」と何度も念を押されたのですが、私が一番行きたかったのはこの小さな美術館
2階建ての洋風な建物もステキ(車がいっぱいですが殆ど美術館目的ではない)
入口で入場料を支払います。
普通入場は15000トゥグルグ(約750円)
私は写真撮影希望なのでぐっと上がって45000トゥグルグ(約2250円)
モンゴルではこれかなり高額なのですが、その価値は十分にある展示内容です。
2階に上がる階段の横というかちょっと不思議な場所に鎮座する(正面から撮影できないようになっている)この美術館の名前にもなっているザナバザル像
ジェブツンタンパ1世(生き仏・ザナバザル像 1635-1723)
頭光(光背?)が虹のようで美しいです
古代から20世紀初頭までのモンゴルの美術品が数多く集められていて、ここも1日、せめて半日かけてじっくり見たい場所なのですが、夫も同行のモンゴル人もそれほど興味無し、知識もあまりなくてむしろ私が知っている範囲で説明して「へぇ~」とか言ってる状況で…
次回あるなら美術系の学生紹介してもらって案内してもらおう…
有名なのはそのザナバザル作の仏像、なかでも有名なのは「白いターラー像」、私も対面した時、先ほどのガンダン寺の観音像とはまた違う感動で涙が溢れ、何故か正面から写真が撮れませんでした(撮らないで私の心に残そうと感じた)。
その周りの仏像もどれも美しかったのですが、その白いターラーは別格でした。
この本の表紙が白いターラー像(私が見た表情とかなり違うのですが…)
白いターラー像の感激も冷めやらぬうちに次の部屋でまたびっくり
ここはアップリケで作られた仏画のコーナーなのですが、その大きさと細かさにただただ驚く…(これが宗教の力なんだろうなぁ…)
そして最後、現代モンゴル美術コーナーで
国民画家シャラフの作品「モンゴルの一日」の原画をじっくり拝見
これが一番見たかったはずなのですがそれより惹かれたのはこちらの絵「ナーダムの一日」?「馬乳酒の一日」?題名がやや不明ですが何故か魅かれてずっと見てました。
複写転載避けるため画像加工してます
とにかく圧巻のザナバザル美術館でしたが、あまりメジャーではないのか私がこの日滞在中に美術館に居たのは私たちのグループ以外にもう2組くらい。
でも美術館入口ロビー(入場料払う前)のベンチは沢山のモンゴル人が休んでいましたが…
最終日にもう一度来よう…と思っていたのですが、結局行かれず…
きっとまた行こう…
この後はモンゴルミッションのひとつでもある「モンゴル産馬毛を使った書道筆の購入」のためいくつかのお店を回ったのですが、私の求めるものには出会えず…
ていうかもうこの段階で頭も心も飽和状態、体力的にも限界(15000歩歩いている)なので一旦ホテルへ戻り小休憩。
そしてこの夜もみんなでご飯
私の希望で「きれいなモンゴル料理レストラン」へ…
という事でセットしてくださったのは、シャングリラホテルに併設するショッピングモール内にあるモンゴリアンレストラン
モンゴル伝統食セット
手前の揚げてあるのがホーショール(羊肉入り揚げ餃子)
真ん中が羊のスペアリブとワンタンの皮だけみたいな感じのものと野菜と内臓のソテーだったかな?
そのお皿の向こうはボーズ(蒸し餃子)
もう一つのお皿は羊の腸詰と野菜を炒めたもの?だったかな?
説明してもらったのですが、忘れてしまいましたが、とにかく羊羊羊穀物野菜と言った感じ。
さすがに私には重いので、蒸し餃子と野菜とワンタンの皮みたいのを特製タレ(これが凄く美味しい)につけて食べるくらい…(お昼大量に食べているのであまりお腹空いていないし)
この日は頭飽和状態、体力空っぽ状態だったのと、翌日は郊外の草原(ゲル宿泊)だったので早めにお開きに。
私がモンゴル料理結構イケると認識され、翌日は本式のモンゴル料理をキャンプで作って下さる事に…。乳茶を使った料理もあるとかで嬉しいような怖いような…
ホテルまで送ってもらって、その後夫とコンビニ行って夫は何かスナック菓子買って、私もお腹いっぱいとか言いながらアイス買って食べました(この辺は日本での生活と変わらないなw)
翌日はゲル泊なので1泊分の荷造り、ホテルは連泊にしてあるのでこのままでOKというのは本当にラクで、この措置は夫GJで心から感謝でした。
こうして2日目、濃くて長い私のモンゴルの一日が終わりました…
つづく…