Q&A1652 正常胚移植でもうまくいきません | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 採卵のたび1〜2個は胚盤胞もでき、着床前診断をしたものについては2個とも正常胚でした。ホルモン補充、新鮮胚移植、移植日を0.5日ずらしても移植しましたが、一度目何の対策もしていない周期でHCG 1.8が出たのみであとは0でした。主人は無精子症で自然妊娠は極めて難しいと言われています。私達の治療の諦めどきはどのように考えれば良いでしょうか。先月の採卵では胚盤胞が出来なかったこともあり、終わりを考えなければならないのかと思っています。現在38歳ですが、2年前AMH 0.38でした。
 

A 全てのオプション検査をお勧めいたします。すなわち、慢性子宮内膜炎検査、子宮収縮検査、銅亜鉛検査、25-OHビタミンD検査、不育症検査です。これらは全て治療可能ですので、全ての対策をとって正常胚を移植してみるのが良いでしょう。他院で5〜20回判定陰性の方の多くは、これらの対策を取ることにより妊娠が成立しています。それでも妊娠しない場合は、最後の手段として、着床の窓を大きくズラすことをお勧めします(1〜2日)。