Q&A154 海外在住、41歳、AMH 5.91 、多嚢胞性卵巣 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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Q 海外在住、41歳、AMH 5.91、多嚢胞性卵巣
生理はほぼ28~34日ごとにありますが、1年に数回、遅れることがあります。排卵が毎回きちんと起こっているかは定かではありません。2年前のAMHは5.91 ng/mLでしたが、その後調べていません。今まで2回アンタゴニスト法にて採卵しています。
①15個採卵で5日目胚盤胞4個凍結
 5日目新鮮胚盤胞移植(グレードBA)で6週で流産
 ホルモン補充周期で5日目胚盤胞移植(グレードBB)で8週で心拍停止
 自然周期にて移植(グレードBB)し妊娠せず
②13個採卵、9個受精、1日目で凍結
私のクリニックでは自然周期での凍結胚移植の場合、診察が少なく、私の場合(生理周期28~34日)、前回のスケジュールでは、生理12日目に血液検査&エコーをし、エコーでは「黒い大きな丸も見えているし、内膜も良い」と言われました。また、ホルモン値も問題ないとのことでした。その結果で、翌朝LHサージの尿検査を自宅で行うことになり、LHサージの尿検査の結果がプラスだったので、その5日後に移植日が決定されましたが、排卵したかどうかの確認のための検査はいっさいありませんでした(この移植では1日めのものを凍結したものを5日目胚盤胞まで育て移植、グレードはBB)。移植後11日目に妊娠検査薬で陰性、同日に生理も始まりました。次回も同様に1日目で凍結したものを育てて、自然周期にて移植の予定です。
前回の移植で、このような、排卵したかの確認がなくても、ほんとうに正確に着床の窓のあいている時期を予測し、移植できていたと思われますか。ブログを見ていると、多くのクリニックでは排卵があったのかの確認をしているようです。多嚢胞性卵巣でAMHも高いので、時々排卵がないことがあるのではないかと、本当に排卵しているのかどうか不安です。私の場合、もしこのクリニックで排卵の確認をしないのであれば、ホルモン補充周期にしたほうがが確実なのではないのかと疑問に思っています。

A お話の通り、自然周期の融解胚移植では、一般に診察回数が頻繁になります。当然、排卵があったことを確認して、移植の最終決定した方が妊娠率が良いと思います。これまでの経過からみても、ホルモン補充周期で妊娠していますので、ホルモン補充周期をトライされた方が良いように思います。担当医に直接疑問をぶつけてみてはいかがでしょうか。