Q&A155 24歳、AMH 2.89、子宮外妊娠、MTX治療 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 24歳、AMH 2.89、子宮外妊娠、MTX治療後
自己タイミング半年の後、不妊外来でのタイミング1周期目での陽性でしたが、子宮外妊娠でした。
低AMHを考えると腹腔鏡手術の方がよかったんですね。MTX治療後は造影剤検査をしました。またタイミング法からとの話になっていますが、これでいいのかと思う部分もあります。
ステップアップ等も含め少しでも妊娠の確率が上がる方法はあるのでしょうか。低AMHに加え卵管を温存したため、子宮外妊娠を繰り返す可能性もあり、ちゃんと妊娠できるか不安です。

A 2013.11.19「☆リウマトレックス(MTX)の影響は?」でご紹介した論文によると、MTX治療後半年で卵巣機能が復活しますから、実際にはそれほど大きな影響はないかと思います。

それよりも、卵管妊娠であるとすれば、その後の卵管の状態が心配になります。当然、子宮外妊娠を繰り返す可能性は高くなります(2013.2.10「☆子宮外妊娠の長期予後」を参照してください)。AMHの数値を考慮すると、早めにステップアップされるのが良いと思います。

なお、体外受精で凍結融解胚移植(特に胚盤胞移植)を行うと、子宮外妊娠のリスクを軽減することができます(2013.1.17「凍結融解胚移植では子宮外妊娠のリスクが低下」を参照してください)。