Q&A1958 38歳、AMH 1.20、胚盤胞になりません | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 38歳、AMH 1.20
2回目の採卵で1個受精しましたが、胚盤胞にならず破棄されてしまいました。1年前に胚盤胞で妊娠、流産したため、胚盤胞移植が良いと言われました。年齢的に焦ってしまい、採卵して胚を凍結しておきたいです。誘発が良くなかったのか、医師の説明があまりなく、リプロダクション東京に転院を希望しています。

 

A 胚盤胞で妊娠していますので、胚盤胞移植が良いと思いますが、初期胚が胚盤胞になる確率は5割です。したがって、1個の胚ではなかなか目的を達成できないかもしれません。もし、自然周期採卵をされているなら、刺激周期をご検討ください。刺激周期で実施されたなら、刺激薬剤の変更が有効なことがあります。

 

良好胚の獲得には良い卵子と良い精子のどちらも必要です。したがって、卵子や精子の改善策が重要です。卵子の改善策としては、25-OHビタミンD、DHEAS、テストステロンの採血を行い、不足分を補充すること、あるいはイノシトールサプリメント補充で改善が期待できます。精子の改善策としては、男性外来を受診し、何か治せるものがないかの確認が必要です。また、顕微授精をされている場合には、より良い精子を選別する方法として、IMSIやPICSIを行うことがお勧めです。

 

なお、このQ&Aは、約3ヶ月前の質問にお答えしております。